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「出版業界の片隅で」その5 歓迎会で明かされた同僚たちの過去

【前回までのあらすじ】
アダルト誌をメインに出す「三割出版」の入社から2週間。「コイツはすぐには辞めなそう」と思われたからか、ようやく私の歓迎会を開催してもらった。その時に知った同僚たちはなにゆえに「三割出版」に入ったのかというお話。

●最初からお読み頂く場合は下記のマガジンから
出版業界の片隅で~優しい大人と不器用な若者たち~|あっちゅん

【この記事について】

最初にお断りを入れておくと、色っぽい話や艶っぽい話はほぼありません。

今ではすっかり存在感が薄れてしまったエロ本業界が、まだまだ元気だった頃に集った不器用だけど熱意溢れる若者たちのお話です。

なお、2001年から2002年にかけて、私が最初に就職した某アダルト誌出版社での思い出を関係者に迷惑をかけないように一部フィクションを交えて綴るお仕事系の読み物になります。

不定期ながら連載として書き貯め、最終的にはマガジンとして販売する予定です。公開から1週間は無料で公開します(4/28から有料に切り替えます)。後々、気に入ってくれたら購読頂ければ幸いです。

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入社から2週間した頃、「アンタレス」編集部の大熊さんから自分の歓迎会をしてくれるという話をもらった。

ちなみに「三割出版」では、新人が2、3日で来なくなることが多かったようで、2週間の働き振りを見て「コイツは簡単には辞めなそうだ」となったら、歓迎会を開くのだと、後から知ることになる。

「アンタレス」編集部が所属する編集局には、他に4つの雑誌編集部があり、ヌードありのグラビア誌が2誌、AV情報誌が1誌、マンガ主体のレディースコミックが1誌という構成だった。

同じフロアで働いているとはいえ、派閥まではいかないけど、折り合いがいい、悪いはあるようで、自分の歓迎会には、大熊さんと辻田さんが楽しく飲めるメンバーが呼ばれた。

同僚たちのあだ名の由来

ちなみに参加メンバーは、

・モニカさん
→メガネの理知的な雰囲気がある男性。26歳。吉川晃司好き。ヌードグラビア誌編集部
・ランドマークさん
→実直かつ優しい雰囲気をもつ男性。30歳。編集局で1番の高身長(とはいえ181cm)。レディコミ編集部
・ぷよさん
→大学入試をサボってゲーム「ぷよぷよ」の全国大会に出場した猛者。26歳。AV情報誌編集部
・ダーヤマさん
→業界人っぽい洗練された雰囲気があるので名字を逆さ読み。27歳。ヌードグラビア誌編集部
・ジーニアスさん
→イケメンかつ天才肌の編集者。28歳ヌードグラビア誌編集部
・キーマさん
→細身で坊主頭というどこか僧侶のような雰囲気もある男性。28歳。インド好き。ヌードグラビア誌編集部

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