【上司の存在 ~ココロノキズ②~】
(続き・・・会社に到着)
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「お疲れ様です…」
暗い部屋の一角だけが、
スポットライトのように…
上司を照らしていた。
私の足音と声に…
少しびっくりした形相だった。
まさか来るとは思っていなかったのだろう。
何の声も、反応もないまま…
私は机に向かった。
私の机は上司の向かい…
黙々と仕事をこなす上司に対し、
申し訳ない気持ちになったが…
次の瞬間、
その気持ちとは裏腹に…
恐怖感と…
そして、涙が溢れてきた。
社会に出て、
仕事をして、
泣いたのは初めてだった。
情けなくなった…
なんで…どうして…
「ごめん…ごめんな…。。」
妻の顔、子供の顔が浮かんでいた。
「オレ…ダメかも…ごめんな…。」
家族に申し訳なかった。
自分が情けなかった。
この時からもう…
上司の顔をまともに見ることができなくなった。
(続く)
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