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#ハッシュタグ保護猫 夜明け前

私には10年前に始めた楽器の師匠が3人いる。
時系列に並べると

No1中古楽器購入時の店長が紹介してくださった先生。
No2以前所属していた楽団のトレーナー先生。
No3 No2の後任の先生。その先生は私の子供と同年代のかわいい娘さんだった。

9月初旬の残暑厳しい夜
No3の先生からSNSで連絡が入った。ショッピングモール駐車場で子猫を見つけ、このままでは車に引かれてしまうと、捕獲業者を頼んで捕獲したが引き取り手を探している。
先生のご自宅は多種類の動物がいて一緒に暮らすのは難しいとのこと。どうして4年以上前の教え子オバサンを思いついたのか謎だが、心当たりがあれば新たな飼い主の声掛けか、他に手立てがないものかとの相談だった。

 私は考えた。自称ほぼ日ファンとして、ドコノコを駆使できないかと。アプリの隅々まで読み直したが、迷子探しはあっても、里親募集はないと気がついた。

その後、子猫に先天性の病がわかり、これはやんわり、あてがないとお伝えするのが良いのではと思った時、もう一人の私が頭の中で大声をあげた。

ドコノコの迷子探しに、いける範囲なら何度も飛んでいって探しに行っているではないか!
N●Kの保護猫保護犬番組を毎回正座して見ているではないか!

なぜ、良い環境で暮らせるようになるかもしれない、#保護猫(ハッシュタグ保護猫)になれるかもしれない、その可能性が少しでもある子猫を目の前に、懸命にならないのだ!私のバカバカ!と思い直させた。

それから2、3人、友達に連絡し、時々フードを送っている保護団体に問い合わせをした。先生は出張先の海外からも各方面に連絡をとり、先生のご家族も総出で子猫を救う方法を探されていた。

私の連絡した先に、高齢で亡くなった方の残された犬を引き取り最後までお世話していた友達いた。
長年の飼い主がいなくなることを理解できない犬は、鳴いたりうろうろしたり、新しい環境になれなかったりと(私も遊びに行くと激しく吠えられた。)大変な暮らしぶりだったが、友達は愛情深くお世話をして、虹の橋を渡っていった。

私はその友達に、子猫の話を伝えた後、後悔の念に駆られてしまった。彼女の慈愛に満ちた心を知っていて連絡してしまったのではないかと。
連絡文に「無理をしないでね、ご家族とよく話し合ってください。」と付け加えても「もしかしたら」と私が期待してしまっているのではないかと。

眠りの浅い夜が数日続いた後、先生から子猫の未来が不安だと思うようになり、一旦ご自宅に引き取りを考えていると連絡があった。その旨、友達にも伝えると「我が家で飼います。連れてきてもらっていいです。」の文字が。すぐさま本人と通話をして、本当に先生に伝えてよいのかと長々話し、私の想いを伝え謝った。
それでも「ご縁あって子猫が来ることになったと思うし、冷たい場所には絶対連れて行かないであげて」と語尾強く話す友達だった。

その後、すぐに先生に通話した時の、先生の震えた涙声はずっと忘れられず、私もおちついて伝えようとしたのだが、どのように伝えたのかもよく覚えていない。

しかし、その数日後、子猫は友達宅にやってきた。先生と先生のご家族からのたくさんの愛と猫グッズのプレゼントと共に。
先生と友達と私は子猫を囲んでニコニコ話しながら、皆、涙がこぼれてきた。先生は出会いから今日までの日々に思いを馳せるとポロポロと綺麗な光のつぶが溢れていた。

子猫は暖かいごはんと暖かい寝床と暖かい家族に囲まれた#ハッシュタグ保護猫になった。

ドコノコアプリ、宇宙の塵にも星にもならない小さな小さな命を救ってくれてありがとう。

#保護猫 #ドコノコ
#ほぼ日 #猫 #子猫

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