仕事で使えるApple Watchの魅力と素敵な未来【後編】
2023年9月にwatchOS 10と新たなApple Watchシリーズが発表されました。
個人の健康意識や法人における健康経営にどのようなインパクトをもたらすのでしょうか。
Apple Watchを活用した健康経営アプリ「Wellness Aile」の開発責任者であるアツラエ取締役の有海哲也とTechチームマネージャーの早川 輝にwatchOS 10の注目すべきポイントについて聞きました。
記事の後編ではApple Watch Ultra 2の可能性についても話が及びました。
【プロフィール】
有海哲也
株式会社アツラエ 取締役 健康経営アプリ「Wellness Aile」開発責任者
早川 輝
株式会社アツラエ Techチームマネージャー
アクションボタンが広げるApple Watchの可能性
──お二人は今回のAppleの発表を受けて、最新モデルのApple Watch Ultra 2をお使いと聞いています。現時点での感想はいかがでしょう。
有海:使い始めてまだ1ヶ月程度ですが、最初は今までのApple Watchよりも大きくて重いのではないかと心配していました。ところが、チタニウムケースのおかげで見た目ほど重たく感じませんし、1日か2日使っているとまったく気にならなくなっていたので驚きです。
──スポーツなどには使われていますか?
有海:山登りとか過酷な場所にまだ行ったことがないので、本来の良さは体感できていないと思います。しかし、週末にゴルフのラウンドをしている際に心拍数の変化を確認できたりと、安心感という点では以前のApple Watchとの共通性はあります。
──これまでのApple Watchとの使い勝手で違う面はありますか?
有海:やはり、カスタマイズ可能なアクションボタンの搭載が大きいでしょう。iPhone 15 ProとiPhone 15 Pro Maxにも採用されたように、これからのAppleデバイスには標準的に搭載されていくのではないでしょうか。僕はこのアクションボタンにワークアウトの機能を割り当てていますが、やはり小さなデバイスは物理ボタンが1つあるだけで操作感が結構変わって便利になるなという印象です。
早川:アクションボタンには、ワークアウト以外にもストップウォッチ、ウェイポイント、バックトレース、ダイブ、フラッシュライト、ショートカットという8つの機能が利用できます。現在はwatchOSの標準機能のみですが、サードパーティにも割り当て可能になると、さらに多様な用途で使えるようになると思います。
──サードパーティの機能を割り当てられないのでしょうか。
早川:現状では「ショートカット」のアクションに対応させることができますが、ユーザーにとって便利な体験を提供するにはApple Watchに最適化されたネイティブアプリの機能として開発していくことが重要だと感じています。
──早川さんご自身はショートカットを活用していきたいとお考えですか?
早川:実は以前から使っていまして、例えば、タスクの登録や作業の開始・終了を管理するといった使い方ができます。これをアクションボタンと組み合わせれば、Apple Watchの画面を見たり触ったりしなくても操作できるようになり、非常に便利です。以前、営業支援のアプリを開発したことがありますが、画面を開いて巡回ルートを選択したり入力したりといった操作が必要でした。これが最低限の操作で済むようになれば、ビジネスシーンでも非常にスマートで便利になると思います。
有海:“アクションボタンでApple Watchの体験は大きく変わります”
アクションボタンが広げるApple Watchの可能性
──早川さんはApple Watch Ultra 2を使ってみて、今までとの違いを感じますか。
早川:今までApple Watch Series 8を使っていたのですが、やはりバッテリーの持ちが格段に良くなったと思います。普段は寝ている時も含めほぼ一日中着けていて、お風呂に入っている時だけ充電していますが、それでもバッテリー残量が70%もあることがあります。しかも高速充電に対応しているので、お風呂上がりにはフル充電された状態に戻っています。さすが「ウルトラ」と感じました。
──バッテリ以外にも何か改善点はありますか?
早川:GPSの精度が挙げられますね。先週、那須高原に家族旅行で行った際に、ホテルにiPhoneを置いたまま山を散歩していましたが、Apple Watch Ultra 2で高い精度で現在地を確認できました。私はアウトドア派ではないですが、トレッキングやハイキングをする人にとってもおすすめです。また、頑丈さは見た目以上の価値があり、日常での衝撃や水濡れにも強いため、安心感があります。
──ちなみに、バンドについてお二人は何を選ばれましたか。
有海:今回のApple Watch Ultra 2では標準でオーシャンバンド、アルパインループ、トレイルループの3種類が選べましたが、来年の海での使用を考え、オーシャンバンドを選びました。他の種類も魅力的なので、今後利用シーンに応じて使い分けてみたいと思います。
早川:以前は布製のバンドを使っていましたが、長期間の使用で汚れが気になり、また家での水仕事を考えて、今回はオーシャンバンドにしました。
──有海さんは右腕にバンドを着けていますね。
有海:私は昔から腕時計を右腕に着けることを好んでいます。また、日本の公共空間は右利きを前提に設計されていることが多いので、Apple Watchでの決済などは右腕で行うと便利です。
Apple Watchの魅力を伝えるエヴァンジェリストとして
──新たに発表されたwatchOS 10とApple Watch Ultra 2についてお聞きしましたが、今後アツラエのプロジェクトで活かしたい点はありますか?
有海:私たちには「Wellness Aile」、「Personal Aile」、「Factory Aile」という3つのサービスラインナップがあります。それぞれのサービスは完成度が高いと自負していますが、これらの機能だけを紹介しても、企業がApple Watchを導入するモチベーションにはなりにくいかもしれません。ですから、Apple Watchを取り入れることで仕事や生活がどう変わるか、そのリアルな情報を発信していきたいと思います。この点で、早川さんを含むテックチームは、watchOSが更新されると、その新機能をどう活用できるかをすぐに試してくれるので、興味深い話題を提供できると考えています。
早川:技術的な観点から言うと、Apple WatchとwatchOSの進化によりできることが増えています。例えば、今回の発表にあった「触らずに操作できる」という点を、Wellness Aileの開発に反映させて、ユーザーの生活に自然に溶け込むように開発したいと思います。これは、高度な機能を細かく操作するのではなく、日常的に情報を記録し、必要なときにすぐに情報を確認できるような工夫です。言うなれば、Apple Watch純正の機能のようなUI/UXをアプリ開発で実現することが私たちの目標です。
有海:そのためには、まず私たちがApple Watchの素晴らしさを実感し、それをエヴァンジェリストとして伝えることが使命になります。そして、Apple Watchといえばアツラエを思い浮かべてもらえるようになることが私たちの目標です。
有海:“Apple WatchとWellness Aileで体験がどう変わるかを伝えていきたいです”