データ活用を加速させたい!マーケティング部門でデータ民主化に取り組んだ話
こんにちは。GA technologies / RENOSYのマーケティング部門でデータエンジニアをしている常住(つねすみ)と申します。前職では、広告会社でメディアプランナーとデータアナリスト、その後Slerへ転職してBIツールのコンサルタントをした後、2020年8月にデータエンジニアとしてGA technologies(以下GA)にジョインしました。
データエンジニアとしてGAにジョインした理由としては、以下の2つです。
①データ分析環境がどう使われているか、できるだけユーザーの近くで見て、もっと使ってもらえるように高速に改善できる環境で働きたい。
②不動産のデータを扱ってみたい。(漠然と都市開発とかスマートシティなどのトピックに興味があり、関心のある領域に近いところで働きたかった。)
イントロダクション
では、早速本題に入りたいのですが、そもそも、データエンジニア、と言われても何をしているのかイメージがつきづらい人が多いかもしれないと思いますので、本題の前に少し、私の業務の説明をさせてください。
まず、RENOSYは「住まい探しと資産運用を、もっとカンタンに。」というミッションを持ったサービスです。マーケティング部門では、RENOSYをより多くのユーザーにご利用いただく、そして、より良いサービスをユーザーに提供するための施策を企画、実施しています。
ユーザーの増加とユーザー体験の改善には、ユーザーのニーズや利用傾向を把握したりすることが必要です。言い換えると、「どんな人がRENOSYを訪れ、どんな行動をしているのか、そして、何を購入いただいているのか」を知ることが必要になります。つまり、ユーザーの行動データを蓄積して、分析することが必要、となります。
私が行っているのは、この「データを蓄積して分析できる」環境を作ることです。
自分がデータを元に企画を考える、ということをしているのではなく、
それらを行う「データを使う人(≒データアナリストやデータサイエンティスト)」が「データを使える」環境を作ることを仕事にしています。
(”使える”というのは、『最新の正確なデータにアクセスでき、データの中身をデータアナリストが理解できている』状態と認識ください。)
具体的には、以下のような業務を行っています。
・社内の各プロダクトからのデータプラットフォームへのデータ収集
・データアナリスト向けのデータ抽出
・BIツールによるマーケティングダッシュボードの作成
など
今回お伝えすること
前置きが長くなりましたが、今回は、データ民主化という企画を行ったことについてシェアします。
私は『「データを使う人」が「データを使える」環境を作ること』を仕事にしている、と述べましたが、今回は、「そもそもの『データを使う人』を増やす」ことにチャレンジしました。
データ民主化って何?
ザックリ言うと、
『データアナリストやデータサイエンティスト≒データの専門家以外の人にも、データを使った意思決定ができるようにしよう』
という取り組みです。
前述の通り、サービスを成長させるのに、データに基づいた意思決定は必要不可欠です。そのデータに基づく意思決定とは、経営的な判断だけでなく、SEOや広告運用、CRMなど、あらゆる現場での意思決定を指しています。
だからこそ、データ活用スキルをデータ分析部門のみに留めず、社内にデータ活用の文化・方法を普及させ、データドリブンな意思決定を定着させることが重要となり、そのための活動が、データ民主化となります。
※その会社の状態に応じて、データ民主化として行う活動は異なる理解です。以降で紹介する今回の取り組みも、1例としてご覧ください。
データ民主化企画を実施した背景
前述のように、データ分析はデータアナリストだけが行うものではなく、
KPIを追いかけるメンバーすべてに求められるものになっています。
RENOSYのマーケティング部門は、不動産取引のオンライン化を進めることで、不動産取引やユーザー体験をよくしていくことを目指しています。
オンライン化する、ということは、取引の入口から出口まで、どういう商談であったのか、データが蓄積されるということです。つまり、不動産取引やユーザー体験をよくするためのヒントがどんどん溜まっていく状況が作られています。
しかし、マーケティング部門では私の所属するデータ分析チーム以外は
ほとんどデータの活用ができない状況でした。
データを活用できる人間が少ないことで、分析アウトプットの量も増えず、
出したアウトプットの切り口を変えようとしても、扱える人も限られているので、質が向上するスピードも遅い、という状況でした。そこで、まずはデータの活用量の増加を目指すべく、データ民主化企画を行うことにしました。
実際におこなったこと
マーケティング部門全体でデータ活用を促進することを目標としつつ、今回はまずはデータ分析にニーズのありそうなメンバーを中心に、第1集団の育成に取り組みました。
データ民主化企画の中では、各種課題を解消するために以下のことを実施しました。
・データにそもそもアクセスできない
→データ分析基盤へのアクセス権を付与(個人情報などには触れられないように権限のコントロールも実施)
・アクセスできてもデータの定義がわからない
→改めて社内にどういうデータがあるのかを整理して共有
→全員が見れる場所に主要なデータの定義を整理
→メンバーと定期的に1on1を行い、データ分析方法をレクチャー
・データ分析や可視化の手段が限られており、
分析速度が遅かったり共有性が低い
→BIツールのアカウントを付与し、簡単な操作をレクチャー
全体的な流れは以下の通りです。1〜2時間くらいの講座を4回にわけ、3週間実施したのですが、皆さん業務の合間をぬって参加してくださいました。。。
それぞれのステップで講座資料を作成し、実際の講座風景も録画できたので、今後も分析プレイヤーを増やしていく、という観点では、拡張性ができたのもよかったと思っています。
状況がどう変わったか
2つ、良い効果があらわれました。
①「このデータをください」から、「こういうデータが出したいのでやり方を教えてください」という質問が増えました。”データ待ち”の時間を減らし、改善を早く回そう、という意識づけができている印象です。
②データの定義が自分でわかったことと、使えるツールが増えたことで、
分析のアウトプットを出す/出したものを状況に応じて調整して、よりよい意思決定ができるように整える速度が上がった印象があります。
ネクストアクション
今後は3つのことにチャレンジしていきます。
なお、「ジュニア」や「ミドル」などの言葉選び、定義とスキルセットは、あくまで現状、データ分析チーム内で独自に決め、理想としているものです。また、ミドル→シニア、シニア→エキスパートへのルートがすでにできている、今後作る、ということが決まっているわけでもないです。
また、データの扱い方を1回教えれば、いい感じにデータドリブンな組織になっていく、などということはなく、データチームからの能動的なアクションが求められると認識しています。
まとめ
冒頭で述べた『「データを使う人」が「データを使える」状態を作り上げる』ことですが、専門用語でいうと、その業務はデータマネジメント、と呼ばれます。
定義の中にも『維持』と『進化』という言葉がある通り、今回のデータ民主化企画もこれで終わりではなく、まだまだ続けていかなければならないことがたくさんあります。
マーケティング部門としても初めての取り組みのため、トライ&エラーを繰り返しながら、データをもっともっと活用できる組織にできるようにがんばります。
前述したネクストアクションの①・②・③に経験がおありの方、そうでなくともGA technologies / RENOSYに興味を持ってくださった方、マーケティングに興味のある方、ぜひぜひカジュアル面談などしたいです!お待ちしております!
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