#03 コミュニティ初心者がつながりを増やすためにしたこと|「オジマさん」を深掘り! 伊藤成幸さんインタビュー【前編】
こんにちは。新卒から13年勤めた大企業を辞めて海外ノマドワーカーになったあつみです。会社員の頃からコミュニティが好きで、社外コミュニティへ越境して外の視点に触れながらキャリアチェンジをしてきました。
コミュニティマーケティングを知るためにCMC_MeetupやCLS高知などいくつかのコミュニティイベントに参加しているのですが、今回それらを立ち上げた小島英揮さんを深掘りするインタビューをすることになりました!
小島さんは「コミュニティマーケティングをあたりまえに」を掲げて設立された一般社団法人コミュニティマーケティング推進協会の代表理事でもあり、コミュニティマーケティングの第一人者であるため、小島さんを知る人からは「小島さんみたいになりたい」と言われることも多いようです。
そこで、小島さんを知る方々に「小島さんみたいになりたい」と思う部分を伺い、客観的に深掘りすることでコミュニティビルダーやコミュニティマネージャーなどコミュニティに関わる人にとって何かヒントが見つかるのではないかという仮説のもとそれぞれの小島さん像を探っていきます。
前回の記事では、インタビューをする前にこのインタビュー企画チーム”OFF-ON”の3人でそれぞれのコミュニティとの出会いや小島さんとの接点、「小島さんみたい」とは具体的になにかお互いのイメージを出しあいました。
インタビュー第1弾は、この企画を始めるきっかけとなった伊藤成幸さん(以下、ナリさん)です!
昨年広島の#CMC_Meetupに参加した際に「小島さんみたいになりたい」とお話しされた張本人なのですが、その意図はなんだったのでしょうか。ナリさんのコミュニティ遍歴と合わせてお話を伺っていきます。
1.自己紹介とコミュニティとの出会い
あつみ:インタビュー受けていただきありがとうございます!はじめにナリさんの自己紹介とコミュニティとの出会いについて教えてください。
ナリさん:もともと20代の頃は自衛隊にいまして、その後30代に入ってからIT業界に関わるようになりました。最初に携わったのがいわゆるオープンソースと呼ばれるLinuxなどのコンピューター基盤の仕事です。「みんなで一つの製品を作る」というオープンソースコミュニティに出会ったのが最初のコミュニティとの出会いでした。
あつみ:オープンソースコミュニティとはどのようなものでしょうか。コミュニティで情報交換をするような感じですか?
ナリさん:オープンソースコミュニティは誰に対してもオープンな姿勢を持っていて、いろいろな人が集まっています。当初、アメリカ系外資企業の社員としてその世界に入ったのですが、関係する企業やその企業を支えるファン、外部からコミットしている人たちで形成されていて、同じ関心軸でつながる世界があることを初めて知りました。
情報共有の場でもありますが、どちらかというと僕はLinuxをはじめとするテクノロジーに夢中な人たちと飲んだりすることが多かったです。Linuxなどでつながってはいるのですが、実はあまり一緒に仕事をしたことはないんです。面白いですよね。
あつみ:お仕事に直結するのかと思いましたが、気が合う仲間が見つかったような感じだったんですね。
ナリさん: そうです。そういったイベントで徐々にLT(ライトニングトーク)登壇もするようになりました。
あつみ:どのようにそのコミュニティを見つけたんですか?
ナリさん: 同僚に誘われました。誘われるというのはコミュニティに入るいいきっかけだと思います。自分では存在すら知りえない面白いコミュニティがたくさんありますからね。
あつみ:いまはコミュニティについて紹介するHPやSNSがあって外からわかるものもありますが、基本的には人とのつながりがベースになってるので見えないコミュニティも多いと思います。
ナリさん: 僕をその世界に引き込んでくれたのがCLS高知の常連である河野さんです。同僚でもあり、よくコミュニティ内でイベントを開催していました。なにより最初に驚いたのは河野さんのFacebookの友達の多さでした。
どうしてそんなにつながりが多いのか当時はまったくわからなくて。とにかくつながりを増やさないとSNSの世界で自分の存在感がなくなってしまう気がしてコミュニティに参加するときの最初のKPIは「Facebookの友達を増やす」にしていました。
自分のプレゼンスを上げるためにオフラインのイベントに出て、名刺を交換して仲良くなってというサイクルを回していこうと思ったのが2014年頃の話です。
2.共通点から知ってもらうきっかけをつくる
ナリさん:例えば、同じ会社にいる人たちは同質性が高いとか、共通の関心軸がバイクならばバイクが買えるだけの経済力がある人という前提がある程度同じとかで、安心して遊べるんですよね。そうなると逆に異質な人と出会うチャンスは減っていくような気がします。
あつみ:共通点があると安心しますね。バックグラウンドが似ていると親近感も湧きます。安心の基準はいろいろありますが、知り合いの紹介なら大丈夫だと思うこともありますね。
ナリさん:自衛隊には中卒の人もいれば大卒の人もいて、育った環境もバラバラですごく多様なんです。そいういう意味で社会の縮図みたいなものなんですが、20代の頃はどうやって異質な人たちと信頼関係を築いていくのか試行錯誤していました(主に酒でしたが)。
ひるがえって同質な人が集まるIT業界に入ってから、この業界の人たちの関係性の作り方やFacebook友達をどうやって増やしているのかが不思議だったんです。
そこで僕は友達を増やすために、友達のネームバリューを借りる作戦に出ました。「僕は〇〇さんの知り合いです」と自己紹介をして覚えてもらうのが狙いです。
あつみ:初対面でも共通の知り合いという接点ができて安心しますね!
ナリさん: そうです。共通点がないと会話の仕方がわからなくなることがありますよね。その点「〇〇さんの知り合い」を起点に会話のきっかけが生まれ輪に入りやすくなりました。
あつみ:コミュニティによって自分のアイデンティティをどう見せるか、どう見られたいのかというのは人それぞれありそうです。
共通点を探してつながりを作ることもできるし、覚えてもらいやすいような自己紹介やLT登壇などで目立つとか、誰もが一度は考えるんじゃないでしょうか。
3.登壇を重ねて自分のアイデンティを確立
ナリさん: その作戦ははじめは良かったのですが、やっぱり「〇〇さんの知り合いなんです」と言い続けるのもいまいちだなと思うようになりました。初対面で輪に入ることができても、その後なかなか心を開けなかったんです。
だけど、ある時LT登壇して自分のことを話してみたら、みんなが名前を覚えてくれて「なるほど、そういうことか」と思って。これは中毒性もありますね(笑)
あつみ:わかります。LT登壇は最高の自己紹介と言われるように、前に出ると相手の方から声をかけてもらいやすくなるので、自分から積極的に声をかけられない人にもおすすめの方法です。
ナリさん:それまでは小島さんと仲良くなっていつかCLS高知の登壇依頼が来たらいいなという期待をしていたのですが、自分個人の存在感を高めるためには待つのではなく自らチャンスを作るべきなんだと。CLS高知でもサポーター枠で登壇をすることにしました。
あつみ:ナリさんの中での行動する動機がだいぶ変化しましたね!
ナリさん:登壇による変化はとても大きかったです。5分という短い時間ですが少しずつ爪痕を残していくと本当に変わっていきます。
あつみ:そもそも、壇上に上がるだけで目立つので覚えられやすいですし、登壇することで信頼や安心感が積み重なっていきますからね。登壇すること自体すごく大事だと思います。
ナリさん: そうなんです、打席に立つことが本当に大事なんです。チャンスがあれば内容は後から考えるとしてとにかく手を挙げてみる。
小島さんがどう思ってるかはわかりませんが、CLS高知の宿の部屋割りをするときに、小島さんが「部屋空いてるから、誰か一人どうですか?」って言った時にすかさず手を挙げてみたりしました。
そうやって過ごしていくうちに、小島さんと一緒にバイクに乗ることも増えていき「小島さんの知り合い」という認識から脱却して「バイク乗りのナリさん」としていられるようになっていたんですよね。
あつみ:「誰かの知り合い」ではなく「個人として」としてということですね。おそらく周りからは誰かの知り合いではなく「ナリさん」として見られていたと思いますが、ご自身の中でアイデンティティの認識が変わるというような体験だったんですね。
4.コミュニティの中の居場所
新しいコミュニティに入る際には共通の知り合いや、そのコミュニティに誘ってくれた知り合いがいると会話のきっかけにしやすいです。
まずは参加するところからですが、知り合いとの関係性からつながりを増やしていくうちにLT登壇や懇親会などを経て徐々に自分のアイデンティティを出せるようになっていったというお話でした。
後編では、「小島さんみたいになりたい」と話した時のことについて話していきます!ナリさんは小島さんに対してどのようなイメージを持っていたのでしょうか。
次回もお楽しみに!
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<プロフィール>
大澤 あつみ(取材、編集)