薬局にて学んだこと14 気が落ち込んだ時
以前、お加持は病気治療や人生を変えるためのもので、それを自分でできるところはやってみましょうというお話をさせていただきました。
表に出せないどうにもならない感情が、いかに私たちの体を歪めて体調を乱してしまうかということで、先回は腹が立った時の気の流し方のアドバイスをさせていただきました。今回は、気が落ち込んでしまった時の上げ方です。
目の前の問題が解決したり人生が開けてきたら、気の落ち込みは一気に解消されるのですが、それがうまくいかないのが人生です。表面的な治療も、苛立ちの時同様に必要です。
気を上げる経絡のひとつに脾経(ひけい)というものがあり、その末端手前が鎖骨の下あたりです。脾経は、足の親指から足首の内側を通って腹部を上がり、鎖骨の下あたりに至ります。気の上がりが悪いと、この鎖骨の下あたり(特に左側)が押さえると硬かったり痛かったりします。
押さえて痛気持ち良いのであれば、少し押さえてみて下さい。それだけで気は上がってくるものです。また、足のむくみがあれば、足首の内側の三陰交(さんいんこう)や足の内経を押さえてみるのも良い方法です。てきめんに気が上がってくるというものではありませんが、少し手助けになればと思います。
前にうちの女性の患者さんが、自分がかかっているマッサージの先生のことを、「足の内経をマッサージするから、ちょっといやらしいよね」と言われたのを聞きました。足の内経は、足元の気を子宮も含めた腹部までもってくるため、女性の性感帯でもあります。それがわかっている男性のマッサージの先生だったら、効果があるとわかっていても避けた場所かもしれません。でも、そんなつもりじゃなかったとしたら、かわいそうでしたね。
そして、足が冷えた時やつった時に足湯をする方法もあります。足湯をすると体の中まで温まりますね。気の循環が良くなり、血液も温まって新陳代謝が上がります。でも、汗をかきすぎるとのぼせてしまうので、気をつけなければいけません。