お加持教室12 まっすぐにする

お加持では、その人が良い状態かどうかは、体をめぐる気が途中で止まっていないかどうか、つまり、気がまっすぐに上から下に流れているかどうかで診ます。気が、滞りなく下腹に流れるためには、心や体がまっすぐでないと上から下に流れづらくなります。
体の面で言えば、背骨が側弯症で曲がっていても、高齢で背骨が曲がっていても、気が流れさえしていれば良いのです。よく、整形外科でレントゲンを撮って、神経にもさわってない、歪みもそんなにひどくないのに、強い痛みを訴える方がみえます。また、「こんなに歪んでいても痛くないの?」という方もみえます。これは、骨の上を気が流れているかどうかの違いだと推測します。
 
ところで、30年くらい前のことです。女性の患者さんで、首の横側に原因不明の大きなできものができた方がみえました。病院に入院をして検査を待つ間、漢方を依頼されたので、体調を整えるものをうちの先生がお出ししたら、そのできものが首の中央に徐々に寄ってきたというのです。病院では少し様子をみようということになり、そしてある時にできものの口がはじけて治ってしまったとのことでした。中から何が出てきたのか、病院の方から聞くことができなかったので不明なのですが。

人の体は、歪みや詰まりがあると、そこで気が滞って流れが悪くなります。そして、一か所で気が滞ると、体全体の気の流れは悪くなり、体のあらゆる機能が正常には働かなくなります。たとえば、上に記した方の排膿をさせる働きもです。たぶん彼女は、何らかの原因で体に詰まりや歪みができて体の機能が働きにくくなり、自分にとって良くないものを外に出せない状態になっていたのでしょう。それが体の気がまっすぐに通ることによって、自分の中の治す機能が働いてきたのだと思われます。


 


では、お加持で体の気をまっすぐに通してみましょう。頭から下腹かん元に、上から下に手を動かしてみてみましょう。胸で手が止まったら、胸の気を降ろしてみる。まだ足りない気がするのなら、今度は、体のもっと外側の気の流れもみてみましょう。左が滞っていたら、左の気も流してみる。もう一度みて、手に気の滞りを感じなくなったら、気が流れて体がまっすぐになっています。不安や気鬱といった心の問題だったら、そんなに長く効いていないかもしれませんが。
また、だるいなどの症状がある場合は、いったん気を上げる必要があります。
 
 
2022年7月26日

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