薬局にて学んだこと20 お加持はどこを触っている?

 今まで、お加持がどこを触っているかというお話をしたことはなかったと思うので、今回はこのお話をしようと思います。
 
 まず、この加持ということばですが、広辞苑によりますと、「仏が不思議な力で、衆生を加護すること」とあります。そして、加持は密教の中でおこなわれ、宗教の中にはこの密教の部分が必ずあると言われています。人を守り助けるには、どうしても加持の力が必要なのでしょう。

 人は生きていく中で、病気をしたり失敗をします。人生は、その失敗の原因を知り正していくことで、その人らしく作られていくのでしょう。宗教は、その道案内としてあるものです。また、宗教によらずとも人が懸命に生きているのならば、お加持の力などの神仏の加護はあって当然だと考えています。
 
そして、お加持で触っているのは「気」です。この右図のように、人のまわりには気がめぐっています。この気は、一般的にはオーラと呼ばれるもので、専門用語で言いますと、経脈(けいみゃく)と呼ばれているものです。経絡(けいらく)ということばをご存知の方が見えると思いますが、経脈はからだの外をめぐり、絡脈(らくみゃく)はからだの中をめぐっています。
                       
よく、経脈がひふの表面をめぐっていると誤解されている方がみえますが、そうではなくて、ひふから少し離れたところをめぐっています。
 
 お加持は、手をかざして、その人の経脈の気がどこで滞っているかをみます。そして、その滞った気をめぐらせるようになおしていきます。私が経絡人形に針をいれたりするのは、その人のまわりをめぐっている経脈や、体の中の絡脈(らくみゃく)の気をめぐらすためです。

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