心の欲求にブレーキをかけるものの正体
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会社員からフリーになって一番何が変わったかというと、自分自身と向き合う時間が増えたということだという記事を以前書いたのですが、では具体的にどんな気付きがあったかについて書いてみたいと思います。
自分と向き合うこと、すなわち、自分が今まで蓋をしてきた欲求や感情と向き合うこと、ということなのですが、正直この歳になって自分と向き合うことがここまでしんどいことだとは思っていませんでした。
自分の中のブロッカー
会社に属さず、かといって会社を経営したいというわけでもない私は、これからどう生きていくかについて、自分で目標を立ててそれに向けての計画をたて、行動に移していく必要があります。
経済的なことももちろんありますが、それ以上に自分の社会での役割や、生きる目的を考えることは自分にとってとても大切でした。
でも私は何かやろうと思い立った時に、どうしてもそれにブレーキをかけようとする自分がいて、
「上手くいかないかもしれない」
「なんだか大変そう」
「いざ行動に移そうとしてもなんとなく気乗りがしない」
このような、やってみたいのにも関わらず、それにブレーキをかける心のブロックは、おそらく私が幼少期に自分を守るために作り上げた価値観、固定概念が邪魔をしているんだろうと思うのです。
幼少期の家庭環境
私の父親は自宅の中に事務所を構えて会社を経営していました。
といっても、社員は兄弟夫婦や親せきが集まってる家族経営の小さな会社で、だからこそお互い遠慮がないためしょっちゅう大人たちが仕事のことで喧嘩をしている状況でした。
そんな状況で20歳そこそこで嫁に来た私の母親は、それはそれは立ち位置ややりくりに苦労したとは思いますが、ストレスからか家庭でもとても怒りっぽく、私は母親に少しでも笑顔でいて欲しくて、そして私のことでまた怒ってしまわないように、いつもいい子でいようと思っていました。
それでいつしか、私は人の顔色を窺うことが癖になり、私に関わる人が、私といて機嫌よくいてくれることが、自分の幸せだと思うようになっていました。
幼少期に形成された価値観
それでいつしか私は、
『人の期待に応えないと自分はダメだ』と思ってしまう価値観、
『人に認めてもらわないと、ありのままの自分では愛されない』と思ってしまう価値観を持つようになってしまったのだと思います。
人の役に立たない自分はダメだという思い込みが強いため、何か新しいことをやってみようとしたときに、失敗が怖くてなかなか一歩が踏み出せない。心のブロッカーはそこなんだろうなということに気づきました。
私はよく友達から敵を作らない人だと昔から言われていたし、誰かを嫌いとか、誰かに対する怒りの感情もあまりわかない人間だと自分自身でも思っていて、それが私の長所だと思い込んでいたのですが、それは違うのだと気づきました。
そしてまたその価値観は怖いもので、自分が他人に対しても同じように自分にとって価値があるかどうか、という無意識のレッテルをはって人と付き合っていたのではないかと気づいたのです。
無意識レベルなので、最初は絶対そんな見方はしていないと自分では思っていたのですが、自分を深堀していくと、原因は幼少に自分を守るために作り上げてしまった価値観にあり、いつしか無意識にそういう風に人と接してきたのだと思います。
パンチャコーシャ（５つの鞘）
ヨガの世界では、パンチャコーシャといって人は５つの鞘で形成されているという人間五臓説があります。
自分の外側から
１．食物鞘：骨や筋肉や血管などから構成される目に見える物体
その下に
２．生気鞘：呼吸による体内の生命エネルギーから構成される鞘
その下に
３．意志鞘：感覚器官を通じで知覚し、思考する鞘。心、意識で構成される好き嫌いや感情がおこる鞘
その下に
４．理知鞘：物事の良い悪いを判断する理性的な鞘
そして私たちの一番内側には
５．歓喜鞘と呼ばれる、内側から沸き起こってくる悦びや感謝を感じるヨガの境地、至福の鞘
という５つの鞘に包まれ、またその鞘がお互いに影響しあっているので、自分の内側の何かを変えるとその側も変わっていくという考え方です。
自分が無意識のレベルで作り上げている理知鞘にある価値観は、.幼少期に抱いていた親への承認欲求という感情レベルの意志鞘に影響されて作り上げられたもの。
従って、当時どういう感情だったかというのを思い出してリリースしてあげないと、理知鞘は変わっていかないのです。
これがまた長年ずっと蓋をしてきた感情ですから、思った以上につらい作業だったりします。
でも今はただ、そうやって自分にも他人にも優劣をつけてしまう自分を、良い悪いで判断せず、これまでどんな感情がそのような理知鞘を作ってしまっていたのかを感じて深堀していくことが、今の自分に大事なことなんだと理解しています。
この理知鞘が変われば、きっとまたその外側の鞘へも変化が訪れて、誰に対しても本当にやさしい人間になれ、同時に自分のことも大切にできる、歓喜に満ちた人生になるのではと思います。
現在でもまだ、完全にブロッカーが外れたとは言い切れないですが、それでも、その自分のやりたい気持ちにブレーキをかけるものが何からくるのかという原因は分かった。これだけでも大きな変化だと思います。
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