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#39 南米3大カーニバルのひとつ、ボリビア・オルロのカーニバルへ行ってきました!!!
2023年2月25日 sábado
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先週末の日曜日と月曜の二日間、満を持して!!Oruro(オルロ)のカルナバル(スペイン語で言わせてね♡)へ行ってきました!
というよりも、友達に誘われ、行くつもりはなかったが、行ってみようか、というくらいの気持ちで行くことになったのだ。
ボリビア中の人がオルロへ大移動する、と言われるくらいカルナバル本番の日には、ものすごい人が、なんにもないオルロに集結する。土曜日から火曜日まで、四日間の祝日になるボリビア。オルロで、圧巻のパレードがあるのは一日目の土曜日。私たちはホテル、バスの予約に苦労し、、、日曜出発で一泊するのがやっとだった。
それをボリビア人の同僚、友人に言うと、「え?日曜に行くの?Boracho[ボラチョ](酔っぱらい)しかいないよ、パレードは土曜がメインなのに・・」と何度も言われ、「じゃあ酔っぱらい観てくるわ!」と、カルナバルを満喫する気持ちそこそこに、期待せずに乗り込んだ。
私の住むラパスからバスで三時間半ほどでオルロの町に着く。
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バスターミナルのあたりは、ん?アフリカ?という感じの景色が広がっていた。この町、カルナバルがなかったら相当静かなんだろうな、と察する。
タクシーで町の中心地に近づいていくと、「カルナバルの町、オルロ」という空気が徐々に感じられる。
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パレードの行列が見られる場所に入ると、一気にカルナバル気分。
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ただ一日目よりもやはり控えめなようで、各ダンスグループの合間の時間がけっこう開くので、すぐに恒例の泡合戦タイムに入る。
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席を確保してから、腹ペコの私たちは昼食を求めて放浪。ガッツリ肉を食べることにした。
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ビールを飲みたいところだが、トイレ事情がよくないので、我慢。
お腹を満たしてから、パレードの場所へ戻ると、ちらほらもの売る人が私たちの前を通る。ふと、ダンスのマスクをモチーフにデコレーションされた帽子を売る人の姿が目に入った。よくよく周りを見渡すと、いろんなデザインのそういった帽子を被る人たちがいることに気づく。
「あれ、被りたくない?!!!」
また席を離れ、カルナバル帽(と呼ぶことにします)を被った人を見つけては「それどこで売ってるの?」と聞きまくる我ら。
道中、ダンサーの集団に出会ったりしつつ、帽子を探す旅。
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どうやら、カルナバル帽は Socavón「ソカボン」というエリアで売っているらしいことがわかり、結局20分くらい歩くことに。みんなそんなとこまで買いに行っていたのか・・・と。その場所に近づくと、人が、密集している。
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あー、、、こっちがメインの会場か、と気づく私たち。テレビで放映されるオルロのカルナバルの様子は間違いなくここだ。そして少し上がると Socavón の教会があり、どうやら教会前がパレードの最終地点になっている様子。
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一日目の、ど本番と違い規制がゆるいのか、ダンサーの集団にまざって一緒に踊れるのが、楽しい。逆に二日目でよかった。
そしてついに、カルナバル帽を発見!!
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いろんな型のダンスのモチーフを模したデザインで、手作り感満載。派手であればあるほど魅力に感じてしまうのは、カルナバルマジック。そしてこの帽子を被った途端に、泡の標的にされる確率が跳ね上がりました。見知らぬ人に思いっきり泡をかけられるボリビアのカルナバル、素敵です。(うそ。ちょっとイラッとします。)
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これは Oso(熊)をモチーフにしたデザイン。パレードでの Oso はこんな感じで登場します。
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帽子をゲットして満足した私たちは、パレードの席に戻りダンスを鑑賞。友人のひとりは、果敢にも泡合戦に参戦すべく、簡易のカッパと泡スプレーを買い、戦場に出かけていった。こどもたちと真剣に戦っていた彼女。
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夜9時ごろまで鑑賞し、ホテルに戻る。オルロ一日目はこんな感じで終了。
もうすでに大満足の私たち。
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二日目、ホテルで朝食をとってから、Socavón までタクシーで。
「この帽子、普段使いできるの今日しかないでしょ!」と、三人ともしっかりカルナバル帽を着用し、出かける。
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朝の町の風景は、カルナバルの舞台裏のような感じ。
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カルナバル後半になるにつれ、宗教色が強くなるのか、前日にはなかった、連なった鳥居のようなものが教会前に出現。「伏見稲荷やー・・・」と、つぶやいてしまう私。既視感。
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どうやら大地の神、パチャママへの奉納?祈り、の意味があるらしく。なんだか、文化は繋がっているなー、という気持ちになる。
その後、同僚に勧められていたテレフェリコに乗り、山の上まで。そこには Virgen del Socavón という像と美術館、オルロの歴史にまつわる動物のオブジェなどがある。美術館は閉まっていたものの、町を一望できる景色を楽しみ、オブジェで遊ぶ我ら。
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ここで、我々と同じくカルナバル帽を被っていた家族づれと少し会話をした。8月にコチャバンバであるパレードで一緒に Caporales 踊ろうよ!教えるよ!とお誘いを受けるも、8月にはもうボリビアにいないんだよなー、、、と、泣く泣く。一緒に踊りたい・・・
テレフェリコの駅に併設されている、カルナバルのマスクの展示をさらっと観てから、下に降りる。
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昼食にオルロの名物でもある、Charquekan「チャルケカン」(=リャマのお肉。ジャーキーのような。)を食べる。
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すぐ近くの道で泡合戦が繰り広げられていたので、チャルケカンに泡がかからないよう守りつつ、食す。カルナバルに、休む暇なし。
その後、少しダンスを鑑賞。ダンスの種類が時間帯で区切られているのか、Tobas と Tinku、Morenadaをよく観た気がする、今回のオルロ滞在。Caporales は、観られなかった。。
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カルナバル帽を被っている私たちに、「その帽子どこで買ったの?」と、聞く人たち。この日は尋ねられる側にまわる。「昨日の私たちやなー」と、この帽子の需要を再確認し、感心。
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その後、教会横にある鉱物採掘の博物館へ。作業場の採掘場所がそのまま博物館になっており、その歴史が垣間見えるつくりになっている。
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カルナバルはもちろん、しっかり町の観光までできて大満足の私たち。
カルナバル感は味わいながらも落ち着いて過ごせたので、かえって、この日程でよかったような気がする。
ホテルまで戻るタクシーの中、運転手がオルロの町の愚痴オンパレードで、「なんでわざわざオルロまで来たんんだ、こんな何もない場所に。」「トイレの匂いするだろ、みんな道をトイレ代わりに使う、モラルもない。」「前にヨーロッパから来た外国人が、ここはアフリカみたいだ、と言っていた。何もない土地だ。」云々。
いや、アフリカみたいだな、、は、私もおもったが。
年に一回のカルナバルで大量の人とお金が動くオルロ。たしかにそれ以外の時期はどんな暮らしがあるんだろう、とそんなことを思いながら町を後にした。いつかオルロで Caporales を踊る日が来ることを夢見て。
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ATSUKINO(アツキーノ)
2006年〜日本でグラフィックデザイナーとして働いた後、2013年に渡英。スコットランドの The Glasgow School of Art で修士号(Communcation Design: Graphic Design)を取得。帰国後はアートディレクター、キュレーターとしてデザインディレクションとともに現代アートの展示企画制作なども行う。海外での生活、旅を通じて得られる新たな表現や人との出会いが次の可能性につながると信じて動く、旅するデザイナーでありアーティスト。現在は南米のボリビア、ラパスにてJICAボランティア活動中。デザイン教育環境の改善にあたっている。
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