見出し画像

ヒーロー

 ヒーローと決別する日なんてくるのだろうか。決意は固まったように見えたって、いつも脆く儚く。その脆さゆえに、恥ずかしいと感じたり。
 そんな時間の上も下も右も左も、どこにだって進めないこともある。でもあの時の自分なりに決めたことだったから恥ずかしいのだ。
 恥ずかしくて、消えたくて。高らかに上がった風船はいとも簡単に割れる。
 そんな時にヒーローはいつも寄り添って、火をつけて、逃げさせてくれる。ヒーローはいつだって逃げたりはしないが、逃げさせてくれる。実はそれは間違っているのかも。逃げて 逃げて 逃げてきたからヒーローになれたのかも。実は一番弱いやつだったのかも。ヒーローになれる素質アリ。かも。
 

いいなと思ったら応援しよう!