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【声劇台本】異種の恋は昔の思い出
男女1:1のお話。
語尾改変は、多少であれば構いません。
イラスト:めでたいこ様
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女性:遠い昔
わたくしは、恋をしました
女性:相手は人間
決して結ばれない
女性:妖の血が半分もあるわたくしに
そのような事が許されるはずもない
女性:だって、知っていますもの…
人間と妖の恋の末路を
男性:俺は遠い昔、恋をした
男性:その人は妖で
俺とは住む世界が違って
男性:それでも何とかしようとした
だけど…彼女の意思は変わらなかった
男性:種族の違いは難しい
お互いが幸せになれない
男性:それでも、何度生まれ変わろうと
きみを見えるようになるまで鍛錬を続けるよ
【後日談(場面転換)】
男性:「迎えに来たよ」
女性:「…本当に、来るなんて」
男性:「言っただろう?
俺は諦めが悪いんだって」
女性:「そうでしたわ。あなたはそういう方でした」
男性:「でも、ここまで転生を繰り返すことになるとは」
女性:「記憶はお持ちだった…のでしょう?」
男性:「あぁ。ご丁寧に毎回、手紙というか
言い伝えのようになっているから
困ることはなかったが…
歯がゆさは感じていた」
女性:「歯がゆい、のでしょうか?」
男性:「歯がゆいさ。ずっと想い人を見ることが出来ないのだから」
女性:「…そうですね」
男性:「きみは違ったのか?」
女性:「え?」
男性:「ずっと、俺のことを見ていたんだろう?」
女性:「っ!」
男性:「視えなくても、気配は感じていた」
女性:「そうですか…」
男性:「どうなんだ?」
女性:「ずっと…
時代が変わりゆく様を見届けながら
あなたが視てくれる日を、
ここへ来てくれる日を、
淡い期待だと思いながらも待っていました」
男性:「そうか…よかった」
女性:「ずっと、姿の変わらないわたくしを
お傍に置くおつもりですか?」
男性:「あぁ。恋焦がれた相手を
やっと視ることが出来たのだから」
女性:わたくしは妖。
決して人と交わることはないと思っていた。
だけど、愛してしまった。
忘れることは出来なかった。
これは、わたくしが背負う罪として
受け入れましょう。
男性:俺は人間。
何度も転生をする度に
視えない自分にいら立った。
それでも、精一杯生きてきた。
きみが見ていてくれるような気がしていたから。
きみに恥じない男でありたいと思ったからだ。
これから先、きみと生き抜くために。
これは、俺の業(ごう)だ。
背負う罪として受け入れよう。
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元々は別々のお題だったのですが
上手く2人読みに出来ないかと
書いたもの。