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30代でやっておいて良かったこと

はじめに

突然ですが、皆さんは貯金をしていますか?

貯金をしていると資産残高が増える一方、どうしてこんなに我慢しなくちゃいけないんだろう、自分のお金なんだから好きなように使いたい!と感じることはままありますよね。
最近20−30代の人たちのブログやYoutubeを観ていると、「〇〇歳までに1000万円!」とか、「〇〇〇〇万円貯めて早期リタイア生活!」なんてフレーズをよく目にします。
とても堅実で素晴らしい考えだと思います。

しかし、若いときに我慢に我慢を重ねて、やっとの思いでいざ自由がお金ができたときになって、自分の体力がついていかなくなっていたら後悔してもしきれません。

わたしはその年齢なりのお金の使い方があると思っています。

今回は私の経験則を交えながら、お金を使うことについて若いときにやっておいて良かった!と感じたことをお伝えしていきます。

好きなことにお金を使う、ということ

わたしの友人に浪費家がいます。とはいえ、彼女は全く後悔していません。
たくさん働いて、たくさん遊ぶ。
これが彼女の格言です。カッコイイ。

彼女はわたしと同じ看護師なので、大体お給料も一緒くらい。
当時同じ職場にいた頃、彼女はお昼ご飯にコンビニ弁当、週3ー4回は外食をし、休日前の仕事終わりで整体や温泉に行ったり、休日にはカッコいい車を乗り回して好きなアーティストを追っかけて全国を飛び回るような生活でした。
もちろん一緒に遊ぶこともありましたが、あまりにも精力的すぎて疲労感を覚えたものです。そんな彼女の遊びに着いていけず、一時は不整脈を起こして体調不良に陥ったことも今では笑い話です。

結局いろんなところに彼女と遊びに行きましたが、どこへ行ってどんなことをしたのか申し訳ないけれどほとんど覚えていません。

兎にも角にも、彼女のような生き方はとても素敵で「彼女らしい」と思います。

しかしその一方で、そんな生活をして将来が不安にならないの?と、他人事ですが感じていたのも事実です。

お金は有限です。
何に使うのも自分次第。
ただ、刹那的に使うのは如何だろうと思ってしまうのです。
せっかく汗水働いて得たお金が知らない間になくなっていた、なんてことにならないようにしたいですね。

購買意欲に際限はない


お給料が入ると「欲しかったアレを買おう!」と鼻息荒くなってしまう気持ち、分かります。

でも、ちょっと待って。

欲しかったアレ、本当に心の底から欲しかったものでしょうか?

購入した瞬間、喉から手が出るほど欲しかったアレがなんだか色褪せて見え、果ては箪笥の肥やしになっていた、なんて経験ありませんか?

『欲しい』という欲求、実はアドレナリンという脳内物質がバーッと出て興奮することで起こります。そのため、欲しいモノを買った瞬間にはそのアドレナリンは放出されなくなり興奮が収まります。そしてハッと我にかえるのです。

さらに困ったことに、アドレナリンは繰り返し出しているとその閾値が高くなってしまいます。つまり、同じ程度の興奮では欲求が収まらなくなるのです。

例えば、初めはユニクロで満足できた服がセレクトショップの服に手が伸びるようになり、更にはブランド服じゃないと満足できなくなる、といったように、どんどん高いモノを買いたくなるのはアドレナリンのおかげ。

ちなみに、収入が高ければ高くなるほど、その分使ってしまうのが人間の心理だそうです。

だとしたら、何にお金を使えば良い使い方になるのか。
やっぱり貯金?それとも投資?

わたしの答えは『経験』です。

「お金で買えない価値がある。」


「お金で買えない価値がある。買えるものはMasterCardで。」

このCM、観たことありますか?

けっこう昔のCMだったのですが、このフレーズを初めて聞いたときは頭を鈍器で殴られるほどの衝撃でした。

このキャッチコピーで人生が変わったと言っても過言ではありません。

お金で買えない価値のもの、わたしには『経験』という言葉がピッタリと納まりました。
もちろん他にも、親愛や信頼など目に見えないもの等もお金では買えません。
今ならこれらも当てはまりますが、まだ当時20代だったわたしが直感で『欲しい』と思ったものが『経験』だったのです。

当時はまだ看護師になって数年で新人もいいとこ。
全体的なスキルや知識を身につけるまでに約5年は必要な職種。逆に言ってしまえば、5年間必死に勉強して基礎を身につけておけば、その後の看護師人生に応用できてラクになるということです。

そして自分で設定した修行期間中に貯金をできるだけして、30歳になったのを機に思い切ってその会社を辞めて世界一周旅に出発したのです。

*旅については今後紀行文を出していこうと思います。

お金と経験と消費期限

たった一年という短い間でしたが、本当にいろんな出来事がありました。
「日本の常識、世界の非常識」と云われていますが、それを肌で感じました。
感動したこともいっぱいありましたし悔しい思いや辛い思いもしました。
その土地で大切にしている文化や習慣など学ぶこともたくさんありました。

そしてなによりも、思い切ってあのとき行って良かったなと思っています。

今の年齢のわたしがあの頃と同じ行動ができるかと言われたらきっとできません。
24時間ぶっ通しでバスに揺られることも、55Lのバックパックを背負いながら何時間も歩くことも無理ですし、スペイン語のおっちゃんと本気で喧嘩することもできません。
あの体力と好奇心いっぱいの年齢だからこその経験だと思っています。

経験には有効期限があります。

90歳になってたくさんお金があったとしても、一人で好きなところへ旅することも、ジューシーなお肉を食べ続けることも、好きなアーティストのライブで騒ぐことも難しいでしょう。
気力だけではどうにもならない問題が出てくるのです。
(できないわけではありませんが周りに心配されてしまい、本意ではないでしょう。)

お金には使い所があって、自分がやりたいことには期限があることを自覚しておくべきです。
しかし、そんなことどうやって自覚したらいいのでしょう?

タイムバケットと注意点

『タイムバケット』という言葉をご存知の方もいらっしゃると思います。

YouTubeのリベラルアーツ大学、通称リベ大で両学長が解説したことで一躍有名になった言葉です。
興味のある人はこちらのリンクから↓
https://site.libecity.com/content/timebucket/

この機能を使えば、自分のやりたいことを明確にできるだけでなく、やりたいことを叶えるために今すべきことを教えてくれます。

わたしはこの概念を若い時に肌で感じていたので、タイムバケットいう言葉を知って腑に落ちました。
タイムバケットを作ることで、自分の夢を叶えることも可能になるんです。

実際に考えていくなかで、私が気付いたとても重要なことをお伝えします。

それは、タイムバケットは自分にだけあるのではなく、相手にもタイムバケットがあるということ。
これを忘れてしまうと途端に計画が狂ってしまいます。

たとえば、親と家族旅行に行きたいとします。
しかし、自分がまだ動けても親が90歳になっているとしたら海外旅行に行くというのは大変です。
そもそもの体力的な違いだけでなく、介護も必要になるでしょう。

他にもたとえば、好きなスポーツ選手が海外で活躍していたとして、それが何十年も続くわけではありません。その選手も年齢を重ね引退する時が来るでしょう。そのときになって「活躍を生で観たかったのに!」と嘆いても時は戻せません。

自分と相手のタイムバケットがちょうど合致するように組むことも考慮しておくと良いでしょう。

おわりに

振り返ってみてください。
モノを買った後に一つ一つを思い出しては、「あぁ、なんて素晴らしい買い物をしたんだ!」とずっと幸せを噛み締められる、なんてことは滅多にないと思います。
何らかの形で使うことができたという経験こそ素晴らしいと感じるのであって、購入したこと自体を素晴らしいと感じることはそうそうないはずです。

経験というのは誰にも奪われません。
たとえ無一文になったとしても、その経験が立ち上がる勇気をくれることもあります。
そして、積み重なった経験は死ぬまでずっと自分の心の中にあるのです。

わたしがたとえ何かの病気になって動けなくなったとしても、世界をみたという経験と思い出は何度でも掘り返すことができ、ずっと幸せを感じ続けることができるでしょう。

思い出は、時間が経つにつれ良い思い出に昇華されていくと云います。
その時にはとても辛かったことも、年齢を重ねるうちに笑い話になった、なんてことも出てくるでしょう。

経験は、スイもあまいもその人の糧となるのです。

若いときには貯金よりも経験を。

それがわたしの経験から得た教訓です。

もちろん何かを始めるのに遅すぎることはありません。
ですが、ベストなタイミングがあるならばそれを逃さない手はないとも思っています。


あなたにとって、お金で買えない価値ってなんですか?

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