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<第48話>外務省をぶっ壊す!~私、美賀市議会議員選挙に出ます!~

月曜日~金曜日更新
 この小説はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

<第48話>
「警察が令状を持ってくるのは早朝だ」と聞いた事がある。
まだ油断は出来ないが、あと、数時間!あと数時間で立候補届けが出せる!
やっと3000万円の弁償から逃れられる!と思っていた矢先に事件が起きた。
立候補者の辞退である。


「奈良県から出馬予定だった女性候補者がこの期に及んで立候補を辞退しました」というタイトルの動画を園町代表が急遽wowtubeにアップしていた。
「こっちだって、命がけでやってるんだから、そっちも命がけでやってもらわなきゃ困りますよ!」と言って、巨体を揺らしながらホワイトボードをドン!ドン!叩いている。
せっかく皆が一丸となって外務省と闘おうとしている時に出鼻をくじかれた格好だ。
理由は「3000万円の弁償なんか聞いてない!代表の女癖も悪い!」という事だった。
前から解ってた事なのに、今更ちゃぶ台返しとは支那人かよ?!と呆れる。
どうせ選挙から逃げ出すための後付けの理由なのだ。
中高大一貫校のお嬢様育ちはこれだから反りが合わない。
きっと国政選挙に出馬する重圧に耐えられなかったのだろう。
しかし「何眠たい事言ってんだ!こっちは殺人犯に仕立て上げられそうになりながらパンツも買って、カレーも奢って、3000万円の対策にも抜かりなく講じてる」っていうのに!
はたして代表はこの候補者に3000万円弁償させるのだろうか?
払わせるべきだ!バカヤローー!

ドタキャンする奴の事なんかどうでもいい。
あと9時間!指折り数える。
明日に備えて寝なきゃいけないのだがこんな状況で眠れる訳がないのである。よって考えを巡らせる。

要するに、中山は井戸に何らかのアクションを起こすと決めた。
誰もが井戸なんか消えて欲しいと思っていた。
「消す」しかないが、踏ん切りが付かないまま徒に日々が過ぎて行く。
そこへ「陽子の結婚・妊娠の可能性」が浮上し、異変の切っ掛けとなる「大輔の告白」があった。
井戸が●●●の資料をどこかで見た事が決め手になったのは言うまでもない。
恐らく「性犯罪被害者支援センター:マルコ」の事だ。
陽子の身に何かあったのだろうか?


中山は危害を加えたいと思うも、なんとか人として踏み留まって来た。
しかし井戸の辻崎虐めが長引けば長引くほど返って「井戸が消えても捜索願が出される心配はない」という好条件が盤石になっていく。
それらが中山の「井戸殺し実行」への背中を押し続けていたのだと思う。
幸い今もって井戸の捜索願は出ておらず、事件にすらなる気配はない。
警察が私なんかの周りを嗅ぎ回っているのは、たかゑの商魂の賜物だ。
ダイサギを愛してやまない野鳥の会会員オマワリがホントにアホで良かった。
「ダイサギよりアホウドリをウォッチしているのがお似合いですわな」と言ってみるも、アホウドリに失礼なので撤回する。

つづく。

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