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日本の文系大学院の留学生に告ぐ

 今から書くこの文は、日本の文系大学院に通うぼくが、日本の文系大学院に留学している留学生に対し内心思っていること、既に言ったこと、言いたくても言えない事を羅列したものである。

特に日本と同じアジア圏からの留学生に届いたら幸いである。文が命令口調なのは、強くものを断定する言い方が日本のインターネットにおいてはウケがいいからであって、決して見下しているワケではないことを十分ご理解頂きたい。


・あなたの日本語が上手くないのは日本人と会話しないからである


母国出身の者どうしで固まって話していると安心する気持ちはわかる。しかし、私の知っている日本語が上手い留学生は皆、よく日本人と話す。うまく日本語で伝わらなければ簡単な日本語に換言するか、英語を使って表現をとにかく試みる。レポートでもパワポでも、日本語の文章表現が怪しかったら日本人の学生に聞いてみればよい。お菓子かドリンクの一つでも貰えたらきっと喜んで尽力するだろう。


・AIに頼りすぎるな


AIに質問を投げかけて出力される言葉には独特のクセがあるし、ハルシネーション(誤った回答)が混ざる。生成AIをあまり理解していない一部の教授には分からないだろうが、若い学生や教授にはそれが分かる。現在のAIはあくまで補助的な道具であって、ドラえもんほど便利にはなっていない。決して、頭で理解することを怠らないで欲しい。

・言い訳は通用しない


同じ人間の思いつくことだから、留学生の母国で使い古された言い訳は、当然日本においても使い古されている。言い訳を認めた素振りをしていても内心では裏を理解している。それは同時に、あなたに期待しなくなった瞬間でもある。諦めて、潔く叱られよう。


・レイシストを告発しよう


40代以上の多くの日本人は、基本的に日本以外のアジア諸国をどこかで見下している。年齢層が高くなればなるほどその傾向は顕著になる。教授にもそういう人は少なくない。もし教授がそのようなレイシズムが滲み出た発言をしたら、ためらわず大学に申し出てほしい。何故なら彼らはグローバル化と国際平和を阻害する障壁だからである。


・研究の結論は日本を基準にしろ


留学生はよく制度や法律の国際比較を研究テーマにしがちである。あなたの母国の制度ややり方は大変興味深くて検討しがいがあるが、あなたが留学しているのは日本の大学院であるから、比較法を行うなら最終的な検討は「日本の制度がどう評価に値しどうすべきなのか」が基本である。

・事実ではなく争点を論じろ


大学院というのは研究する場であって、そこには批判や模索もある。ただ事実や起こったできごとを並べるだけでは研究とは言えない。素材を使い、そこであなたが何をしたいのか、何をすべきと考えるのかが重要である。

・日本の犯罪に気をつけろ


日本の犯罪の中でも留学生が特に注意しなければならないのは詐欺である。日本語の得意/不得意だけでなく、日本の慣習や常識に慣れていないというだけでもターゲットになりやすい。少しでも怪しいと思ったら警察や大学に言うといい。母国の家族も悪くはないが、先述の通り日本の慣習や常識に慣れていないというだけでターゲットになるから、日本人がおかしいと思えなければ気付けない詐欺には気付けないだろう。
母国の家族から「日本で人気のサプリメント」を買ってほしいと頼まれたら、まずは日本人にそのサプリメントの知名度を聞くとよい。それらは98%詐欺だ。



おわりに

文系大学院という場では、自主性が大事になる。サボろうとすれば簡単にサボれるし、没頭すれば評価される。どうか、わざわざ留学先に日本を選んだ皆さんに、日本という環境を最大限活かして没頭してほしい。


おしまい

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