見出し画像

おすすめ映画30~68/100

昨日UPしたおすすめ映画100(下の記事)の続きです。
今回は2017年以前の作品を中心としています。順位付はしていません。最後のほうはもうあらすじを書くのも雑になってしまいましたが、ボリューム的に自己満足しています。(ぶん投げ)
ご覧くださいませ!

30.南瓜とマヨネーズ
・同棲中の恋人の夢を叶えるためにキャバクラで働くツチダは元彼と遭遇する。
・臼田あさ美は魚喃キリコの絵にぴったり。だらしなくて変に律儀でダメな男と女と男。痛々しく愛おしい人たち。ロケーションが完璧。

31.リュミエール!
・映画の父、リュミエール兄弟にオマージュを捧げた珠玉の90分。
・1895年のものから。解説のおかげで構図の素晴らしさやユーモラスな点、どんな演出なのかを理解しながら観られる。彼らが先頭を走り冒険して深めてくれた芸術のおかげで、今の私は辛いときにおバカな映画をみて助けられたり、世界の理不尽さや様々な愛情の形を映画から体験できている。上映終了後は拍手したかった。

32.彼女がその名を知らない鳥たち
・8年前に別れた男・黒崎を忘れられない十和子は今は15歳上の下品な男と暮らす。
・9割ゲスくて「無いわー」と思いながら見てると最後の1割に「…愛だったのか」と思わされるのが面白かった。細かいツッコミは入れたくなるが。蒼井優と阿部サダヲ名コンビ。

33.あゝ荒野 前篇・後編
・2021年新宿、復讐の思いをボクシングにぶつける男。
・主人公にとって、憎むことは愛すること、死ぬまで生きることなのか。ぶつかり合う気迫に溢れていた。若手からベテランまでいい役者さん揃いで見応えあった。311がこうやって映画の中にも大前提として入ってくることに時が戻らない悲しみを感じた。オープニングのらーめんをすする菅田将暉が最高。

34.ゲット・アウト
・アフリカ系アメリカ人の写真家は白人の彼女ローズの実家に招待される。不安とは裏腹に過剰なまでの歓迎を受けるが…
・恐怖映画に「あなたが思う人種差別って?」を絡めてくるシナリオのうまさ。構成や設定がとにかく面白い。

35.月と雷
・結婚を控えた泰子の前にかつて半年間だけ一緒に暮らした父の愛人の息子、智が現れ、人生が変わっていく。
・原作の角田光代はどうしようもない女を描くと天下一。根無し草の草刈民代が最高。情感がじっとり残って、父親役と恋人役もスッキリしない男で、それがよかった。

36.エタニティ 永遠の花たちへ
・フランス上流階級の二世代に渡る愛と死の物語
・トランアンユン監督(青いパパイヤの香り、ノルウェイの森など)の作品の色がよく出ている。ルノアールの絵画のような美しさ。セリフは少なく、美しい西洋絵巻物を観たように静かで満たされた。

37.ドリーム
・NASAの頭脳として最も重要な役割を担った3人の女性の物語。
・心の中が熱くなる作品。どの分野でも、熱く賢く、悔しい思いをしても知性で切り拓く人達がいる。支える人達も。俳優を引き立てる衣装や車の色も印象に残った。

38.奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール
・奥田民生を崇拝するコーロキはおしゃれライフスタイル雑誌編集部に異動になり、取材先で出会った美女に振り回される。
・仕事できないマン・コーロキにはつっこみ所満載だけど、大人になれずもがく大人と、気味悪い美女が楽しかった。原作漫画も買ってしまった。こっちはもっとえぐられる。

39.50年後のボクたちは
・学校で浮きまくる主人公と、モンゴル系の風変わりな転校生のロードムービー。
・居心地が悪ければその外へ飛び出していけばいい。少年たちの友情は暑苦しくなく、爽快。夏休みにぴったり。

40.散歩する侵略者
・数日間の行方不明の後、不仲だった夫がまるで別人のようになって帰ってきた。急に穏やかで優しくなった夫に戸惑う妻、そして町中に事件が。
・じんわり気持ち悪くて面白い。散歩する範囲だからどうしても地球VS宇宙というより静岡VS宇宙という感覚だったが。壊れた長谷川博己、最高。夫婦って時々宇宙人相手みたいよなと、観ながらずっと思っていた。

41.エル ELLE
・ゲーム会社の社長を務めるミシェルは覆面の男に襲われる。真相を追う彼女の本性は…
・観客の共感なんて求めずに、感情の説明も削ぐ作品。出てくる人みんなクセがありすぎ。シワもシミもたるみも見せるイザベルユペールを2時間ずっと観ていることができるのは幸せ。

42.ベイビー・ドライバー
・天才的なドライビング・センスを買われ、犯罪組織の“逃がし屋”として活躍する若きドライバー、通称「ベイビー」は組織から足抜けできるか。
・シナリオはシンプルなんだけど、動きに合った音楽がミュージカルとはまた違う魅力。ギャングカップルがクリスペプラーと綺麗にした平野ノラに見えてしまって集中できなかったのは自分のせい。

43.海辺の生と死
・第二次世界大戦中の奄美諸島、教師と軍士官の恋。
・満島ひかりのための作品。島を守る精霊の声を伝えるような、愛情を湛える母性に溢れ、恋人への想いはこちらの胸も締めつける。少し裏返るような彼女の声と島の唄と波の音が映画の世界をより美しくしていた。

44.ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣
・19歳で英ロイヤル・バレエ団の史上最年少プリンシパルとなるも、人気のピークで電撃退団。バレエ界きっての異端児の知られざる素顔に迫ったドキュメンタリー。
・才能に恵まれ努力も怠らなかった。でもバレエを続けることで家族はバラバラになってしまう。踊ることへの愛と、彼の生き方の苦悩で、最後のダンスは怖いくらい美しい。

45.忍びの国
・織田軍VS伊賀忍び軍団。
・パルクールを取り入れたアクションが良い。原作本が良い。演技は未熟だが、へにょっとしたジャニーズの若い人が、偉大な父を超えられないとわかっている信長の次男役にぴったりだった。

46.20センチュリー・ウーマン
・思春期を迎える息子の教育に悩むシングルマザーは自分の周りにいる女性達に彼と一緒に過ごしてほしいと頼む。
・1979年アメリカを表す画面の色合いが良い。全体的にぼんやりと、良かった沁みたという感想しかないけれど、なぜかお勧めしたい。私ももう一度観たい。

47.赤毛のアン
・説明不要? 端折っちゃえ。
・20年ぶりに触れた『赤毛のアン』の世界は、子どものときに思っていた世界と違って見えた。大人になってみると、アンがとんでもない女の子過ぎてハラハラする。そんな面白さを体験できる作品。

48.カフェ・ソサエティ
・1930年代、ニューヨークの平凡な青年ボビーがハリウッドを訪れ、二人の美女ヴェロニカと出会う。
・ジャズと喋り倒しの台詞とほろ苦い別れ。大好きないつものウディアレン。華奢でマニッシュな女性。ホリの深いお顔に濡れ感のあるメイクが最高。これぞ映画というヘアメイクと衣装にキュンキュンできます。

49.草原の河
・チベットの厳しい自然の中で牧畜を営む家族。ぎくしゃくした関係の中で生きる祖父と父、父と娘。
・シンプルさが心に残る。岩波ホールで上映されていた、そういう作品。岩波ホールチョイスらしい、と言うか。映像の切り取り方、ただ広いチベットの風景と、家族との関係。映画でしか表せない静けさが印象的。

50.僕とカミンスキーの旅
・無名の美術評論家は、金と名声のために芸術家の伝記を書くことを思い立ち、スイスの山奥で隠遁生活を送る老画家カミンスキーを訪ねるが珍道中が始まる。
・人をくったような老画家とポンコツ評論家との掛け合いがどんどん楽しくなる。最後は楽しい珍道中、で終わらせないところも良くて、もう一度観たい作品。

51.作家、本当のJ.T.リロイ
・“作家”であるローラ・アルバートに宿る抑えきれない創作のエネルギー、それによって紡がれる壮大で複雑なJ.T.リロイの世界。
・ドキュメンタリーであり、創作世界と作家の精神の中を行ったり来たりするコラージュのような作品。創作するにあたりリアルアバターを作ったことに怒る人達。つかみどころの無いローラ・アルバートには強い魅力がある。上映後に幸運にも彼女とお話する機会を得たのですが、柔らかい美声は数年たった今でも忘れられません。あなたリロイにどこか似てるわねと言われたのは良い思い出です。

52.ムーンライト
・内気な性格で、学校ではいじめっ子たちから標的にされる日々。母親はドラッグに溺れている。そんなシャロンにとって、同級生のケヴィンだけが唯一の友達だった。
・変わらなくては生きていけなかったシャロン。強い大人になっても、傷ついて愛をずっと求めて揺れ続けた少年の頃の彼が垣間見えて、ぐっと来る。詩や短歌のような世界観。

53.未来よ、こんにちは
・離婚、肉親の死、仕事の挫折。
・1人になったときに自分の中に哲学を持って立っていられるかと突きつけられる。適度に絞られた台詞とBGM、きりっとした映画だった。

54.おとなの事情
・友人夫婦7人が揃った食卓でスマホをオープンにしようという悪魔のゲームが始まる。
・修羅場確定な設定なのに、客席から笑い声が絶えないしゃべくり系イタリア映画。時々、むき身の心臓に粗塩がすりこまれる場面も。

55.わたしは、ダニエル・ブレイク
・病気を患ったダニエルは休職せざるを得ないが、複雑すぎる制度のため援助を受けることができない。知り合ったシングルマザー家族も困難に陥っていて…
・シンプルなストーリーと演出が、イギリスの社会保障政策下の一市民を煽り過ぎることなく描いていて、心に残った。

56.SING/シング
・歌唱オーディションに奮闘する動物たち。コアラは劇場を再建できるか?
・立ち上がるドリーマーにルーザー達。子持ち母豚がスーパーで心のまま歌い踊る姿になぜか泣いた。家族のために奮闘する生活の中で、彼女が自分自身になれた一瞬だったのかな。吹替版も良い。

57.ラ・ラ・ランド
・夢を追い続ける男女の物語
・夢を追うのも、諦めるのも、とてもつらいこと。甘苦い作品。ミュージカル好きにはたまらない。サントラを聞きながら歩くとその辺の道がラ・ラ・ランドになる。

58.雨の日は会えない、晴れた日は君を想う
・エリート銀行員ディヴィスは突然の交通事故で妻を失ったが、一滴の涙も出ず、哀しみにさえ無感覚。心の整理のためか、義父に言われた「物事を分解して、整理するんだ」という言葉を勘違いしてなのか、あらゆるものを破壊していく。
・死者は、生きていることを浮き上がらせる。生者がいないと死者の存在は存在せず、死者がいるからこそ生きていくことの意味が浮き上がる。ディヴィスは、カレン・クリス親子と短い時を過ごすことで、そして自分の今までを壊すことで生まれ変わるプロセスを辿る。辛いことがあった時に観たい映画。大好きな作品。

59.ブラインド・マッサージ
・南京の盲人マッサージ院を舞台に巻き起こる人間模様をロウ・イエ監督が描く。
・みんな盲人なのに、笑顔を作って!と呼びかけて集合写真を撮る。相手の顔も見えないのに、彼女は美人だと言われるとその人に執着する。金、匂い、性愛への強い衝動は、想像を超えた強烈さを持つ。その中で役者達のささやく中国語は耳に心地よい。

60.この世界の片隅に
・広島で生まれたすずは呉に嫁ぐ。呉には空襲が相次ぎ、そして広島には…
・夏は暑いからもんぺじゃなくてワンピースみたいなあっぱっぱを着ていて、すずさんの子ども時代の広島にはサンタクロースの人形もあって。知らなかった生活がそこにはあった。普通の毎日を描くから、胸を締め付ける。何度でも繰り返し観たい作品。

61.湯を沸かすほどの熱い愛
・銭湯を営む母が余命宣告を受け、「絶対にやっておくべきこと」を決め実行していく。
・ダメ男をやらせたら日本一のオダギリジョーが楽しめる。そして娘役の杉咲花ちゃんの役者としての伸びっぷりを今後何十年もスクリーンで観られるだろうことに、わくわくできる。

62.パーティで女の子に話しかけるには
・パンクなのに内気な少年エンは、偶然もぐりこんだパーティで、反抗的な瞳が美しい少女ザンと出会う。
・古着の良さとSFの素晴らしいマッチング。下水から育つトマトは愛の果実。エンの友人達も新しい自分になっているのがまた良い。じわりじわりと感想がわき出る作品。

63.スモーク
・1995年上映版のデジタルリマスター版。ポール・オースター脚本。
・新書『人はなぜ物語を求めるのか』が重なるような気がした。人生があり、嘘があり、それだけ。好きなタイプの作品。95年の私がこれを観ても理解できなかったと思う。

64.猫が行方不明
・行方不明の猫を探す。
・ただ、猫を探す。その風景が良い。

65.アメリ
・空想好きのアメリの日々。
・ロマンチックでガーリーでカフェ好きサブカル女子に愛されている作品としてとらえられているように思えるが、よくよく観るとフランス作品らしい黒さがあって、そこをとても愛しています。

66.ヴァージン・スーサイズ
・1970年代のミシガン州を舞台に、リスボン家の美人5人姉妹が次々に自殺してしまう事件
・ソフィア・コッポラらしさが爆発している作品。夢の中のような色合いが最高。

67.ミッドナイト・イン・パリ
・憧れのパリにやってきた脚本家は夜な夜なタイムスリップしてしまう。
・パリへの夢を濃縮させた作品。魅力たっぷり。

68.ヘアスプレー
・60年代の人種差別をテーマにしたミュージカル。
・ミュージカルといえば、これは外せません。今はおとなしくなったザック・エフロンにも注目。


いいなと思ったら応援しよう!

UNI(うに)
いただいたサポートで栄養分を摂ります!