映画『金子文子と朴烈』
久しぶりに観た、韓国映画。
舞台は東京。関東大震災を挟む、韓国人と日本人のアナーキスト男女の物語。
漫画で言えば劇画タッチ。感情表現がわかりやすく、主人公二人の理想と愛が、重いテーマにうまく並走する。
『グリーンブック』『ブラック・クランズマン』が様々な角度から議論され評価されているのに、本作についてあまり言葉を拾えないのは成熟した社会とは言えないかも、と残念に思う。上映館数の違いは大きいけれども。
金子文子役のチェ・ヒソが良かった。最初はサークル内の「姫」みたいだったんだけど。終盤になるにつれ、表現がふくよかになる。
画面がきれいすぎるところやどうしてもイントネーションの違いで作りもの感が出てしまうところは気になったけれど、予想以上に「差別」「大逆事件」「思想犯」というトピックを超えたエンタメ作品だった。社会主義おでん、という名前にはじわじわとした可笑しみが。
ちなみに、金子文子はかねこふみこと読む。読み方がわからなくて、映画館で「金子さんを一枚お願いします」と言った。これから観る人には覚えていただきたい。かねこ、ふみことパク・ヨル、だ。
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