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私事

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2019年4月の記事一覧

リンゴと飛び散る血

リンゴと飛び散る血

リンゴの皮を剥く。ところどころ皮が残っていても気にしない。気にしているのは、包丁で指を切ること(または、切らないこと)だ。不器用なので、指先を切らないように慎重に皮を剥く。

四歳くらいの頃だろうか。ティッシュの空き箱が大好きだった当時のわたしは、母に安全剃刀を使わせてもらって、空き箱を切って遊んでいた。その剃刀で指を切った。賃貸の狭くて古いアパートのふすまに血が飛んだ、ような気がする。
その時の

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C代表のSさん

C代表のSさん



この人のお名前を最初にインターネット記事で読んだのはいつだったか。驚いた。小学校の同級生だ。間違いない。珍しい苗字だし名前も子どもながらに良いお名前だと印象に残っていたのだ。Sくんだ。割と優しくて、賢かったSくん。びっくりしてインタビューや経歴やらを検索して読み漁った。

Sくんはモンチッチみたいだったけれど、大人になって随分見た目が変わったようだ。小学生の頃から賢くて、私立中学に進んだのは間

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審美眼

審美眼

先日、岐阜・多治見のモザイクタイルミュージアムに行った。タイル好きの天国。ミュージアムの建物としての面白さもあり、かなり好みだった。

展示をひと通り見終わり、一緒に行ったぽんちゃんに誘われて、タイルグッズ手作り体験を申し込むことになった。

ためらった。なぜならわたしは美しいものが好きだからである。できる限り美しいものを見ていたい。そして、自分が不器用であり、美しいものが好きなことと美しいものを

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それはNYなのかベイクドなのか

それはNYなのかベイクドなのか

来たる5/6 文学フリマで友田とんさんの『代わりに読む人』ブースを一部間借りして『うまくなりたい』というzine の準備号を出します。(エ-09,10)
準備号なので0号であり、まだお城で言ったら…えっと…お城詳しくないわ。
料理で言ったら…材料を買い揃えた段階でしょうか。
準備号、無料です。でも頑張って準備しているので、文学フリマに来られる方はブースにぜひお立ち寄りください。というか友田とんさん

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春のおじいさん

春のおじいさん

こだわりを捨てた宮崎駿のようなおじいさんが、喫茶店の広いテーブルの、わたしの前の席に座った。女物のような小洒落たキャップをかぶっていて、目を惹く。太い黒ぶち眼鏡が似合っている。

少しして、二人分のコーヒーをトレイに載せて、もうひとりのおじいさんがやってきた。トトロみたいな丸みのあるお顔に、前歯は上下ともに無い。

「ああ、どうもね」
「これ、片方は毒が入っているから」

くすくす笑うおじいさん二

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