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UNI(うに)
2021年9月1日 15:38
『犬と街灯』さんの島アンソロジー企画に参加しました。 #貝楼諸島より 参加小説『島でのんびり稼ごう!社宅つき!』「瞳の色、明るいんですね」 そう言って、船着き場の老いた入島管理官は私の目を覗きこんだ。「ご家系に外国の方がいらっしゃるとか?」「いません、知りません」 知りませんと言ったのは、もしかすると長い年月のなかで母国以外の出身者が家族になっていた可能性を、もしかするとその子孫
2020年7月2日 16:00
2020年2月に道草の家、下窪さん主催の文章教室に参加したときに出した文章をこちらに。ここからもっと長く書こうとして、でもいったんこのサイズで書いたものをつぎたし、つぎたしで伸ばすのは意外とかんたんにはいかなくて、ゼロから書いたほうがいいのかもしれないと思っています。 わたしは自分の家を平均的な家庭だと認識していた。 会社勤めをする両親に育てられ、姉がいる。クリスマスには両親が本当のサンタク
2019年1月6日 21:27
イノシシはわたしにとって身近な動物だ。地元、神戸ではよくイノシシと遭遇した。学校の裏の山に遠足に行けば、学年に一人は必ずお弁当を食べられて泣いている子がいる。先生が必死で追いはらう。 駅から帰宅する道のり、曲がり角からイノシシが曲がってくる。イノシシは、角を曲がれる。 刺激してはいけないし、買い物帰りの人はビニル袋をガサガサ鳴らしてはいけない。イノシシは単車くらいの大きさのものもいる。
2018年5月27日 08:45
入学式、校門横でひまわりをくわえスローなロボットダンスを踊ったあの人。 恋が終わった日、カセットテープ2つを打ち鳴らしてフラメンコを踊ったあの人。 祖父の葬儀で、泣きなさい笑いなさいと段ボールの三線で歌い踊ったあの人。 いつもわたしの心を笑顔にしてくれた?そんな訳はなくて、あの人が誰だか知らないしなんで大事な日にいつも現れるのかわからないしいつも通報しているのはわたしだ。
2018年5月17日 23:26
「好き」は何年で終わるんだろうって10代放課後相談室か。わたしとの会話にも上の空で、スマホから顔をあげてくれない夫にはもう慣れた。というか向き合うのが面倒くさい。彼はどこまでわたしのこと見ないで暮らすのかが試したくなって、奇術師だった伯父に習ったイスまわしを背後でやってみた。あと40秒続けても気づかなかったら、そのままわたしが家を出よう。 #創作
2018年5月17日 23:25
象も眠る夜のあいだだけ、わたしはこのブランコで遊んだの。きいきい漕ぐと外は雨がふったり星がふったり。ある昼ま、つな渡り男に見つかってナントカワラシだと髪を触られた。その日から頭が痛くてたまらずに、ブランコのおうちから出て行ったの。あの日おうちの玉乗り女が落ちて、ぜんぶ土になったよとウミネコが教えてくれた。わたしのせいと騒ぐウミネコの羽をむしって肉をかじりながら、次のブランコのあてを考えた。
2018年5月17日 23:24
玉乗り師のわたしは「死ぬならステージ上で」と常々言っていたんです。そのことば通り、玉から落ちてその場で絶命できました。が、奇術団は運営責任を問われ解散に…わたしだけが夢を叶えたと恨んだ奇術師たちは、わたしの命日になるとあの世からわたしを呼び、象の糞と罵詈雑言を投げつけます。魂だけになっても汚される、こんなわたしが見えるなんてあなた、目が腐りますよ。 #創作
2018年5月14日 17:05
2018年5月14日 17:02