制作業務を属人的にならないようにした先に熱量は残るのか
いいものにするためであれば徹夜なんて当たり前。
事例になりそうな案件であれば、ギャラが安くて納期がキツくてもやる。締め切りまで2日しかないけど、1日=24時間だから48時間もある!なんとかなるな!……とかやってたなぁ。昔は。
今では、働き方の見直しが進み、勤怠管理や価格表を時代に合わせて最適化したり、各制作フローのガイドラインを設置するなど、仕事における様々なフローを体系化させ、業務が属人的にならないような働きやすい会社になってきた。属人的なビジネスモデルから脱却できれば、どの社員がやめたとしても業務への影響が出づらくなるので人事的な観点からしても良い。僕個人としても、帰りに映画館とかいけるようになったし最高です。
会社の偉い人たちありがとうございます!
……だけど徹夜上等の時代も楽しかった。
あーでもないこーでもないと社員同士で意見をぶつけ合って、自分たちが創造するものは本当に価値あるものだと信じ、時間を忘れて没頭する。
ビジネス的な観点から見たらアホだし、ブラックな思想だと言われてしまうかもしれないけど、
僕は休日出勤したり、徹夜したっていいじゃん!と思う。
もちろん、マネージャーのリソース管理不足や本人たちの仕事の仕方が悪くて、そうなってしまっているのであれば問題だけど。
内容はクリエイティブなことでも、それこそ社内のフロー効率化の仕組みについてでもいいから、熱量を持って向きあった結果であればしかたないと思う。
制作から属人性をなくした時に、効率と金額だけを追うようになるとしたら、魂が熱くなる瞬間なんてなくなるんじゃないかな。安かろう悪かろうの熱量のない言葉やデザインが人に伝わるとは僕には到底思えない。
つくった「モノ」「コト」が、受け取り手の心を温めワクワクさせる。
属人的でなくなった時に、それが提供できるほどの熱量は残るのか。