デザイナーの「未来」について考えてみる
最近、デザイナーに求められるスキルが多くなり、ビジネスセンスさえも社会が求めるデザイナーのスキルのひとつとなってきている。10年前の自分が知ったら驚くだろうな。これから先の未来、デザイナーってどうなっていくのかなぁとぼんやりと思っていた。
Twitterのタイムラインに、こんな文章が流れてきた。
未来というのは、なんと20世紀的なコンセプトなんだろう。そして、ここに、もれなく貼り付いてくるテクノロジーということばの、なんと「近代」なことだろう。で、このふたつは、なんでこうまで自動的にワンセットなんだろう。
この文章を読んで、僕は「未来」という言葉を、単語としてではなくイメージとして捉えていたことに気がついた。
ドラえもんがいて、車が空をビュービュー飛んでいて、銀色のピチピチのタイツみたいな服をきていることが「未来」だと勝手にイメージしていたのだけれど、「未来」という言葉にそんな意味は組み込まれていない。
デザイナーの「未来」についても考えてみる。
デザインとテクノロジーとビジネスが融合するスピード感が高まる現在、“デザイン”という言葉の概念が、時代と共に変化し多様な捉え方ができるようになり、僕たちデザイナーはデザインとそれを取り巻く環境の変化を追いかけながら「新しく生まれる何か」と並走し続けている。
新しい考え方。新しい技術。新しいスキル。新しいアプリケーション。新しいサービス。新しいメディア。これらの「新しい何か」の積み重ねの先が「未来」なのか?…というと、ちょっと違う気もする。
デザイナーの未来とは、どういったものだろう。
ビジュアルデザインだけでなく、思考としてのデザインの考え方がビジネス戦略に取り入れられるようになり、UXデザイナーやCXO、CCOなど、デザイナーが企業の成長にコミットする時代になった。
課題に対してビジュアルを作ることがデザイナーの仕事だったのに、今では経営者と共に青写真を描くことまで求められる。ここ数年でこれほど求められるスキルが変化し、職域が拡張した職種はないのではないか。
誰かのために方向性を立案し改善することがデザインなのであれば、この先の未来で、医者や学校の先生もデザイナーと呼ばれているかもしれない。
デザイナーとして変わらないものはあるか
結局のところ、誰かのために何かを示し、その人の人生をすこしでも豊かにできる人が、どんなに時代が移り変わってもデザイナーと呼ばれるのではないか。
デザイナーの定義や概念はこれからも変容していくと思うけど、ひとまず僕なりの答えが出せてすっきりした。
自分の職種や現在の立ち位置を考えることは、今後やらなくてはいけないことや身につけなければならないスキルを再認識させてくれるので、とても大事なことだと思う。
デザイナーの「未来」はどうなるのか。とても楽しみだ。