女子高生から学ぶ「感覚」
「温故知新」。僕の好きな言葉。
先人たちが築きあげてきたものを学び、そこから新しいものを生み出す。
グラフィックデザインにしてもWebデザインにしても、いまだにヨゼフ・ミューラー=ブロックマンが提唱したグリッド・システムを活用しているし、写真家の多くはリチャード・アヴェドンやロバート・フランクなどのレジェンドたちの文脈を読み解きながら、新しい表現へのチャレンジをしている。
先人とは偉大だ。
ただ、「温故」だけでは「知新(新しい知識、見解を得ること)」ができなかったりする。
例えばWeb業界では新しい技術やメディア、サービスを駆使しながら、その時代のプロダクトを通して、常により良い体験をユーザーに提供し続けなけねばならないから、過去からの統計や情報だけではなく、新しいことにチャレンジし続けるマインドが必要だ。
女子高生の間で流行っている「Tic Tok」なるアプリって知ってます?
僕は「Tic Tok?なにそれおいしいの?」ぐらいの認識だったので、ちょっと調べてみたんだけど、どうやら美肌撮影はもちろん音づけやトランジション、フィルターなどの加工編集までをアプリ内でできてしまう動画アプリ(間違ってたらごめんなさい)だそうです。最近の女子高生は休み時間の間に友達同士でTic Tokで撮影しながらワイワイ編集して1本の動画をスマホだけでサクッと作ってしまうらしい。
ヤベェ。最近の女子高生超クリエイティブ。
10代の子達はなんの疑いもなく、心が動かされるような新しいことに手を出して「なんか違うなー」と思ったら、また次の「新しい」を試す。「新しいことをする」=「日常」ぐらいあたりまえの感覚。それはチャレンジではない。感覚でやっているのだ。
大人になってからも、そういう感覚って大切。
ある程度キャリアを積むと未来予測が勝手に働いて、モノゴトの有無を選択してしまう。これまでの経験の中で、有とされてきたものを自分の物差しとして選んでいるから、新しい可能性を潰している場合もある。
過去は止まっているけど、未来は常に変化しながら進んで行くから、そもそも自分一人で得てきた経験と知識だけでモノゴトを決めること自体ナンセンスだ。ときには10代の頃のように、感覚的に心が動かされた方を選択するようにすれば、これまでになかったものが花開いたりするかもしれない。