撮影は選択の連続
今日は早朝から日が沈むまでスチールの撮影だった。
現場に到着し、カメラマンやクライアントと軽い挨拶をかわし、今日の撮影についての打ち合わせとロケハンを行ってセッティングに入る。
僕は最初のカットを切る直前のセッティングを待つ時の静かな時間が好きだ。各々が今日の撮影についての流れや段取りを頭の中で考えながら準備をする。
そして撮影が始まると全員が一つのチームとなって、限られた時間の中でマジカルな瞬間を切り取るために躍動する。
撮影は『時間の制限』があり、その限られた時間の中で構図や質感を固めアウトプットしなければならないという、デザインすることとはまた違う緊張感がある。もちろん、あらかじめデザインでの使われかたや世界観、構図などを決めた上で撮影には入っているが、僕もカメラマンも、あらかじめ想定していた内容を越えるような瞬間をつねに考えながら撮影をしていくスタンスなので、想定した内容をただトレースするだけの撮影はしない。
撮影も無事終わり、今日の撮影についてカメラマンと雑談していて、こんなことを聞いてみた。
「カメラマンって時間の制限があって、その瞬間でパフォーマンスを発揮しないといけないからプレッシャーすごいですよね」
すると、笑いながらカメラマンがこう返した。
「いやいや、撮影って時間にしても、その日の天気にしても制限があらかじめ用意されてるから選択肢が絞れて良くも悪くも答えが出しやすいけど、デザインは最初から最後まで選択の連続でしょ?デザイナーによって選択肢も答えの導き方もたくさんあるから大変だよね。」
たしかに。あまり意識したことないけど、そう言われてみればそうだ。
だけど『選択すること』ってどんな仕事のどんな職種の人でもしていることなんじゃないかな?もっと言ったら、どんな人でも日々選択をしながら生きてるとも思う。
やっぱり、撮影のように短い時間の中で選択が連続するシチュエーションってあまりない気がする。だからこそ、撮影はドキドキするし、エキサイティングなんじゃないかな。その選択の連続の中でマジカルな瞬間を切り取るカメラマンはやっぱりカッコイイなとおもった。
それ以外にもアートディレクションについてとか、写真とデザインの距離感の話とか、撮影した写真を二人で見ながらいろいろな話をした。今日はとても有意義な1日だったな。
撮影についてやフォトディレクションについてのまとめも今度書いてみよう。