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好きな「和文フォント」と「欧文フォント」の組み合わせ

今日は「フォントの日」なので、僕の好きな「和文フォント」と「欧文フォント」の組み合わせ(+番外編)を紹介してみたいと思います。

ちなみに僕は👇こんなときに「和文フォント」と「欧文フォント」を組み合わせます。

・コンセプトや文章に合うようにフォントを和欧文でカスタムしたい
・技術書的な読み物で欧文に少しアクセントをつけたい
・そのフォントが、和文ベースだったり欧文ベースだったりして、フォントの造形や設計に偏りがある
・タイトルや見出しに動きをつけたい
・フォントの組み合わせで遊びたい

それでは早速、紹介していきたいと思います。

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第5位

漢字:リュウミン
かな:游築五号仮名
欧文:Sabon

主に、文章が学術的な内容だったり、歴史的な雰囲気を漂わせたいときに使用する組み合わせです。
もともと、欧文は「Garamond」にしていたのですが、ideaの『ヤン・チヒョルトの仕事』を読んでから「Sabon」をよく使うようになりました。

第4位

漢字:中ゴシックBBB
かな:中ゴシックBBB
欧文:Akzidenz Grotesk

僕が初めて混植した組み合わせ。
「中ゴシックBBB」は古くから長く愛されてきた伝統的なゴシック体です。
雑誌のBRUTUSなどの本文で使用されていたり、仮想ボディに対して小さめな設計なので読ませる文章に向いています。
「Akzidenz Grotesk」は19世紀に誕生した伝統的な書体で、「Helvetica」や「Univers」のベースになったと言われているゴシック体です。日産やテレビ朝日のロゴにも使用されていることで知られています。
和文と欧文の伝統の組み合わせですね。

僕がこの組み合わせをする場合は、読ませる文章で、なおかつゴシック体を使いたいときです。「中ゴシックBBB」の半角英数字は、「Helvetica」を採用されていて一見良い感じなのですが、半角数字の佇まいと字面があまりよろしくないので「中ゴシック」を選択する場合は「Akzidenz Grotesk」を必ず混植しています

🥉第3位

漢字:筑紫ゴシック
かな:筑紫ゴシック
欧文:Futura

「筑紫ゴシック」は、“はらい”や“とめ”の部分に動きのあるゴシック体で、モダンかつ躍動感のある書体です。
「Futura」と組み合わせることで、より躍動感が際立つので、文章に若々しさを表現したいときなどに使用することが多いです。

🥈第2位

漢字:こぶりなゴシック
かな:こぶりなゴシック
欧文:DIN

みんな大好き「こぶりなゴシック」。
書体に愛嬌もあり、仮想ボディに対してかなり“こぶり”なので、とても組みやすく、読みやすい書体です。
ただ、英数字の“1”が、大文字の“I”のように表示されてしまうので、この子も別の欧文と組み合わせることにしています。
中でも「DIN」は文章全体にヌケをつくりつつ、「こぶりなゴシック」のもつ愛嬌を引き上げてくれるので好きですね。
「DIN」は東京オリンピックのロゴタイプにも使用されているので「DIN」単体でも好きなデザイナーさんは多いかと思います。

🏅第1位

漢字:遊ゴシック
かな:遊ゴシック
欧文:Raleway

Webをデザインするときの、最も好きな組み合わせです。
「游ゴシック」に関しては、font-familyの設定に入れないときがないぐらい。
「こぶりなゴシック」もそうでしたが字游工房さんのつくる書体はどこか愛嬌があって良いですね。
欧文はそのままでも良いのですが、Googleフォントの「Raleway」を組み合わせると、ちょうど良いクセがついて、文章全体に起伏が出てくるので、読むのが楽しくなります。
デバイスでここまで表情のあるフォント選択ができるのは幸せですね。

番外編|😔おしかったフォントと😄単純に好きなフォント

AdobeとGoogleが共同開発したフォントということで話題になったフォント「Noto Sans」です。
Webフォントの歴史において、エポックメイキングなフォントではあるんだけれども、半角数字が縦長すぎて日本語の文章として使うにはあまりよろしくないなということでランキングから外させてもらいました。

待ってました!Googleフォントの日本語明朝体として試験的に提供されているフォントでもある「はんなり明朝」。築地体を参考に墨だまりを意識して設計したそうで、とても情緒的なフォントになっています。
ちなみに、「はんなり明朝」を上手に使っているWebサイトを見つけてしまい「うわっ良い!」と思わず感動&嫉妬しました。
webフォントとして使用する場合は和欧文ともに「はんなり明朝」が良いなと思ったので、今回のランキングからは外させてもらいました。

モダン・ローマンといえば「Bodoni」ですが、僕が好きなのは「Didot」。
フランス人が作った書体のせいか、華やかな印象があってとても好きです。
欧文単体のタイトルとして使うことが多いです。

骨格としてはベーシックではあるけど、時より見せる「Dante」特有のクセが愛嬌あって好きです。
例えば、上の画像で表示されている「D」とか最高ですね。

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僕の好きな「和文フォント」と「欧文フォント」の組み合わせのランキングはいかがでしたでしょうか?

デザインする対象やデザイナーによって、フォントの組み合わせは無限大です。
和文と欧文のフォントを組み合わせるには、ある程度のフォントについての知識が必要だと思うので、気の向いたときにでも、自分の好きなフォントを一つ選んで、そのフォントの背景や歴史を学ぶのもいとをかしですよ。
僕自身も改めて好きなフォントと向き合えたことで、フォントについての造詣を深める、良いきっかけになりました。

今後、どんなにデバイスやAIが発達しても「文字」はなくならないので、これまで産まれてきたフォントたちも、これから産まれてくる新しいフォントたちも、ガッチリ愛でていきたいと思います!

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Atsushi Sekigawa
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