デザイナーの「オノマトペ」を具現化するエンジニアは「魔法使い」
デザインとは論理的に言語化できなければならない。
デザイナーは企業やサービスの目標にコミットにしながら成果を出せるアウトプットを求められる。そのために、デザイナー個人の視点だけではなく、様々な職種の人やユーザーたちと共通言語で会話し、そこから得た情報やデータを自分の持ち得る知識とスキルで分解・構築を繰り返し、インサイトに応えられるデザインをする。
ビジュアルやUIはもちろん、アニメーションについても「なぜ」そうするべきなのかを説明できなければならない。
デザイナーとエンジニア間でのコミュニケーションでも同様だ。
エンジニアは、物理法則的なことや論理的な構造に習ったコードを好む傾向がある。なぜなら、それが彼らにとって美しいことだから。
なので、エンジニアにアニメーションを依頼する際は、できるだけ「なぜ」そうしたいのかを説明するようにしている。
「このモーダルは注意喚起だけど、喚起レベルが低いから、アニメーションとしてはシンプルに透過でフェードするようにしたい。」
とかであれば説明もしやすいのだけれど、コンセプトに合わせたエモーショナルな動きが必要な場合に、アニメーションのディテールを言語化してエンジニアに説明するのが難しい。
「こう、シュッ!とした感じで」とか
「もっとモニュモニュしてからパーンッ!と弾けるイメージで」
みたいな感じで、うまく言語化できないイメージを「オノマトペ」に変換して説明することがある。
オノマトペ
自然界の音・声、物事の状態や動きなどを音(おん)で象徴的に表した語。音象徴語。擬音語・擬声語・擬態語など。[Wikipedia より引用]
オノマトペを受け取り、デザイナーの持つイメージを超えることは容易ではないはずなのだが、時折、かろやかにそのイメージを超えてくる。。。というか、超えすぎちゃう(いい意味で)エンジニアさんがいたりする。そんなエンジニアのことを僕は「魔法使い」だと思っている。
正直、ディテールを言語化できなくもない。その方がエンジニアも理解しやすいし、迷わず実装することもできるし、工数も読みやすいので、世の中的にはその方が正しい気もする。
ただ、具体位的にイメージを言葉として落とし込んでいくと、どんどん温度感のない言葉になっていってしまい、結果的に自分のイメージしたものとは違うものになってしまう。
(もちろん、言葉の表現力や、語彙力が足りていないだけかもしれない)
昔、魔法使いエンジニアとこんな話をした。
僕:「本当にエンジニアさんって魔法使いみたいですね!」
エ:「いやいや。良くそういうけど、僕からしたらデザイナーも魔法使いみたいなもんです。よくあんなフワッとした説明でデザインできますね。」
僕:「デザイナーは、デザインリテラシーがない人と打ち合わせをすることは多いですし、表情とかジャスチャーからでも、お客さんがどうしたいかはなんとなくわかりますよ。」
エ:「ほら!僕にとってはデザイナーも魔法使いですよw」
エンジニアにしても、ディレクターにしても、カメラマンにしても、イラストレイターにしても、ライターにしても、自分のイメージを軽々と超えていく「魔法使い」はみんなすごい。レペゼン魔法使い。
魔法使いは細部に宿る。