セックスレスを解消したかったのではなく、妻との”親密な関係”を取り戻したかったのだと気がついた話
「妻とのセックスレスを解消した時、初めて気がついたんです。ぼくは妻とセックスがしたかったのではなく、親密な関係を取り戻したかったのだと」
妻とのセックスレスに悩む方のご相談に乗っていると、本当によくこういう言葉を聞く機会が多いです。
そして、ぼく自身も強くそう感じています。
出会ったばかりの時はお互いに惹かれ合い、いつでも相手を肉体的にも精神的にも求めていたのに、子どもが生まれた今では、あの頃のような情熱はどこかに行ってしまった。
「妻との親密な関係」とは、妻の感情に寄り添い、妻の心の流れが今までよりもよく見えるようになることであり、妻の気持ちに敏感になることでもある。
セックスレスを解消させるために、妻のケアを続けていくうちに、ある日気がつくときがやってくるんです。
セックス自体には価値がないのだと。
心と心が通じ合い、お互いが大切に思っていることを感じられる瞬間にこそ価値があるのだと。
そして、そんな瞬間を重ねられる毎日にこそ、もっとも価値があり、そこが目指すべき場所なのだと。
なぜ、男はセックスを求めるのか？
なぜ、ぼくらはこれほどまでにセックスを求めるのでしょうか？
「種を残すこと」が生物の目的だから？
あまりに直接的で、原始的な答えですが、人間を生物としてみた場合には、それが答えにはなるんでしょうね。
でも、ぼくはそれだけではないと思うんです。
生物としての繁殖のピークを過ぎたぼくら30代の男性が、いつまでも性欲に悩まされる必要はないはずです。
実際、性欲の源泉であるテストステロン（男性ホルモン）の分泌量は20歳をピークに下がっていきます。
この問題は、子どもがいる30代以降の男性に限った話で言えば、「性欲」の問題ではないのだと、ぼくは考えています。
「種を残す」ための欲望が「性欲」だとしたら、妻を求めるこのこの気持ちは「性欲」なのでしょうか？
お子さんがいらっしゃる男性は、ちょっと、胸に手を当てて考えて欲しいのですが、あなたが妻を求めるその気持ちは、果たして「性欲」からだけくるものでしょうか？
おそらく、なにかが違うという思いをきっと感じるはずです。
あなたが、そしてぼくらが求めているものは、果たしてなんなんでしょうか？
ぼくらは、妻との親密な関係、愛し愛されている実感を求めている
子どもが生まれる前は、妻と2人だけの生活でしたので、妻の意識は自然とぼくら2人だけに注がれていました。
でも、子どもが生まれるとそうもいかなくなりますよね。
生まれたばかりの危うい命を傷つけることがないように、妻は子どもに対して大きな意識を向けるようになります。そして、ぼくら夫もそうしなければならなくなります。
今まで、ぼくら夫婦はお互いを見つめていたのですが、否応なしに目の前の幼子を2人で見つめることになります。
そして、何年か経った頃に気がつくのです。
ぼくらは、あまりにもお互いを見つめてこなかったことを。
今になって、ぼくらは妻を見つめたい。妻から見つめられたいと思っているけれど、妻はもうそんな視線を欲しなくなっている。
妻からの「愛されているという実感」が欲しいがために、ぼくらはセックスを求めるのかなとも思うんです。
本当に求めているものは、「お互いに愛し、愛されている実感」であり、「妻との親密な関係」であり、セックスはそのための手段でしかないのかなと思うんです。
セックスは手段の一つでしかない
ぼくは何年か前に、妻と毎日ハグをすることを習慣にしたのですが、それ以来、心が満たされる感覚が増えました。
「幸せな気持ち」を日常の中で感じられるようになり、以前よりも妻の存在を近くに感じられるようになったんです。
「夫を遠くに感じる」という方も、夫との毎日のハグを習慣にするといいかもしれませんね。
セックスが目的のための手段でしかないのであれば、目的を叶えるための手段は他にもあると思うんです。
それは、毎日のハグであったり、いってらっしゃいのキスであったり、その日一日なにがあったかをお互いに話し合い、それぞれの気持ちに寄り添う優しい時間であったり。
そういうことなのかなって、思うんです。
そして、お互いが求めるならば、その先にセックスという一つの手段があるのかな、とも思うんです。
ただ、セックスというものは、ハグよりも実行するハードルは高いので、「お互いに愛し、愛されている実感」を感じられるようになってからでないと、できるようにならないのかなとも思います。
それを逆にして、先にセックスをしようと考えるから、妻も夫も辛い思いをするのかもしれませんね。
妻や夫の関係に悩む方の参考になれば幸いです。
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