
あなたの夫婦喧嘩がなくならない理由ーー関係性教育の必要性とは?
「夫婦関係に関する学び」と聞いたとき、なにをイメージしますか?
Iメッセージなどに代表されるコミュニケーションテクニック?
性別による役割定義からの解放?
育児とキャリアの両立方法?
色々想像されると思いますが、実はこれらはある1つの言葉でまとめることができます。
それがRelationship Education(関係性教育)です。
今回は、夫婦になぜ関係性教育が必要なのかについてまとめました。
英語圏のカップルセラピーの教科書『Clinical Handbook of Couple Therapy』
関係性教育という言葉は、英語圏で発売されているカップルセラピスト向けの本「Clinical Handbook of Couple Therapy」に出てきます。
あるカップルセラピストから教えていただいたのですが、700ページ以上もの超ボリューミーな本です。
英語圏でカップルセラピーを学ぶ人にとっては、必読の教科書とされているようで、僕もAIの力を借りて内容を読み込んでみました。いくつものカップルセラピー技法が紹介されており、とっても面白いです。
関係性教育とは?健康なカップル関係を築くために
本書では、関係性教育とは、カップルがより健康で満足のいく関係を築き、維持するための知識、スキル、態度を学ぶための教育プログラムと定義されています。
英語圏では関係性教育は課題を抱えたカップルや、関係性をより良くしたいカップルの両方に提供されているそうです。
日本では、この関係性教育を学ぶ機会ってほとんどないですよね。学校でも、職場でも、家庭でも。
カップルセラピーも保険が効かないので敬遠している人も多いかと思います。
学ぶ機会がないことが、日本の夫婦の葛藤が起こりやすくなる原因のひとつじゃないかなと思うのです。
多くの夫婦は「聞く」スキル、「話す」スキル、「感情を表現する」スキルを持っていないので、感情を適切に表現したり、相手の気持ちを理解するための効果的なコミュニケーションが取れません。僕だって日々修行です。
また、自分と相手の感情に意識を向けて理解しようとする機会もあまりないですよね。つい、ネガティブな感情(怒り)のループにハマりがちです。
そのため、お互いへの理解が欠け、尊重の感情も生まれません。そうなると、意見の対立を乗り越えることが難しくなりますよね。
関係性教育(Relationships Education)では、このあたりの内容を教えていきます。
関係性教育の具体的な内容:コミュニケーション、問題解決、ライフステージの変化への対応
関係性教育の目的は、良好な関係性の構築と維持、関係の破綻の予防、個人の成長、そして社会全体の幸福です。
具体的な内容としては、コミュニケーションスキル、問題解決スキル、ライフステージの変化への対応などでして、こんな感じです。
コミュニケーションスキル
積極的な傾聴: パートナーの話を注意深く聞き、理解しようと努める
感情の表現: 自分の感情を言葉で伝え、パートナーの感情を理解する。非難や攻撃的な言葉は避ける
感情の理解と調整: 自分の感情を理解し、コントロールし、適切かつ建設的な方法で表現する
相互理解と尊重: 多様性を理解し、社会文化的影響(ジェンダー、社会階級など)が関係性に与える影響を理解する
日本では男女間の文化的な違いを理解することが、夫婦間の理解を深めるなと個人的には感じてます。
「なぜ、自分は(夫は)亭主関白な態度をやめられないのか?」をメタ認知できるとすごく生きやすくなるとか。
問題解決スキル
問題の特定: 何が課題なのかを明確に定義し、原因を分析する
解決策の立案: 協力して解決策を考え、実行するスキル
合意形成: 意見が異なる場合に、両者が納得できる解決策を見つけるスキル
ビジネス的なスキルと思われる問題解決スキルも関係性教育のひとつです。
ライフステージの変化への対応
結婚、出産、子育て、キャリアの変化、病気、介護など、本当に様々なライフステージの変化を経験しますよね。これらの変化に対応するための知識やスキルも関係性教育です。
変化の予測: ライフステージの変化を予測し、準備するスキル
変化への適応: 新しい状況や課題に柔軟に対応するスキル
具体的な問題への対処: 不倫、暴力、依存症などの具体的な問題に対処するための知識やスキルを学びます
問題の早期発見: 早期に問題を認識し、適切な対応をするスキル
専門家の支援: 必要に応じて、専門家の助けを求めるスキル
最後の「専門家の支援を求めるスキル」は意外に思われるかもしれませんが、ご相談に乗っていると(もっと早くカップルセラピストに相談されていれば違ったのでは)と思わざるを得ないケースがいくつもあるんです。
セラピーを受けることが精神異常者であることと勘違いしたり、自分はダメなやつなんだと恥を感じ、辛い現状を我慢し続けたり・・・
心理カウンセリングは保険が効かないから敬遠する人が多いけど、関係性が改善するなら安いものじゃないかなと思ってます。
それから恥ずかしさを感じる必要もないなって。みんな言わないだけで夫婦の葛藤を抱えている人は多いですから。
関係性教育の効果とは?
では、どういった効果があるのか?具体的にみていきましょう。
関係の満足度向上: コミュニケーションや問題解決スキルが向上し、関係の満足度が高まる
離婚率の低下: 関係の早期段階で問題を解決し、破綻を予防することで、離婚率を低下させることが期待される
精神的な健康の向上: 関係性のストレスが軽減され、不安やうつなどの症状が改善される可能性がある
子供の福祉の向上: 健康なカップル関係は、子供たちの幸福と成長に良い影響を与える
たとえば、夫が仕事で疲れている時、妻は「どうしていつも疲れているの?」と責めていたけど、関係性教育後は「今日は大変だったね」と共感を示せるようになったりとか。
もしくは、妻が夫の行動に不満を感じた時にすぐに怒っていたけど、まず自分の感情を認識し、「私は今、悲しい気持ちになっている」と伝えられ、建設的な対話ができるようになったりとか。
それから、以前は「あなたが浪費するからお金が貯まらない」と非難し合っていた夫婦がお互いの価値観を理解し、予算を立てて共同で管理することで、より良い関係を築けるようになったりとか。
そんな効果が期待されると言われてます。いいことばかりですよね。連れ子再婚における関係性の向上にも効果的だそうです。
夫婦関係の学びは個人の成長に直結している
夫婦関係の学びって、個人の成長に直結してるなって思うんです。自分と相手の感情を理解して、それを調整することっていうのは、何も夫婦間だけじゃなくて、友人関係とか、親子関係とか、職場でもすごく重要になってきますよね。
それから、問題解決スキルもそうですよね。夫婦はとっても距離が近いから問題が起こったときに必要以上に問題をこじらせてしまいますよね。
そういった距離感の調整が難しい夫婦間で問題解決スキルを磨くことで、親子、友人、職場での問題解決スキルって、すごい余裕でできるようになっちゃうんじゃないかなと思うんです。
これも個人の成長なんじゃないのかなって思ってます。
「問題を特定し、原因を分析し、解決策を立案し、実行し、評価する」といったことがすごく楽になる。しかも感情に振り回されずに、かつ他者への思いやりも添えられる。
僕は夫婦関係を学ぶことのメリットの一つはそれじゃないかなって思ってます。
ということで、そういった夫婦の関係性教育を体系立てて学べる本「男性のための夫婦関係学Part1」がAmazonで発売中です。
大変ありがたいことに4つのカテゴリーで1位をいただきました。




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