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ぼくら男性が”妻を素直に褒められない”のはなぜなのか?
Emikoさんが「褒める」ことについて、ものすごく分かりやすい記事を書かれていました。
「褒める」とは、自分の中にポジティブな観点をしっかり持ち、常に相手に対して愛とリスペクトをもちながら丁寧に観察しないと、適正にできないことだからだ。
ちなみに、ポジティブな観点が欠如していると(=自分の意識がネガティブに傾いていると)、どんなに良いことを言っても、相手には「嫌味を言っている」としか受け取ってもらえない。
自分の中にポジティブな観点をしっかり持つ、常に相手に対して愛とリスペクトをもちながら丁寧に観察する。
これを読んだときに、ぼくは初めての就職先だった呉服屋の仕事を思い出したんです。
アパレルの販売員のように呉服販売員もお客様を褒めるのですが、褒め方次第でお客様との信頼関係が大きく変わるんですね。
呉服はアパレルのようにその日に買うかどうか決めるものじゃなくて、何ヶ月も時間をかけてお客様との信頼関係を作り上げて、その上で「あなただから」買うと言ってもらえる商売だったんです。
そして、お客様は当時のぼくよりも数十歳以上年上の方ばかりだったので、薄っぺらい「褒め」はすぐに見破られてしまうんです。
思えば、それはEmikoさんが書かれている「人徳」の問題だったのかもしれません。
また、相手に対して愛とリスペクトがないと(=相手を尊重する意識がなく、相手のことを粗雑に扱っていると)、どんなに素晴らしい言葉を並べても、相手には「私のことを見下して馬鹿にしている」としか感じてもらえない。
これらは、まさに日頃の「自分の心の在り方」がにじみ出てくるものであり、褒めたことが相手にちゃんと伝わるには、相手の受け止め方云々の問題ではなく、それ以前に、まずは「自分に人徳が備わっているか否か」が大事なんだと思う。
自分の母親よりも年上の女性を相手に四苦八苦する日々の中で、ぼくはお客様に届く褒め方があることに気がついたんです。
その人に”届く”褒め言葉とは?
それは、相手にポジティブな好奇心を持つよう心がけ、その人を深く知ることで、自然とその方にいい印象を抱くようになる。
その上で、ふとした会話の中で出てきた(それはすごいなぁ)と素直に思えた心の動きを、そのまま相手に素直に伝えるというものでした。
取り繕ったありきたりの褒め言葉ではなく、自分の心が動いた時に心に浮かんだ言葉を”頭で変換せず”にそのまま伝える。
頭で変換しないというのがポイントだったと思います。
小さな子どもと風船のキャッチボールをするように、ぼくの手元に落ちてきたぼくの”気持ち”という風船を相手に優しく投げる。
おそらくそうすることで、「褒め言葉」は単なる褒め言葉ではなく、相手への「愛」や「リスペクト」へと姿を変えたんだと思うんです。
あと、どんな人にも素敵なところがあるので、それを見つけるまでお話を深掘りしていくというのもポイントだったような気がします。
当時のぼくには、Emikoさんがおっしゃる人徳やきちんとした価値観のものさしがあったかと言われると、おそらくなかったと思うんですね。
でも、代わりにあったものは、これは仲の良かった販売員もそうでしたが、「素直さと感受性と優しさ」だったのかなと思うんです。
自分とはまったく違う方の話をきちんと聴く素直さや、その方の話の中から人間性を感じ取る豊かな感受性であったり、(すごいなぁ、素敵だなぁ)と感じた心をそのまま伝える優しさであったり。
社会経験が浅く若かったぼくにできたことは、自分の心を大きく広げ、自分とは異なる考えの人を疑うことなく受け入れることだけだったのかなと思うんです。
(ちょっと自分とは考えが違うな)と思うようなこともあったけれど、数百万円の呉服が飛び交う当時の職場では、そのように自分の人間性が常に試されていたような気がするんです。
そして、これって夫婦関係でも同じようなことが言えると思うんです。
ぼくは妻に素直な心で「褒める」ことができているのだろうか?
どれだけの夫婦が、お互いを素直な心で褒め合えているんだろう?
妻を素直に褒めるためには?
「妻のことを褒められない」場合というのは、(今さら恥ずかしい…。)という恥ずかしさが強いのですが、それよりも褒めるべきポイントを見つけられていないことが大きいような気がしているんです。
なぜ、見つけられないのか?
子育てと仕事に忙しいぼくらは、会話の時間すらなく相手を知る機会が少なくなっていますよね。そのため二人の価値観がずれていき、久しぶりに会話をすると(なんかこの人違うな…。)と感じてしまう。
そんな経験をしたことがある人はたくさんいると思うんです。ぼくもあるし、多分ぼくの妻も感じていると思います。
(自分とは考えが違うな)と思っても、相手を否定せずに素直な心で妻の話を聴き、妻の言葉の中から彼女ならではの素敵な人間性を見出し、それを頭で変換せずに、優しく相手に伝える。
Emikoさんが書かれているように「褒めること」とは高度な技術なんだと思います。
「褒める」という動作は、自分の中に「褒め」の基準があり、その基準に少しでも触れたり越えたりした場面に遭遇たとき、自然と「わぁ!すごいね!」「これ良いですね!」といった褒めの言葉が出てくるものだと思う。
つまり、自分の中に「褒める」の価値基準がちゃんと確立されているということだ。
そして、どんなに小さなことでも「相手の良さ」を見つけようとする視点があること。さらには、自分が感じたことを、素直に相手に伝える力をもっていることである。
ここでいう「伝える力」とは、自分の気持ちを伝える勇気があること&相手の心に届く言葉をもっていることを言う。
要は、物事を多面的に観察できる能力・みずみずしい感性・心の柔軟性・相手の立場に立った言葉を上手に選んで表現できるセンス・相手の良さをキチンと言語化できる勇気…云々。これらが、褒め上手にはバッチリ備わっているということだ。
そう考えると「褒める」とは、かなり高度なことなんだとわかる。
それでも、社会に出たばかりのような柔軟な心を持って、素直に話を聴き、豊かな感受性で相手のいいところを見つけ、思ったことを素直に優しく相手に伝える。
「バカになればいい」とは言わないけれど、もうちょっとぼくら男性は単純に考える癖をつければ、素直な感情表現ができるような気もしているんです。
それができないのであれば、もしかしたら足りないのは妻への「愛」と「リスペクト」であり、過剰なのは自分の「プライド」なのかもしれないなって思うんです。
妻への「愛とリスペクト」を意識し、自分の中に眠っている過剰な「プライド」を起こさないように意識することで、ぼくら男性はもう少し楽に妻を褒めることができるようになるのかもしれないですね。
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