”夫を許したくない”はなぜ生まれるのか？ぼくら夫はどうすればいいのか？
「妻の心は完全に閉ざされているんです。どんなにぼくが変わろうとしても、妻は意味がないと言って嫌がるんです…。」
妻が夫に対する恨みを募らせていき、夫に対して心を閉ざしてしまう。
それに気がついた夫が妻のために自分を変える努力をしても、妻はそれを拒み、ますます夫への心を閉ざしてしまう。
「そんなことしても意味がないのよ」
「私はこのままでいいの」
「余計なことをしないでくれる？」
妻のためと思った行動のすべてが、余計に妻が離れる原因となってしまう。
妻に歩み寄るたびに、妻は逃げ去ってしまう。
この現象はなぜ起こるのか？
最近、ある方と話していて、ちょっとだけその原因が分かったんです。
脳のパターン学習が夫を拒絶する
新しい情報を過去の経験に照らし合わせて、上手に脳で処理をすることをパターン学習というそうです。
ヒトの脳は効率的にできているので、新しい情報を一から理解しようとするんじゃなくて、過去の情報と紐付けようとしますよね？
例えば、ある音楽を聴いたときに（あ、これはロックだ）とか（ジャズだ）って無意識に分類してますよね？
あれって、過去の音楽のリズム感からパターン認識してますよね。
それから、ジャズが好きな人はふらっと入った喫茶店でジャズが流れていたら、ちょっと気持ちが落ち着くと思うんですね。
自分が好きな料理の画像や動画をスマホで見たら、そんなにお腹が空いていなかったのに食べたくなってしまうこともありますよね。
これは自分の好きなモノを消費したら心地よくなるように、脳がパターン学習しているからです。
ポルノ中毒やゲーム中毒はそれをすることによって脳の報酬系が働いてしまうので、なかなか中毒から抜け出せなくなりますよね。
夫に心を閉ざした妻も同じなんじゃないかと思うんです。
夫から何を言われても拒絶するように脳がパターン学習している。
夫を拒絶することで脳の報酬系が働いている。
もしかしたら、そんなことが起こっているんじゃないかと思うんです。
もちろん、昔はそんなことなかったと思うんですね。夫に本気で助けを求めていたこともあると思うんです。
夫からかけられたすべての言葉が「嫌悪や拒絶の対象」ではなかった時期もあると思います。そうでなければ結婚しないですもんね。
でも、ある時をきっかけに、夫を拒絶することが「良い選択」と脳が学習してしまったんじゃないかと思うんです。
そして、夫を拒絶することを選んだ「その時」というのは、妻にとってPTSD（心的外傷後ストレス障害）レベルのとてつもなく大きな出来事だったんだと思うんです。
PTSD並みのショックが”夫を拒絶すること”を選択させた
家族全員が病気で倒れているのに助けてくれなかった。
産前産後の心細い時にひどい言葉をかけられた。
性的行為を無理強いされた。
こういった出来事が妻の心に大きな傷を作り、夫のことを許さないと固く心に決め、夫からのすべてのコミュニケーションを遮断するようになった。
夫を拒絶することは自分を守るための選択だった。
だから、夫から優しくされたり、夫が夫婦関係を改善しようとすることは、自分の認知からずれた行為のため、脳が激しく抵抗する。
その脳の抵抗が夫への拒絶をさらに力強いものへとしていく。
そして、当時のショックな出来事というのはPTSDレベルなので、妻本人も自分の心を守るために忘れようとしたり、夫に話さないようにしているんじゃないかと思うんです。
これは単なる夫婦関係の悪化なんて生やさしいものじゃなくて、心理的障害なんだと思うんです。
夫からの歩み寄りが逆効果の場合、どうすればいいのか？
どんなに夫婦関係を改善しようとしても妻が拒絶する場合って、どうにもしようがないですよね。
一体、妻は何を考えているのか？
こんな状況で自分はどうしたらいいのか悩んでしまいますよね。
そんな時は、妻に何が起こっているのかを客観的に理解すると、気持ちを落ち着かせることができます。
脳のパターン学習の話であったり、妻に起こった出来事を論理的に理解し、そこに情緒的に共感していくんです。
そして、心理障害の場合は普通の人間には対処が難しいことも理解した方がいいです。
たまに夫婦カウンセラーに行ったら余計に関係が悪化しちゃう人がいますが、あれは心理療法ができるカウンセラーじゃないからなんです。普通の話がうまい人もカウンセラーをやっていますから。
心理療法は心理の勉強を積んできた臨床心理士さんでないとできないんです。
ぼくの周りでも心理療法ができる臨床心理士さんに通われて、少しづつ夫婦関係が良くなっている方がいらっしゃいます。
何をやっても妻の心のシャッターが開かない。
そんな時は、もしかしたら妻の心は過去のトラウマによって「夫を許さないこと」を脳がパターン学習しているのかもしれません。
もしそうなら、その妻の状況を論理的に理解し、情緒的に共感し、その上で、妻のトラウマ解消のため臨床心理士さんのカウンセリングを受けられることが、解決のヒントになるかもしれません。
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