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あなたはどっち?ヒューマン志向とソリューション志向。
「なんで、そんなに人の話を聞かないの?」
「なんで、そんなに問題を放置できるの?」
夫や妻にそう感じてしまったことはないでしょうか?
もっと、寄り添って欲しい。もっと、問題を解決するために動いて欲しい。
もっと、自分のようになればいいのに。
このように思ってしまうこと、ぼくにもあります。
なぜ、こういった問題が起こるのか?
そこには、「人間関係維持志向」と「問題解決志向」という二つの価値観のぶつかり合いがあると言われています。
今回のポッドキャスト「アツの夫婦関係学ラジオ」では、この二つの価値観の違い、そして、夫婦がどうやってお互いの価値観を擦り合わせていくのかについて、お話しました。
この記事では簡単なまとめを書いています。ぜひ、ポッドキャストも合わせて聴いていただけると嬉しいです。
参考図書:夫婦・カップルのためのアサーション
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ちょっと言葉が難しいので、人間関係維持志向をヒューマン志向、問題解決志向をソリューション志向と、ぼくが勝手に呼びますね。
ヒューマン志向は「集団内で人間関係を良好に維持しようとする価値観」のことであり、簡単にいうと「波風立てずに、話し合ってわかり合おうとする考え方」です。
気持ちを共有し合うことで、お互いに理解できるようになり、精神的につながることができますよね。
友人や夫婦など、心理的距離の近い関係性には欠かせない価値観ですね。
一方でソリューション志向は、葛藤や課題を解決するときに、「どうすればいいか?」を考える傾向がある価値観です。
仕事ではよく使いますよね。トラブルが起こり、原因と対策を立てる。ぼくも日常的にやっています。
ソリューション志向があるから、様々な課題を解決させることができますよね。
自分のアドバイスが役に立ったときは、強い自己効力感を感じることさえできます。
ただ、これらの考え方、いいことばかりじゃなくて、コインの表裏のようにデメリットもあります。
ヒューマン志向だけでは課題を解決できませんし、行き過ぎた場合は、自主的に問題解決をせず、誰かが(夫婦ならばパートナーが)やってくれることに期待し過ぎてしまい、相手からの失望や怒りを呼ぶことになってしまいます。
また、ソリューション志向が強すぎると、「何が言いたいのかわからない」、「結論を言って」など、相手の気持ちを無視した発言が出てきます。
言っている方としては、自分が正しいと思い込んでいるので、気持ちをわかってくれないと嘆くパートナーを見下すような態度を取ります。(恥ずかしながら、ぼくにも少なからずそんな経験があります)
どれだけ自分の意見が正しくても、相手の心に届くことはないんです。
さらに、そういった人間は人に悩みを打ち明けるのが苦手なので、自分でなんとかしようとし過ぎてしまい、自分を追い詰め、孤立し、結果、問題を解決することができなくなってしまいます。
育児に家事、妻のケアに仕事。すべてを一人で背負い込んでいたぼくも、一時期、鬱になりかけたことがありました。
「自分の悩みは自分で解決するのが当然」と思っていると、相手にも同じことを期待するため、パートナーからの甘えを突き放してしまうことさえあります。
それが甘えに見えたとしても、本当は助けを求めていることもあるのに。
また、自分が人の気持ちへの寄り添い方がわからないから、「どうしてあげたらいいかわからない」という根本的な問題もあります。
心配していることを言葉にして伝えられないんですよね。
感情を表現しない夫を持つ女性は、よくそんな悩みを抱えています。
ただ、「だいじょうぶ?」と伝えればいいだけなのですが、ソリューション志向にハマっているとそんな簡単なことさえ口に出すことが難しいんです。
ヒューマン志向とソリューション志向、どちらが優れているとか劣っているということではなく、そのバランスや使い方が大切なんです。
ぼくら夫婦も、時と場合によってそのどちらかを使い分けています。
相手が仕事や育児に疲れていたり、体調が崩している時など、寄り添って欲しいときにはヒューマン志向に切り替える。
問題が起こり、解決しなければいけない時は、場合によってはただ寄り添って欲しいだけの時もありますが、「どうしようかね?一緒に考えてみようか?」など、ソリューション志向に入っても問題ないかをうかがってから、問題解決にあたります。
ここの匙加減は今でも難しいですが、何度も失敗しながら、妻がヒューマン志向を求めているのか、ソリューション志向を求めているのか、なんとなくわかってきました。
とはいえ、今でも間違えることはあります。見極めは難しいですよね。
でも、お互いの癖(ヒューマン寄りか、ソリューション寄りか)を理解し合っていれば、素直に言えるようになると思うのです。
「今はただ話を聞いて欲しい」
「どうしたらいいか一緒に考えて欲しい」
などと。
どうしても、「相手が自分と同じ考え方になればいいのに」と願ってしまいますが、人が持つ癖はそれぞれですから、その違いをお互いに受け入れた上で、どこまで歩み寄れるかが大事なのだと思います。
もし、どうしても歩み寄れない場合は、お互いへの親密感という土台がそもそも揺らいでいるのかもしれません。
そんな時は、「柔らかな気持ちの共有」から始めてみることをおすすめします。
ポッドキャストでは詳しくお話をしています。ぜひ、あわせてお聴きください。
(そして、番組をフォローしていただけるととっても嬉しいです!)
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アツの夫婦関係学ラジオ
#489 あなたはどっち?「人間関係維持志向」と「問題解決志向」
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