夫に気持ちを伝えられるようになる3つのステップ。
夫から言われたことに違和感を感じる。
霧雨のようにかすかな不満が確かにそこにあるけど、うまく言葉にできない。
何日も経ち、気がつけば霧雨は豪雨となり、心は不満という雨水であふれかえる。
ああ、もうダメだ。もうこの人と一緒にいれない。ここではないどこかに行きたい。
この人ではない、誰かのところに行きたい。
そう感じたことはないですか?
今日はそんな方のために、夫への気持ちの伝え方について書きますね。
気持ちではなく"思考"を伝えていないか?
「そんなことするなんて信じられない」
「そんなことはすべきじゃない」
「そのやり方は間違ってる」
夫婦喧嘩になるとついこう言いがちですよね。つい相手にそう言ってしまったというお話しを何人もの方から聞きました。
ぼくもつい考えていることを口走ってしまって、妻がなにも言えなくなるという経験があります。すごく気まずいですよね。
たとえば育児なら、子どもへの声かけ(きびしく?やさしく?)、宿題のさせ方(自主的にやらせる?しつこく言う?)、忘れ物の扱い(あえて放っておく?学校に届ける?)など、いくつも意見の食い違いって出ますよね。
もしくは、夫婦のコミュニケーション。
ありがとうやごめんなさいなどの感情的なコミュニケーションがなかったり、思いやりのない言葉をかけたり、無視をしたり。
そんなとき、ぼくらはつい「それはおかしい!」と言ってしまいがちです。
だけど、それでは相手の心に届かないんですよね。先の見えない霧の中で怒鳴っているような状態です。ぼくも何度も同じ過ちを犯してきました。
では、どうすればいいのか?
思っていることではなく、感じていることを伝えるんです。
寂しかった。悲しかった。もしくは怒りを感じているなど。
こうすべき!ああすべき!それは間違ってる!
という言葉は人格否定するものなので、人は自然と防御反応を取ります。
戦うか、逃げるか、かたまるか。
相手の態度を思い返してみると、この3つのどれかだったはずです。ぼくはよくかたまります(黙り込む)。
実は夫に気持ちを伝えるために「思っていること」を話すことは、相手を攻撃しているだけなんです。
特大サイズのバケツをひっくり返して、相手の心をずぶ濡れにしているんです。
一方で「感じていること」は、自分の感情にフォーカスをあてていますよね?
相手ではなく自分。
だからこそ、攻撃ではなく「感情のシェア」となり、素直に受け止めやすくなるんです。
でも、いきなり伝えるのはちょっと待ってくださいね。もしかしたら、あなたはその気持ちがどこから来るのか、理解できていないかもしれません。
なぜ、自分はそう感じるのか?
海へと流れる水はいろんなところから流れ込んできます。雨水が通る用水路、川、汚水処理場など。
あなたの心にあふれんばかりにたまっている気持ちはどこからやってきたのか?
それがわかると、素直な気持ちをさらに伝えやすくなります。
その気持ちはどこからやってきた?
夫と話していて感じる違和感や不満。心を冷やすその雨水はたいていの場合、過去の困難、トラウマ、そして人間関係からきています。
子どもの頃に親から相手にされなかったために、(この人は私を大切にしてくれない)と少しでも感じると自分を守るために離れようとする。
もしくは、親からの期待が高い家庭環境で育ったため、パートナーの意見に反論することができない。つい、まわりの人間を甘やかしてしまう。
ぼくも過去の恋愛を振り返ると、相手に素直に反論できず、つい甘やかしてしまうことが何度もありました。
その結果、こちらが疲れて、関係を続けることが嫌になってしまうんですよね。
それから、職場で論理的な思考を多く求められるため、妻に対してもロジカルに追い詰めてしまうなんて話も何度も聞きました。
海に流れる水がさまざまな場所から流れ込むように、ぼくらの「感情」という海にもいろいろな場所から水が入り込んでくるんです。
これを自分で知れるとすごく楽になります。
ああ、自分はこういう理由でこういう気持ちになっていたのか。そう思えると論理的にも納得しやすく、また情緒的にも自分にやさしくなれますよね。
夫という「個人」を攻撃するのではなく、自分の心をゆさぶったその人の「態度」に焦点をあわせられるんです。
すると、(この人が嫌い)ではなく、(この人のこういう態度が寂しさや悲しさや怒りを引き起こした)と感じられるようになります。
ここまでくれば、無意識に相手を攻撃することも、本能的に避けようとすることもなくなるはず。
次は、実際にあなたのニーズを夫に伝えるアクションです。
ここで大事なことは「ニーズの明確化」と「自分への思いやり」の二つです。
あなたが必要としていることはなに?
夫に気持ちを伝える時って、(わかってくれるはず)という気持ちが前に出過ぎてしまい、具体的な要望を伝えられないことが多いですよね。
ただ黙って話を聞いてほしいのか、なぐさめてほしいのか、自分という人間をやさしく受け止めてほしいのか、それとも、自分が大切にする領域に入らないでほしいのか。
「わたしはこう感じている」と伝えると同時に、あなたにこうしてほしいと明確なニーズを伝える必要があります。
だけど、これが抜けることが本当に多い。多くの夫婦がネガティブな感情であふれる海にみずから飛び込んでいく。
なぜか?
そんな簡単なことじゃないんですよね。自分のニーズをつかむことはできても、それを相手に伝えるときは怖さも感じますから。
受け止めてくれなかったらどうしよう。否定されたらどうしよう。そうなったら耐えられそうにない……!
そんな感情におぼれそうになる。
そのときにあなたを助けてくれるのが「自分への思いやり(セルフ・コンパッション)」です。
恐怖を感じるのは当然だよ。自分を受け止めてもらえないことは本当に怖いよね。だけど、あなたが夫にそのニーズを求めることは間違ってないよ。それは正当なことなんだ。自分なんて……と思う理由はひとつもない。あなたは、あなたのニーズを夫に伝えていいんだ。そこは自信を持っていいんだからね。
と、自分に対して慈悲の気持ちを向けるんです。これは人によっては難しく、トレーニングが必要になるなと感じてます。
ぼくは東京成徳大学大学院の石村先生が代表をつとめるプラスワンラボでトレーニングを受けました。(今度は教える側になるためのトレーニングを受けます)
「自分への思いやり」に慣れることができれば、自信を持って「明確なニーズ」を伝えられるようになります。
ここまでくれば、夫への違和感や不満でいっぱいだったあなたの心も、栓を抜いたようにすっきりするはず。
個人的には自分への思いやり(セルフ・コンパッション)が鍵だなと感じてます。
少しでも参考になれば幸いです。
この話はこちらの本の内容にぼくの意見をミックスさせたものとなります。自分の感情の整理にかなり役立つ本です。