負けた気がして妻に謝れないあなたへ
妻が怒っている。
なぜ怒っているのかはわかるが、どうしても謝る気になれない。
ここは自分が折れる場面なんだろう。だけど、すんなりと納得できない。
なんだか妻に負けた気がして、素直に謝れない。
謝らなければ妻は恨み続けるだろう。
もう同じ家の中にいない方がいいのかもしれない。
顔を合わさずに暮らした方が、お互いにとって幸せなのかもしれない。
そんなことを思ったことはないでしょうか?
謝らなければいけない場面でなぜ謝れないのか?
関係がさらに悪くなるとわかっていながら、なぜ妻の気持ちに寄り添えないのか?
そんな男性心理を詳しく深掘りしていこうと思います。
◇
夫婦喧嘩になったとき、ぼくは不貞腐れたように「わかったよ」と言い放ち、かえって関係が悪化したことが何度もありました。
「わかったよ」「悪かったよ」
言葉だけ見れば、妻に寄り添っているように見えますが、イライラしながら発するその言葉がぼくらの関係をよくすることはありませんでした。
他の男性からも同じような話を何度も聞きます。
謝らないといけないのはわかっているけど、なんだか負けた気がして謝れない。
その煮え切らない態度がより妻を苛立たせることがわかっているけど、本能的に素直になることができない。
ぼくら男性は、この感情を自分でもうまくコントロールできていなんです。
ただ、この課題の原因ははっきりしています。
妻に謝るということは、妻の心に寄り添うことを意味します。
夫が子どもの面倒を見てくれなくて大変だった。
家族が病気のときに看病してくれなくて大変だった。
あなたがいつも家にいなくて大変だった。
そんな妻の気持ちに対して、「そうだったんだね。それは申し訳なかった。君の気持ちに俺は全然気がついていなかったよ」と寄り添うことを意味します。
それができないのはなぜなのか?
それは、自分もまた、妻から寄り添われていないと感じるからです。
なぜ、自分ばかり?
妻が大変なのはわかるが、何もかも合わせることはできないし、それに仕事も家事も育児も妻の心理的ケアもするって、俺の方が圧倒的に負担が大きいじゃないか?
なぜ、気づかいをされていないのに、俺だけしなければいけないんだ?不公平じゃないか?
多くの男性はそう感じています。ぼくもそう思っていたことがありました。
これは夫婦間のギブ&テイクのバランスの悪さでもあるし、怒りという二次感情を表現してしまうがために、お互いに素直になれないということでもあります。
ギブ&テイクをうまくバランスさせることと、夫婦がお互いに柔らかな一次感情を表現することが解決策ではあると思うのですが、ぼくが現場レベルで思うことは、ちょっと違ったものです。
◇
相手のギブに注目しよう。パートナーが怒りという二次感情を爆発させていても、こちらは柔らかな一次感情の表現を意識しよう。
そう言われても、怒れるパートナーを前にしてうまくできる人はそうそういません。
こういうったシチュエーションでうまくできる人には、二つの特徴がありました。
一つはアンガーマネージメントができること。
実際にセミナーに出てアンガーマネージメントを学んだ方もいました。ぼくはアンガーマネージメントを学んだわけではないので詳しくないですが、怒りという二次感情をコントロールすることで、自分自身の柔らかな一次感情にアクセスしやすくなるんだと思います。
もう一つは、「自分から始める」という覚悟を持つことです。
精神論に近いですが、ぼくはこれが効果があると思っています。ぼく自身もそうしてきました。
なにを始めるのか?
パートナーへのケアです。パートナーへのケアというマインドを持つことです。
「夫婦なんだから愛し合うための努力なんて必要ないでしょ?そんなもの不自然だ」
そう思う方は多いですが、恋愛ホルモンがとっくに切れ、出産という大きな山を登った夫婦は努力しないといい関係は作れないんです。
相手から愛されていないから、自分も愛さない。
相手から大切にされていないから、自分も相手を大切に扱わない。
あなたがそう感じたとしても、本当にあなたの妻があなたを愛していないとは限らず、あなたを大切にしたくないと思っているとは限りません。
忙しい毎日のなかで心に余裕をなくし、夫を気づかう精神的ゆとりなんてない。むしろ、こちらこそ大切にして欲しい。
妻のファイティングポーズの背景には、そういった感情があるかもしれません。
そうであるならば、「愛されないから愛さない」なんて子どもの言い訳でしかないと思うんです。
あなたが愛されていないと感じるならば、あなたの妻もまた愛されていないと感じているはずです。
ならば、あなたが愛せばいいだけです。あなたが妻を大切に扱えばいいだけなんです。
あなたから始めるんです。
最初は妻の反応は悪いはずです。
今さらなにやってるの?私の生活を壊さないで。余計なことしないで。そう感じているはずです。
あなたはそんな妻の態度を見て、(やっぱり、俺が家庭に深く入らない方がいいんだな)と感じ、妻へのケアをやめようと思うでしょう。
ですが、その妻の態度は「夫を恨むことで成り立っていたアインデンティティの崩壊」への恐れから生まれているんです。
すぐには妻の態度は変わらないでしょう。年単位であなたは妻の言動に一喜一憂するでしょう。
ですが、「妻のケア」の目的は妻からの愛情のお返しではなく、妻の幸せのはずです。
もちろん夫婦のギブ&テイクは大切ですが、妻への気づかいの目的が妻から愛されることやセックスであったりしたならば、それは簡単に妻に見透かされてしまいます。
「妻のことが大切だから、妻をケアする」
ただそれだけです。
そのマインドセットを忘れなければ、あなたの妻があなたを見る目が変わっていき、あなたも妻に対して柔らかな気持ちを共有しやすくなっていきます。
あなたが妻から愛されるようになるのは、それからです。
それまでは、「妻のことが大切だから、妻をケアする」というマインドセットを忘れずに、自分から始めることを意識してみることをおすすめします。
夫婦に勝ったも負けたもなく、相手を大切に扱うと決めるか決めないか、ただそれだけなんじゃないのかなと、ぼくは思っています。
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