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「離婚シミュレーション」で夫のモラハラをやめさせた話。
「ドアをバンッ!と強く閉めたり、家事しながら大きな音を出したり、子どもを怒鳴ったり」
「そんな夫が変わったんです。モラハラがなくなったんです」
ついこないだ、そんな話をある女性から聞いたんです。
夫のモラハラ、DV、フキハラ(不機嫌ハラスメント)に悩んでいる。そんな方には参考になると思います。
※記事化にあたりご本人から許可をいただきましたが、ところどころボカしながら書きます。
何が起こっていたのか?
その方(仮にAさんとします)の夫は家事をしながら大きな音を出したり、ドアを勢いよく閉めたりといわゆるフキハラと呼ばれる行為をおこなっていました。
また、宿題をなかなかやらないお子さんに対して怒鳴り散らすといった子どもへのモラハラもあったそうです。
Aさんとしては、大切な子どもがひどい扱いを受けると自分の心が痛むため、かなりしんどい思いをされていました。
なんとか夫のモラハラ&フキハラをやめさせたいと思ったAさんはある行動にでます。
それは、モラハラ加害者当事者の会GADHAのホームページにある「加害の定義」を読み上げたのです。
男は「男性の論理的な説明」には納得しやすい。
それがこちら。
ちょっと長いけど引用しますね。
加害やDVは物理的な暴力だけを意味しません。DVとは「支配-服従の関係」を作り出すことです。物理的な暴力は、「支配-服従の関係」を作り出すための手段です。
「支配-服従の関係」とは、
俺の望むように感じ、おれの望むように考え、俺の望むように振る舞え
そうしない場合、お前は間違っているから躾を与えてやる
という関係です。あなたは、
「おれを怒らせたお前が悪い」とか
「そんなことで怒るな/泣くな/落ち込むな」
「お前はバカ/愚か/グズだ」
などと言ったり、その怒りや相手の間違いを示すために物を投げたり、ドアを強く閉めたり、壁や机を殴ったり、パートナーを叩いたり、殴ったり、蹴ったり、顎を抑えたり、肩を押したり、わざと大きなため息をついたり、お金を渡さなかったり、無視をしたりしたことはありませんか?
物理的な暴力に限らず、「支配-服従の関係」を作るDVには、あらゆる手段が用いられます。モラルハラスメントは、言葉や不機嫌によるコントロールだと言えるでしょう。
さらに具体的なモラハラ加害の実例も書かれています。
・人の愚痴をその人の未熟さのせいにして責める(感情の共有の拒絶)
・机を叩く、物を投げる、扉を乱暴に閉める(物理的な威圧)
・体調不良や元気がない状態を許さない(いつも笑顔でいろというケアの強要)
・昔のことをいつまでも言うな(自分の責任を取れない、相手の感じ方の支配)
・長い期間口をきかない(不機嫌・罪悪感による支配)
・生活費を入れない、学費などを払わない(お金による支配)
加害の本質についても書かれています。「相手に自分の解釈を押し付けること」ですね。
愛するパートナーが関係を終わらせたいと思うほどの関わりが「大したことない」なら、あなたは大切な人を失うことを「大したことない」と言っていることになります。
そういう人には変容が不可能なので、大切な人を失うほかありません。
パートナーが「大したこと」だと思っているなら、それは「大したこと」なのです。あなたの感じ方は関係ありません。
あなたとパートナーは他人であり、違う人間です。あなたと同じように物を考え、自分自身で意思決定をすることができます。そう考えないことが、まさに加害の本質なのです。
かなり論理的ですよね。しかも、このGADHAを運営されている中川さんご自身が元モラハラ加害者なので説得感が強いです。
ちなみに、こないだ夫婦関係学ラジオに出ていただいたばかりです。
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Aさんが夫さんに加害の定義を読み上げている間、夫さんはとてもおとなしかったそうです。
そして、次の日から加害はなくなったそうです。ただ、完全にはなくならず、そのたびに加害の定義を読み上げたとか(4回ほど)。
それから、夫がモラハラする時には条件があったそうで、それが夫の疲労だったそうです。
疲れているなかでも、家事や育児をしないといけない。そう思っていた夫さんは無理をしてしまい、モラハラ的な言動が生まれてしまっていたそうです。
Aさんはそれがわかってからは、夫が疲れているときは無理に家のことはさせず、外に散歩に行かせたり、部屋にいるようにと伝えたそうです。
Aさんの夫さんは激昂するタイプではなかったですが、そうはいっても夫にモラハラを指摘するのって勇気が要りますよね。
そこでAさんが取った作戦は「離婚シミュレーション」でした。
なぜ、夫に立ち向かえたのか?
夫のモラハラがなくならない場合、どうなるのか?
一緒に暮らしたくないから離婚する。
離婚したらどうするのか?
実家に帰って生活費を抑えよう。都会だと保育園に入れないかもしれない。なら、保育園に入れる環境を作ろう。ネットで調べてみると、保育園に入れやすくなる職業があるようだぞ。ふむふむ、保育士、幼稚園教諭、看護師、保健師、助産師、准看護師か。
このうちのいくつかは通信教育でも取れそうだぞ。やってみよう!
そんな感じで、Aさんは0歳の赤子を片手に抱きながら資格を取り、離婚シミュレーションを練ったのです。
保育園に入れる準備は整ったAさんはスーツケースに離婚グッズ(実家に戻る時の荷物)を詰め込み、いつでも家を出られるように準備もしました。
収入が安定すればアパートやマンションも借りられるかもしれない。ちょっと実家近くで調べてみよう。ほうほう、この物件素敵!とテンションも上がってきます。
ここまでくるともう怖いものないですよね。いつでも安心して離婚できるから、夫にも立ち向かいやすくなります。
ちなみに他の女性の話だと、プログラマーもどこでも稼げるからおすすめだそうです。簿記を取っておくのもいいかも。会計士や税理士はどこでも稼げますし。
こんな感じに、とことん離婚シミュレーションをし、実際に行動(資格を取る、住むところを借り決めする)したそうです。
こういった行動によって何が起こるのか?
それはパワーバランスの逆転です。
パワーバランスをひっくり返す
一般的にモラハラ夫(Aさんの夫の話ではなく)は自分の妻が逃げられないことを知っています。子どもが生まれれば仕事を休みことになり収入が途絶えますよね。育休が明けても時短勤務の女性も多いです。
となると、妻が経済的に夫に依存することになるわけです。お金がなければどこにもいけないですから。
妻側もそこに気がついているけど見ないふりをしています。どうにもできないですからね。0歳児を抱えてフルパワーで働けないですから。
そこに「夫>妻」というパワーバランスが生まれるんです。お金の話だけじゃなくて、経済力のバランスが二人の関係性にも影響を与えることもあります。
だから、「ナメた態度を取ってるな」と感じる言動を夫が取りやすくなります。
だけど、自分(妻)が、経済的になんとかなる目処がついたら、パワーバランスのかたよりなんて気にならなくなりますよね。
Aさんの具体的かつ現実的な計画が、いざ(離婚)というときの勇気をくれたのだと思います。
「いつ離婚してもいいんだよ。あなたはどうする?(モラハラやめる?)」
と、パワーバランスの転換ができた。
夫が激昂するからモラハラを指摘できないというケースも多いと思います。そんな時はいつでも自立できるようしたたかに準備し、その上で関係性の調整に立ち向かうのがいいかもしれません。
***
パートナーがモラハラに気がついたエピソードを募集しています。noteで書かれている方はリンクを、書かれていない方はXのDMをいただけると助かります。男女ともに募集しています。
【男性向け】
— アツ/鶴田敦彦 (@atsuatsu) December 6, 2024
「妻」からのモラハラがなくなった方がいれば経緯を教えていただけますか?DMでも大丈夫です。
「モラハラが変わるきっかけ」を調べ、家庭からモラハラをなくしたいです!
賛同いただける方はシェアしていただけるとものすごく助かります🙇
#モラハラ #DV #夫婦 #モラハッと
Xをやられていない方はこちらのお問い合わせフォームからお送りください。
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モラハラ問題は「当事者が変わりたいと思うきっかけ作り」が難しいんですよね。そこを突破できる体験談を集めたいなと思っています。
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