なぜ、夫は妻の話を否定するのか?男目線で考えてみた。
「北野唯我(きたのゆいが)さんの転職の思考法って本知ってる?」
ある日、妻がそんなことを聞いてきた。
お昼ご飯のお皿を洗いながら、ぼくは(そういえば、Voicyでその人のラジオ聴いてるな)と思い出しながら「あぁ、聞いたことあるよ」と答えた。
「Voicyの話も面白いし、仕事でもちょっと悩んでるから買ってみようかな」
妻がそう言ったとたん、ぼくの中にむくむくと灰色と黒色がまだらに混ざった決して綺麗とは言えない感情が湧き上がり
気がついたら「ふぅん」と、そっけない返事を返していた。
後日、妻はその本を読んだあと、「なんか、思ってたのと違ったわ」とぼくに伝えた。
その瞬間、ぼくはなぜか安堵感を感じていた。
自分でも好きになれないこの一連の感情はどこからきたんだろう?
そんなことに悩んでいたら、こちらの記事に出会って、ちょっとだけ自分の心を分析できた気がした。
なぜ、ぼくら夫は妻の会話を否定してしまうのか?
この行動や感情はどこからくるんだろう?
今日はそんなことを考えてみたいと思います。
相手を否定することに気がつけない男たちのコミュニケーション
ぼくはたびたび妻の言葉や感情を否定してしまった経験があるんですが、ほとんどのケースはぼくに自覚がないんですよね。
(そんなことを思っていたんだ...)という驚きを、いつも妻からの告白で感じていました。
たぶん、ぼくは妻から「これを言われて嫌だった」と言われなければ、ほとんどの場合気づけなかったと思うんです。
なんでだろうと考えてみたんですが、たぶんこれって、男同士のコミュニケーションに特有のものかもしれないなって思うんです。
男性同士の仕事でのコミュニケーションって、けっこう思っていることをそのままズバリ言ってしまうことが多いんですよね。
「それって違うんじゃない」
「常識で考えたら違うだろ」
「いや、そうじゃなくてこっちだね」
など、相手の意見がちょっとでも違うなと思ったら、あまり遠慮なくズバッと、しかもそれが相手にどういう影響を与えるかをあまり考えずに言ってしまうことが多いと思うんです。
呉服屋で働いているときって、あまりこういうことがなくて、相手の意見が違うかもなぁと思った時は、笑いに変えて自分の意見を伝えていたり、すごく言葉を選びながら相手にメッセージを伝えてたんですね。
しかも、上司から部下に対してもそういう感じだったんです。
でも、いわゆるサラリーマン企業って、そういうことやってる人、ほとんどいないんですよね。
みんな冷たいなーと思って、数年間はなかなか慣れることができませんでした。あまりに慣れなくて最初の会社はクビになってしまったし。
そんな感じなので、男同士のコミュニケーションには「相手の感情を大切にする」という習慣がないような気がしているんです。
相手が本当はどう思っているかは関係なくて、とりあえず言葉だけでもこっちに同調してくれればそれでいいという感覚を持っている人も多いなと感じています。
今はぼくもすっかり(そんなもんか)と慣れてしまいましたが、心の優しい人は結構心を壊してしまって、数ヶ月や人によっては数年も休職してしまった人を何人も見てきました。
男性同士のタフなコミュニケーションが好きな人は、こういった人たちの背景を理解できないと思うんですよね。
それって、夫が「妻の言葉や感情の背景」を理解できないのとちょっと似ていると思うんです。
自分の感情を表に出さずに、一般論で語ろうとしがちな男のコミュニケーション
それと、自分の感情を外に出さない男性って本当に多いです。
(これがいい)と本当は思っていても言わないんですよね。
なんだかんだ理由つけて否定しようとしたり、なんだか相手を否定することで自分の自尊心を保とうとしているように感じることもあります。
これって、サラリーマン社会では、立場が上の人が下の人に対して行うことが多い気がしています。
たぶん、みんな自分に自信がないんだと思うんですよね。社内で褒められることもないし、子ども時代もきっと褒められて育ってない世代だし、自尊心が元々高く設定されてないのかなって思うことがあります。
会社で活躍して脚光を浴びる人は本当にごく一部ですから、「誰かをおとしいれる時」だけが唯一自分の自尊心を感じることができる瞬間なのかもしれません。
呉服屋からサラリーマン企業に転職してからは、そういう場面をよく見かけるようになりました。
呉服屋のようなサービス業って、人の感情を扱うので自分の感情にも相手の感情にも敏感になるんですよね。逆に、人の感情に鈍感な人は成績がパッとしない人が多かったです。
でも、サラリーマン企業に転職してからは、人の感情に敏感になりすぎるとめっちゃ疲れることが分かりました。なぜなら、ほとんどの人はそんなこと考えてないので、自分の都合や勝手な感情をガンガンぶつけてくるんですよね。
人の感情に鈍感な人が多いし、相手を動かそうとして「一般論」を振りかざす人も多いです。そして、なぜか男性は「一般論」や「常識」に弱くて、それを言われると自分の意見を言いづらくなってしまうんですよね。
そんなわけなので、サラリーマン社会というか男性社会では、相手の感情を考えようとすると、こっちが潰されてしまうわけで、本当に転職して数年は苦労していました。
自分の妻が他の男を話題にする劣等感
あと、妻が「自分(夫)よりも優秀な人を尊敬している時」に劣等感を感じる人って多いと思うんです。
なぜなら、育ってきた家庭でも働いている社会でも自尊心が低く設定されているので、家庭の中でちょっとでも「自分で自分を低く見てしまった」時は、一気に劣等感を感じてしまうんですよね。
冒頭のぼくの妻の「北野 唯我(きたのゆいが)」さんの話もまさにそうです。(ぼくの人間性があまりにちっさくて本当に嫌になりますが、彼がちょっと爽やかイケメン風なのもモヤモヤの原因の一つだったかも)
ぼくは自分ではそんなに自尊心が低くはないと思ってはいるのですが、それでも妻が「自分以外の優秀な男性」の話をするときは、実はかなりモヤモヤしています。
妻に気がつかれないように、必死に平静をよそおってますが、たぶんぼくの違和感には気がついているんじゃないかなって思います。
それを考えるとちょっと恥ずかしいですが、でも、どうしても条件反射のように劣等感を感じてしまうんですよね。
しかも、これって同性の話だけじゃなくて、異性でもたまにあるんです。
確か2年くらい前に、ワーママはるさんのVoicyをぼくが聴き始めて、そのうち妻も聴き始めたのですが、妻がすっかりハマってしまって、ずっとワーママはるさんの話ばかりしているんですね。
(この回がぼくにとっては神回です)
(このnoteも神回でした)
その頃はワーママはるさんのことをぼくはよく分かってなくて、(怪しいインフルエンサーで、よく分からん健康グッズやらアフィリエイトやら妻が買わされたらどうしよう)と、今となってはまったく見当違いのことも考えたりしてたんです。
実際はそんなことはなくて、子育て中の夫婦にはめちゃくちゃ役立つ発信ばかりだったんですが(失礼ながらいつになったら怪しいアフィリエイト商材を売り出すのかと思っていたら、一向にそんなことをしないので逆にびっくりしました)、たぶん、ぼくはワーママはるさんに嫉妬していたんですよね。
会社員としても高収入を得ているにも関わらず、復業もしてさらに収入を増やしている。
Voicyでの発信活動は順調で、しかもその内容はめちゃめちゃ役立つことばかり、怪しいアフィリエイトを売るインフルエンサーでもないので、非の打ち所がないと感じてしまう。
たぶん、ぼくがこうなりたいと思う姿に近いからこそ、嫉妬してしまったんだと思います。
ある日の夜、ぼくが否定的なことばかりを言って妻を泣かせてしまったとき、ぼくはやっと自分の感情に気がつきました。
(あぁ、ぼくは嫉妬していたんだ)と。
その嫉妬を分解し、自分を前へと向かわせるエネルギーにできればよかったのですが、当時はそこに考えが及びませんでした。
嫉妬という感情をどう扱うかはこの回がおすすめです。
ちなみに、妻が同じVoicyパーソナリティの「ちきりんさん」や「ひうらさとるさん」の話をするときは、まったく嫉妬心を感じないんですよね。
これって、やっぱり「こうなりたいと願う理想像」を持っている存在に妻が尊敬の目を向けるときに、嫉妬心が生まれるんだと思います。
そして、妻が(いいな)と思う存在が異性だったときには、その存在が自分にとっても「憧れる存在」であるならば、さらに強い嫉妬心を感じるんですよね。
妻ともめないためには、この嫉妬心の存在に気がついて、それを自分にとって前向きなエネルギーに変えることがやっぱり大事なんだと思います。
でも、なんだかんだ言って、ぼくがこの嫉妬心を手放すことができるようになったきっかけは、妻がぼくのnoteを毎回読んでくれていて「あんた、いいこと書いてるわー」とか「あたしはあんたのファン一号だからね」などと言ってくれるようになってからのような気がしています。
やっぱり、妻に認めてもらえるって嬉しいんですよね。なんだかんだ言っても。
夫婦関係に悩む方の参考に少しでもなれば幸いです。
この話題について、妻と一緒にpodcastで話しています。よろしければこちらも合わせてどうぞ。
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