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夫婦関係は等価交換?夫婦が本当に投げ合っているモノとは?
男が稼いで帰ってきたら、女は文句を言ってはいけない。
片方がボールを投げたなら、もう片方もボールを投げるべきだ。
夫婦関係とは等価交換なのだから。
そんなポストがXをにぎわせていましたね。
男「世の中は等価交換だ、男が金払ったら女はその分価値を出せ、これが対等な関係だ」
— ちょめ子 (@chome2xx) May 7, 2024
女「令和に生きてて大丈夫?生きづらそう」
pic.twitter.com/7cEnTLVUX5
何かを与えたら与え返さなくてはいけない。それは男女関係における真理なのでしょうか?
確かに与えてばかりでなにも返ってこないのであれば、関係性を続けることは嫌になるかもしれませんね。
でも、なぜそう感じるのでしょうか?
なぜ、パートナーに愛を与え続けることに「同等の見返り」を求めるのでしょうか?
そこには、夫婦をドライブさせるものがなんなのか、という視点がスッポリと抜け落ちているように見えるのです。
深く暗い洞窟にさまよいこんだ夫婦が、日の当たる世界へと抜け出すためにはどうすればいいのか?
そのためには、夫婦を動かすモノはなにかを知る必要があると、ぼくは思っています。
◇
「夫婦関係は等価交換」という思想の裏にあるもの、それは夫婦がお互いに投げ合っているボールが資源であるという点です。
お金、家事育児にかける労力、不満を飲み込む労力、相手をいたわる労力、奉仕としてのセックス。
夫婦がこれらをシステマティックに交換できるのであれば、夫婦関係における等価交換は成り立ちますよね。
男が稼いでくる「代わり」に、女は家事、育児、セックスを提供する。
だけど、現実はどうでしょう?そんなことをして、うまくいってる夫婦なんているのでしょうか?
等価交換が機能せず、相手に交換要求を押し付ける人ばかりですよね。少なくともXにはそんな身勝手な投稿があふれています。
なぜ、夫婦間の等価交換は機能しないのか?それは、果たせぬ理想でしかないのか?
いや、そうではなく、夫婦を動かすモノのかけ違いが原因です。
夫婦がお互いに投げ合っているものは、確かに資源に見えます。
家事、育児、いたわり、セックス。
これらが資源であるならば、どれも値段付けと外注が可能になります。
時給1,000円の家事代行やベビーシッター、恋人気分が味わえるレンタル彼氏やレンタル彼女、性欲処理を手軽に行える風俗やパパ活。
お金を出せばどれも手に入ります。
では、そういった外注可能な資源が夫婦をドライブさせるのでしょうか?
ぼくにはそう思えません。「夫婦間の等価交換」を主張する人はあとを絶ちませんが、資源理論は破綻しているとぼくは思っています。
あなたが本当に求めているものは、カビ臭いソープランドで過ごす50分間なのか?お金だけが欲しい20代の女の子との肉体的親密性なのか?
あなたが本当に求めているものは、文句を言わない代わりにあたたかな思いやりを向けてくれない妻なのか?
いずれでもないのではないでしょうか?
「今日もおつかれさま、大丈夫?疲れてない?」と自然と声をかけ合えるぬくもりのある会話。
ちょっとしたことでも「ありがとうね」と、自然と湧き起こる感謝を伝え合える情緒的な豊かさ。
お互いの性的欲求や願望を素直に伝え合え、相手をいたわりながらおこなえる肉体的親密性。
そういったものではないでしょう?
そこには冷たい温度をまとった「資源」が入り込む隙は存在しません。
なぜなのか?
それは、夫婦関係を良好な状態へとドライブさせるものが「資源」ではなく「愛」だからです。
「愛なんて曖昧すぎてよくわからない」という人もいるでしょう。
だからこそ、ぼくらは愛をきちんと定義付けしないといけないんです。
そのためにはダライ・ラマ14世の言葉が参考になるはず。
彼は、コンパッション(思いやりや慈悲と訳され、心理学会で注目されている概念)をこう表現しました。
「自分や他者が苦しんでいることに気づき、それを積極的に和らげようとすること」
愛はこれに近い概念だとぼくは思っています。
愛情あふれるカップルが、パートナーの苦しみを取り除こうとするとき、そこに見返りを求めることはない。
なぜなら、心から湧き起こる素直な反応だからです。反応は見返りを求めて発生しませんよね。反射的に自然と生まれてきます。
その裏にはオキシトシンというホルモン(幸せホルモンと呼ばれ、目の前の人間を無条件に信用する効果がある)が関わっています。
どうすれば、オキシトシンを発生させ、夫婦がお互いに「愛し合える」関係になれるのか?
ぼくはコンパッションを学ぶのが手っ取り早いと思います。慈悲の心が夫婦間における思いやりにつながるからです。
コンパッション専門家である東京成徳大学大学院 石村郁夫先生へのインタビュー回のリンクを貼ります。こちらがきっと参考になるはず。
夫婦がお互いに投げ合うボールは資源ではなく愛である。
そして、夫婦間の愛は2人にしか生まれ得ないものであり外注不可なものである。
愛の発生にはオキシトシンが絡んでおり、コンパッションを学び習得するすることが、夫婦間の愛の発生には有効。
それを知るだけでも、薄暗く出口の見えない夫婦関係の悩みから抜け出しやすくなると思っています。
少しでも参考になれば幸いです。
この話は昨日のアツの夫婦関係学ラジオショートでもお話ししています。noteとは少し内容が違うので、通勤や家事のお供にぜひ聴かれてみてください。
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