父親の育休取得は、父親の関わり次第で夫婦関係を良くもすれば悪化もさせる。
こんにちは。
今日は、男性の育休推進国と呼ばれる北欧の父親の育休取得が、夫婦関係にどういう影響を及ぼしたのか?
日本の場合は、男性の育休取得が夫婦関係にどういう影響を及ぼしたのか?
そして、コロナ以降の世界では、夫婦関係がどのように変化していくのか、みてみようと思います。
父親の育休取得推進により、離婚率が6%下がったアイスランド
父親の育休取得が盛んな北欧では、父親の育休取得が離婚率にどういう影響を与えたのか、詳しく調べたデータがあります。(出典:「家族の幸せ」の経済学 データ分析でわかった結婚、出産、子育ての真実)
アイスランドでは、父親の育児参加を促すために、父親だけが取ることができる1ヶ月の育休を2001年に導入し、その後、少しずつ育休期間を伸ばしていきました。(2002年に2ヶ月、2003年には3ヶ月)
父親への育児給付金は、普段の給料の80%分です。日本も同じくらいですね。(手取りで計算すると60%ですが)
父親の育休制度が出来上がる約20年前まで、アイスランドの育休取得日数に占める男性の割合は3%程度でしたが、制度設立から4年後の2005年には、育休日数の3分の1を男性が占めるまでになりました。
さて、それほどまでに父親の育児参加が熱心なアイスランドですが、父親の育休取得によって、夫婦関係はどのように変わったのでしょうか?
参考にした本から一部抜粋しますね。
制度変更直前に子どもが生まれた夫婦は、出産5年後時点での離婚率が23%でした。
一方、制度変直後に子どもが生まれた夫婦は、出産5年後時点での離婚率が17%にとどまりました。
出産10年後時点で見ても、育休改革により、離婚率が33%から29%に下がっています。
この結果は、育休改革にともなうお父さんの育休取得が、夫婦関係の安定につながったことを示しています。
(出典:「家族の幸せ」の経済学 データ分析でわかった結婚、出産、子育ての真実)
出産5年後でのデータでは、離婚率が23%から17%まで下がり、出産10年後でのデータでは、33%から29%にまで離婚率が下がっています。
これはアイスランドにおいては、父親の育休取得、そして育児への参加が、離婚率の減少に影響している証拠と言えますね。
ちなみに、アイスランドの育休制度は日本と違っていて、父親だけが取れる育休が3ヶ月、母親だけが取れる育休が3ヶ月、両親のどちらでも取れる育休が3ヶ月間、用意されています。
そして、父親限定の育休期間である3ヶ月は、母親に譲ることができない仕組みになっています。
父親が育休を取得しない場合は、その3ヶ月間は消えてしまうことになります。(給料の80%にあたる給付金ももらえない)
母親だけの育休が6ヶ月というのは、日本よりもだいぶ少ないですね。
育休が半年だけでは、母親に負担がかかってしまうので、父親の育児参加が必要になり、そうすることでプラス3ヶ月間の育休を取ることができる。
そして、給付金もしっかり出るなら、育休を取得する父親も確かに増えそうですね。
ぼく自身、三男が生まれた時に、3ヶ月間の育休を取り、家事育児にがっつり関わり、妻と同じ目線を持つことができるようになりましたが、この経験が、ぼくら夫婦の絆を強くしてくれたなと、本当に思います。
ただ、一方で、父親の育休取得によって、夫婦関係が悪化した(離婚率が上昇)国もあります。
それがスウェーデンです。
父親の育休取得率上昇により、離婚率が1%上がったスウェーデン
スウェーデンでは、1995年に育休改革が起こり、父親の育休取得率は大きく上がったのですが、なぜか離婚率が上昇してしまいました。
育休改革直前に子どもが生まれた夫婦が、出産後3年以内に離婚する確率は12%でしたが、直後に子どもが生まれた夫婦については13%と高くなっています。これは育休改革によって離婚が1%ポイント増えたことになります。
一方で、5年以内の離婚率で見ると大きな差はありません。したがって、出産5年後には離婚していたであろう夫婦の一部について、離婚までの期間が3年以内に前倒しされたと見なすことができます。
論文の著者らは、いずれ離婚する夫婦の離婚時期が早まったのであり、育休改革が離婚件数そのものを増やしたわけではないという解釈をしています。(出典:「家族の幸せ」の経済学 データ分析でわかった結婚、出産、子育ての真実)
これは、新しい問題だなとぼくは思っていて、コロナ離婚でも同じことが言えます。
普段はあまり一緒にいないがために、お互いの欠点にそこまで気がつかなかったのが、夫の育休によって強制的に夫婦で一緒にいる時間が増え、「夫婦が一緒にいること」で離婚時期が早まってしまった。
妻のため、子どものための育休が、夫婦の関係を壊すことになるとは皮肉なものです。
でも、この問題、ぼくの周りでも起きていて、夫が育休を取ったはいいけど、かなりのモラハラ男で、家事も育児もほとんどやらず、寝てばっかりだったり、自分のことしかやらなかったり、家族の食事も作ってくれないという、とんでもない奴がいるんです。
育休を取る男性は、妻のため、子どもために取るのだと思っていましたが、そんな人ばかりではなく、自分の楽しみのために、文字通り「休暇」のつもりの人間がいるんですよね。
たまにTwitterで「育休を取った夫がフットサルばかり行っている」なんてのを見かけますが、まさか本当にそんな人間がいるとは驚きです。
そんなモラ田ハラ男(モラダハラオ)とは、さっさと離婚した方がいいとは思うのですが、子どもが生まれたばかりだと働けないので、経済的に苦しくて、モラハラ夫に経済的に依存してしまいがちです。
それに、復職しても、保育園があるので、時短勤務になり、収入が減ってしまう人も多いです。
日本は、離婚した妻と子どもに養育費を払わない男が多いですし。
子を持つ女性が離婚したいと思ったら、気兼ねなく簡単に離婚できる世の中になって欲しいですね。
日本の父親の育休取得率上昇と離婚率低下の関連性
では、男性の育休が少しづつ増えている日本での、男性の育休取得と離婚率に関する関連性はどうでしょうか?
データがないか調べてみましたが、まだ男性の育休取得数自体が少ないため、有益なデータは見つかりませんでした。
現状存在するデータから読み取れることはないか、考えてみようかと思います。
出典:厚生労働省
男性の育休取得は、毎年ちょっとずつ増えていき、平成30年度は6.16%でした。
ただ、取得日数は1ヶ月以下が83.1%と、育休を取るのはいいけど、取得日数が極端に少ないのが特徴です。
出典:厚生労働省
1ヶ月では、妻の体はまだまだ産前の状態には戻りません。
家の中での仕事を一人で回せるようになるには、1ヶ月間というのは、あまりに短すぎます。
オフィスワークの場合、仕事の引き継ぎ期間が1ヶ月というのは、まあまあある方ですが、それでも前任者からの的確な引き継ぎを受けることができます。
ですが、家庭内の仕事の場合、妻は出産によって体はダメージを受けており、手取り足取り引き継ぎを夫にすることができません。
それに、人によっては、「家事」でこんなに丁寧に教えてあげないといけないわけ?教える手間がかかるから、私がやった方がいい!
と、思う人もいるでしょう。
妻のこういった感情を払拭できるほどのスキルまで家事力を高めるには、1ヶ月ではとても間に合いません。
妻のマインドを「私がやった方がいい!」から「あら?意外にできるじゃない」と思われるまで持っていくにも時間がかかります。
では、次に日本の離婚率の推移をみてみましょう。
出典:厚生労働省
2003年から日本の離婚率は減少しています。
男性の育休取得率も、2003年頃からちょっとずつ増えていますが、関連性を結びつけるにはちょっと根拠が弱いかなと思います。
男性の育休取得率自体が少ないですから。
では、離婚率はなぜ2003年から極端に減ったのでしょうか?
景気に左右される離婚率(参考:日経平均株価)
この図は、1991年から2020年までの日経平均株価の推移を表したものです。
2003年から株価が上昇していますよね?
ちょうど、離婚率が下がった時期と重なります。
さらに、2008年から日経平均株価は下がるのですが、離婚率もそのタイミングで緩やかに上昇しています。
日本の離婚率は、日経平均株価指数に連動しているんです。
景気が悪くなれば離婚率も上がるというわけですね。
離婚率低下のために必要な3つの要素(金、相性、育児)
身もふたもない言い方をすれば、男が妻から離婚されないためには、以下の3つのものが必要だと考えられます。
・金
・妻との相性
・子育てへの積極的参加
景気が悪くなっても、収入が途絶えないようなリスクヘッジをし、普段から妻との関係性に注意をし、育休を取ったなら家事と育児に全力投球をする(フットサルは行かない)。
ということですかね。
コロナ以降は、パートナーとの相性と、父親による家事育児への積極的参画がさらに重要になる
コロナの影響でリモートワークが増え、夫婦の会話が増えた家庭が多いと思います。
これは妻との関係性を強化させる、かつてないチャンスです。
育休を取れなかった人でも、子育てに参加せざるを得ない状況ですし、せざるを得ないというか、ぜひ積極的に家事に育児にがっつり関わり、妻との関係性強化に務めた方がいいです。
妻にしかできなかった家事をできるようにしたり、二人で普段なかなか言えないことを言い合ったり、子供たちのこれからのことを話し合ったりすることもできます。
多分、今後2〜3年にかけて離婚率が上がると思います。あなたの身近な人でも、離婚をしたり、実質離婚に近い家庭内離婚状態になってしまう人も増えると思います。
人によっては望んでもいないのに、コロナによって夫婦が一緒にいる時間が増えているからです。
そういう家庭は、お互いに理解し合い、歩み寄る姿勢を見せないと離婚までの期間がギュッと圧縮されることになります。
逆に、妻との関係性強化に務め、子育てや家事にも積極的に関わることができれば、妻との関係性が強くなり、一緒に危機を乗り切ったことによる絆ができるはずです。
それでは、今日はこの辺で。
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