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ぼくら男が「妻への感謝や褒め言葉」を伝えられない二つの理由

「妻のことをキレイだなと思うんですが、なかなかそれを口にできないんです。」

「妻には感謝しているんですが、それを言葉にすると、なんだか嘘くさく感じるような気がして...本人には言えないんです」

そんな話を何人もの男性たちから聞いたことがある。

妻に対していただいているポジティブな感情を、彼らはどうしても口にすることができない。

”妻はいつもキレイだな、オシャレだな。いつも食事を作ってくれてありがたいな。いつも子どもの面倒を見てくれていて助かっているな。自分が仕事に専念できるのは妻のおかげだな”

そんなことを心では思っていても、彼らはその純粋な気持ちを妻に伝えることができない。

なぜ、できないのか?そして、どうすればできるようになるのか?

今日はこれらについて考えてみたいと思います。

妻をほめられない男たちの心理

「妻に気持ちを伝えてもなんの反応もないのが怖いんです。『今日もキレイだね』と言っても、たぶん妻もなんて言っていいか分からなくて困っちゃうと思うんです。
「妻にいつもやっている家事について『ありがとう』なんて言っても、(急になに言ってんの?この人だいじょうぶ?)なんて思われちゃうと思うんです。怪しまれると思うんです。

なぜ、妻を誉めたり感謝を伝えることができないのかというと、だいたいの場合、理由は二つことあることが多いんです。

一つ目は、「妻の反応が悪いことが怖い」

二つ目は、「急にこちらの態度が変わることに不信感を抱くのでは?」ということなんですね。

なんで、妻の反応が悪いことが怖いのかというと、自分が傷つくことが怖いんです。

妻に「キレイだね」とか「ありがとう」と伝えても、反応が薄いんじゃないのかとか、(たとえ恥ずかしがっているとしても)聞こえなかったかのように無視をされるんじゃないかとか、怖くなってしまうんですよね。

以前そんなことが一度でもあったならば、嫌になっちゃいますよね。

2つ目の「急にこちらの態度が変わることに不信感を抱くのでは?」ですが、いままで関係が悪かったのに急に妻に親切に対応しようとすると

(どうせこの人、夫婦関係を良くしようと思ってこんな思ってもいないこと言っているだけなんでしょ?)

とか

(どうせ、セックスレスをなんとかしたくて都合のいいこと言っているだけでしょ?その言葉の裏に下心があるのわたし知ってんだからね)

なんて、妻が思っているんじゃないかって怖くなってしまうんですよね。

ふたりの間にある心理的な距離が遠ければ遠いほど、相手がなにを考えているのか分かりにくいので、余計不安になってしまうんです。

ぼくも同じような経験をしたことがあるので、よく分かります。

でも、実際に妻への褒め言葉や感謝の気持ちを言葉にして伝えるようにすると、それとは違う結果が生まれるんですよね。

じゃあ、どうしたら妻への褒め言葉や感謝の言葉を言えるようになるかですが、「見返りを求めない」ことが大事なんじゃないかなって思っています。

夕焼けに映える富士山に見返りは求めない

ぼくが住んでいる地域は、空気が澄んでいる夕方は遠くに富士山が見えることがあるんですね。

神々しく堂々とそびえている富士山のシルエットって、とってもおごそかで綺麗なんです。

ぼくら家族はそれをみて、「見て!富士山だよ!キレイだねー!」とはしゃぐのですが、そのときってあたりまえですけど、富士山から「え、ほんと?わたしってキレイ?ありがとう」なんて褒め言葉を期待してないですよね。

それと似ているなって思うんです。

妻からの見返り(嬉しそうにしたりとか)を求めていて、それが得られない期待とギャップに苦しんでいるんだと思うんです。

キレイな景色を見てキレイだねって言ったり、美味しいご飯を食べて美味しいねって言ったりするように、妻にも「今日もキレイだね」と言えばいいと思うんです。

ただ、自分の心が動いたそのときに、心に浮かんだ言葉を口にすればいいと思うんです。

どう思われるかとか、いい反応が欲しいとかって、頭で考えてしまうからそうなってしまうんですが、心で感じたことを言葉にすればいいと思うんです。

だけど、問題は男性って「心で感じることができない」ことや、「心で感じたことをすぐに言葉にできない」ことだったりするんですよね。

自分の心に敏感になり、言葉にする訓練

これって訓練だと思うんです。

なぜなら、ぼくら30代40代の男性って、家庭や学校で「感情を表現すること」を抑制されて育った人が多いと思うからです。

「泣くな!」

「口答えするな!」

「言い訳するな!」

「黙れ!」

「言うこと聞け!」

そんな言葉を家庭や学校で聞かされてきた人って、たぶんぼくだけじゃないと思うんですね。

そんな人が、「さぁ、自分の心に素直になりましょう!」なんていきなり言われても、すぐにはできないと思うんです。

ちょっとずつ、ちょっとずつできるようになっていくと思うんです。

ぼくもいきなりはできませんでした。少しずつ自分の心を妻に伝えるようにしたら、妻も少しずつぼくの話を受け入れてくれるようになりました。

ある方とは、ZOOMで妻への感謝の言葉や褒め言葉を伝える訓練をしたことがあり、その方は以前よりはスムーズに言えるようになりました。

ぼくは呉服屋で働いているときに、毎朝先輩とお互いを順番に褒め合う「褒め褒めロープレ」というものをやっていたのですが、自分の心に浮かんだ感情に素直になるのにとても役立ったんですね。

(自分の心が動いた!)と思ったそのときに言葉にする訓練を続けることで、ちょっとずつ人は変われるのかなって思うんです。

あと、相手が自分を受け入れてくれる心理的安全性も大事だと思います。

どうしても、自分(もしくはパートナー)の感情に敏感になれない。自分がなにを感じているのか分からないという方は、臨床心理士のカウンセリングを受けてみることをおすすめします。

ぼくの知り合いのパートナーの方も、臨床心理士のセッションを受けることで自分の感情に敏感になり、そしてパートナーの自分への感情も受け入れられるようになっていきました。

夫婦関係に悩む方の参考になれば幸いです。

◇◇◇

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