ぼくが妻の悩みにあれこれ余計なアドバイスをしてしまう理由
「黙って聞いてくれればいいの。何も言わなくていいの」
妻の悩みを聞いていると、ついつい解決策を話してしまい、そんなことを言われるんです。
アドバイスを求めているんじゃなくて、溜まっている気持ちを整理させるために、ぼくに自分の気持ちをわかって欲しいだけなんだということは、ぼくもよくわかってはいるんです。
ですけど、ついつい言ってしまうんですよね。こうしようかとかああしようかとかって。
夫婦関係の相談者さんには「奥さんの話は黙って聞いてあげたほうがいいですよ」と言いながら、ぼくができてないことがあるんです。
わかっていてもできない。これは一体なんなんだろうと色々考えてみたんですが、こういうことなのかなという一つの答えが見えてきました。
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ぼくは女性と仕事をする機会が多いので、女性から仕事上の不満を聞く機会が多いんですね。
不満を出せば出すほど、彼女たちはすっきりして仕事に前向きになれるし、(話を聞いてくれた。自分のことをわかってくれた)という感覚を持ちやすくなるので、ぼくらの関係性の向上にもつながるんです。
妻との関係に悩む男性には「奥さんは話を聞いて欲しいのだから、余計なことは言わずにただ聞くだけのほうがいいですよ」と伝えることが多いんですね。
そして、実際にただ黙って話を聞いたことで、妻がどんどん話をしてくれるようになり、夫婦間のコミュニケーションが活発になっていくことがあります。
だけど、これが自分のことになると難しいんですよね……。
この記事で書いたような、日常のささいなことなら黙って聞いていられるんですよ。
だけど、子どもの世話が大変な話とか、家事が辛い話とか、そういった妻に負担がかかっている話を聞いていると、ついつい話の途中で口を挟んでしまうんですね。
こうすれば楽になれるんじゃないかとか、ぼくもこうしようかとか。具体的な行動をその場ですぐに伝えちゃうんですね。
でも、「そういうのはいいの。ただ、わかって欲しいだけだったからいいの」と言われてしまうんですね。
たぶん、タイミングの問題なんじゃないのかなって思うんです。その時は、黙って話を聞いて、ぼくがきちんと妻の心理状況と置かれた環境を理解する段階ってことなんだと思うんです。
具体的な行動や解決策の提案はその場では欲しくないんですよね。まずは、”自分(妻)のことを理解して欲しい”ということなんだと思うんです。
解決のための行動は、その次の日くらいでいいのかもしれません。ぼくが妻の気持ちを心から理解して、妻の気持ちが落ち着いた頃で。
”わかってもらえてない”という寂しさを解消しない限り、次のステージ(問題の解決)に行けないってことだと思うんです。
この記事を書きながら、やっとそこまでは理解できてきました。
次は、なぜぼくは妻の話を聞いている最中に、その場では早すぎる解決策の提示をしてしまうのかですが、これはなんとなく原因がわかるんです。
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仕事ではそれはしない。相談者さんへのアドバイスでは「ただ話を聞くだけでいい」と言える。だけど、ぼく自身ができない。
ぼくが、自分の妻に対してはそれができない。
それは、相手がぼくの妻だからなんです。
情緒的な関係性の浅い同僚ではなく、相談者さんの妻ではなく、ぼくの妻だからなんです。
目の前にいる妻が困っている。
辛いことがあって困って泣いている。
ぼくにとって、もっとも大切な人が困っているんです。
そして、その困っている原因のひとつはぼくなんです。
ぼくにとってこの世で一番大切な人が目の前で困っているのに、黙って話を聞いているだけなんてできないんです。
なんとかしなきゃいけない。この人をこのままにしてはいけない。一刻も早く、この人を助けないといけない。
そんな風にぼくは思っているんです。
自分にとって大切な人が、ぼくの目の前で困っているからこそ、今すぐ助けたいと思ってしまうんです。
男性は脳の構造の問題で、すぐに問題解決をしようと動いてしまうと言うけれど、そんなことではないんです。
もちろん、それもあるけど、目の前にいるのが自分にとってこの世で一番大切な人だからこそ、すぐに助けてあげたいと思ってしまうんです。
困っている妻を放って置けないんです。自分にとって誰よりも大切な人なんだから。
このことを妻にうまく伝えられるか自信がないけれど、伝えたとしてわかってもらえるかわからないけど、話してみようかなと思います。
でも、やっぱりその上で、”ぼくが妻の気持ちを理解する段階”と”具体的な解決策の提示と行動”は分けたほうがいいとは思うんですね。
妻にとって、”気持ちを理解してもらえた”と思える状況にならないと、ぼくの”具体的な解決策の提示と行動”は受け入れてくれないと思うので。
そして、”具体的な解決策の提示と行動”は、ふたりでやらないとダメですよね。
妻の気持ちが混乱しているなかで解決策を考えようとしても、考えられないですから。
これはふたりの問題だから、ふたりで考えないといけない。だけど、言えなかった辛いことを妻が口にしているときは、まだ解決策を考えられる状況じゃないし、ましてや、ぼくが焦って考えた解決策を受け入れられるわけがないんですよね。
「ちょっと待って、今はその時(解決策を考える時)じゃないの」ということなんだと思うんです。
なかなか、自分のことって難しいですね。気持ちを整理して、こうやって言語化することで、やっと自分の気持ちが見えてきたような気がします。