夫なんていない方がいい。そう思ってしまうあなたへ。
「夫なんていない方がいい」そう思ってしまうことがある女性からお悩み相談をいただきました。
ポッドキャスト「アツの夫婦関係学ラジオ」でお答えしましたが、記事でも簡単なまとめを書いておきます。
同じような悩みを持つ方の参考になれば幸いです。
お悩み内容はこちらです。
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小学校低学年の子どもが一人いるフルタイムのワーキングマザーで、夫は単身赴任中でほぼワンオペです。子どもに発達障害があり、関わりに配慮が必要なため学校や支援センターなどとの面談や付き添いがあり、やることに追われて精神的にも肉体的にも辛い状況です。
夫にも辛さを伝えてはいますし、助けてほしくてやってほしいこと(例えば、子どもが算数の繰り上がりの足し算ができないから楽しく教えてほしい)をお願いしているのですが、夫は動きが遅く、やってくれたとしても言われたからやっているだけなので解決に至らず、結局私がやったほうが早いので余裕のない状況は改善されません。
夫は夫で私の話は聞いてはくれますし、助けになりたいという気持ちはあるようなのですが、私の話からは危機感が伝わらないので、楽観的な性格もあり何とかなると思ってしまうとのことです。
私は夫と同じ気持ちで子どもの問題に向き合うことができないのがとても悲しいです。 これから先も、家族に問題が起こってもこの人は何も解決しないで他人事のように傍観してるだけなんだろうな、 私が解決しようとして奮闘して疲れ果てていても、この人には危機感が伝わらず、一人で抱えるしかないのだろうか と思うと、夫なんていない方がいいとさえ思ってしまいます。
このままではもう限界が来てしまいそうです。どうしたらいいかアドバイスいただけたら幸いです。
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家族のビジョンを作る。
世帯経営ノート(夫婦で産後生活をデザインするためのツール)の冒頭に、「ビジョンを共有する」という項目があるんです。
ぼくらはこの項目をスキップしてしまったのですが、子どもが3人できた今、夫婦のビジョンの共有はとても大事だなと感じています。
妻に対してどういう自分でいたいのか?
夫に対してどういう自分でいたいのか?
子どもに対してどういう自分でいたいのか?
そのために、自分はなにができるのか?
それらを踏まえた上で、自分たち「夫婦」と「家族」のビジョンとはなにか?
ビジョン共有ができると夫婦の目線が合いやすくなり、二人の行動のブレが減ってくるんです。
ぼくらはシングルベッド(元々は長男次男の2段ベッドだったのですが、3人目が生まれたのでぼくらがベッドをもらい受けました)を二つ並べて寝ているのですが、そこで色々な話をするんです。
今日はなにがあったとか、あれが大変だったとか、こんな嬉しいことがあったとか。
そんな時に、こういう家族でありたいよねという話をすることもあるんです。
それから、毎週金曜土曜の夜は、二人でお酒を飲みながらあれこれ話をしたり、韓国ドラマを観たりするのですが、そこでもビジョンに触れることがあります。
と言っても、かしこまって話をするのではなくて、例えば・・・
「長男は真面目な性格だよね。だからマイペースな次男にイライラしちゃうんだろうね。もうちょっとそれぞれ自分たちだけの時間を作ってあげようか?」など、育児に関する話とか。
「子どもの送り迎えは大変なんだけど、子どもたちにはそれぞれの個性を伸ばして欲しいの。自己効力感を培ったり、色々な社会とも触れ合って欲しい。ただ、私が大変だということをあなたにはわかって欲しいの。私が子どもの送り迎えをしていることを当たり前だと思って欲しくないの」といった妻の思いを聴いたり。
「子どもたちの自己効力感が高まってきたから、来年からは習い事を減らして、そのお金で家族全員が興味のある『戦国時代』をテーマにした旅行を増やそうか?」などといった教育に関する話だったり。
そんな話をポツリポツリとしながら、「子どもだけじゃなくて、大人も幸せを感じられる毎日にしたいよね」といったゆるーい「家族のビジョン」がまとまったりもするんです。
今って、ビジョン達成のために動けているのかな?
ビジョンを二人が共有すると、ビジョン達成のために頭が動き出すんです。
今ってその状態になっているのかな?
なっていないのだとしたら、ビジョン達成のためにどうしたらいいのかな?
などと考え始めるんです。
「ビジョン共有」が「夫婦の目線合わせ」となり、「言われたからやっていること(やらされていること)」が「自分がやりたくてやっていること」に変わっていくはずです。
おそらく、ご相談者さんの夫さんは、自分の頭で「家族のビジョン」を考えていません。
妻に言われたからやる。妻に怒られたからやる。
そんな思考になっているはず。
ぼくもそんな時期があったのでよくわかります。
そんな男性は「自分の頭」で考え、「自分の心」から出力したことならば、きっと自分から行動し始めるんじゃないかと思うんです。
家族として、夫婦としてのビジョンをお二人で書いてみてはいかがでしょうか?
おすすめはやっぱり世帯経営ノートを使った話し合いです。夫婦会議を考案した長廣さんご夫婦が行う「夫婦会議始め方講座」もあるので、お二人での参加をぜひ検討されてみてください。
夫婦が「家族としての目線」を合わせるのって難しいですよね。
育児の話、家事の話、仕事の話、お金の話、性の話。
夫婦っていくつもの課題を抱えていますから。
ぼくと妻も最近になって、お金の話についてやっと目線が合うようになりました。
お金と性の話は信頼がないと目線を合わすことが難しいけど、家事と育児の話はいくらか合わせやすいかもしれませんね。
お子さんに発達障害があるとのことで、話し合いに難しさを感じられると思いますが、夫さんが家族のビジョンを自分で考えることができれば、日常の行動に対して(これって、ビジョンに沿った行動になっているかな?)と思うようになるはず。
発達障害を抱える子どもの世話を妻に任せきりにするのは、家族のビジョンに合っているのかな?
子どもの勉強も面倒を適当にこなすのは、家族のビジョンに合っているのかな?
妻の話を真剣に聴かないのは、家族のビジョンに合っているのかな?
もし、なっていないのならば、どうすればいいのかと。
柔らかな気持ちを伝え、それでもダメなら……。
ご相談者さんは、夫に対して「いない方がいい」と思ってしまうこともあるんですよね?
その気持ちをそのまま伝えてみてはいかがでしょうか?
あなたが、私と同じ気持ちで子どもの問題に向き合っていないことが、私はとっても悲しい。
今後、私たちに大きな問題が起こっても、きっとあなたは解決しようとしないと思う。
ただ、苦しでいる私たちを眺めているだけ。
なぜなら、私が全部やると思っているから。
まるで、あなたは家族じゃないみたい。
私がどれだけ疲れ果て、辛い思いをし、悲しい思いをしても、あなたにはきっとなに一つ伝わらない。
私がなにもかも、すべてを一人で背負うしかないの。
それが、とてつもなく、私を悲しくさせるの。
などと。
夫に響く言葉は、「やって欲しいこと」や「批判」ではなく、あなたの「柔らかな気持ち」だと思います。
孤独感、辛さ、悲しさ。それらを素直にそのまま伝えてください。
ぼくが妻に言われて一番響いた言葉は「あなたのことを嫌いになりそう」でした。
今思い出してもゾッとします。この言葉を聴いてから、妻に対する言動が妻を想ったものになっているか、気にかけるようになりました。
それから、ぼくも妻に対して素直な気持ちを話せるようにもなりました。
あなたの「柔らかな気持ち」が夫さんに伝わることを祈っています。
もし、それを伝えても何も変わらない。夫婦で話し合いをしてもどうにもならない。
ということであれば、別れることも一つの選択肢だと思います。
ご相談さんはフルタイム勤務ということなので、経済的には大きな問題はないかもしれません。
ですので、いざとなったら「この人(夫)を切る」覚悟を心のどこかで持っておくと、少しは気が楽になるかもです。
妻の優しさに甘え、父親として、夫としての責務を夫さんが果たさないのであれば、その怠惰な人間性を助長させることは本人のためにもなりませんからね。
「別れること」が二人にとっての「最善の選択」となるケースもあると思います。
ですが、ひとまずは、「家族のビジョン」「夫婦のビジョン」の策定、そのために「柔らかな気持ち」を伝え合うことをやられてみることをおすすめします。
少しでも参考になれば、幸いです。
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ポッドキャスト「アツの夫婦関係学ラジオ」でもお話ししています。ぜひ、合わせてお聴きください。
お悩み相談があれば「アツの夫婦関係学ラジオご感想/お悩み相談フォーム」にお送りください。番組とnote記事内お答えさせていただきます。
リンク先:「アツの夫婦関係学ラジオご感想/お悩み相談フォーム」
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