夫婦を引き裂く「悪魔の対話」に気がつくため、ぼくらができること。
夫婦喧嘩になると、お互いに相手を責め合うか、片方が怒り片方が責めるパターンになりがちですよね。
夫婦の修復率70%を超えるカップルセラピー、感情焦点化療法を生み出したスー・ジョンソンはこれらを「悪魔の対話」と呼びました。
悪魔の対話から抜け出すためにはどうすればいいのか、それは2人を遠くへと弾き飛ばすトルネードのような「ネガティヴループ」に気がつくことだと言います。
ですが、まあこれが簡単じゃないんですよね。怒りに飲み込まれてしまうと冷静になんてなれませんから。
では、どうすれば「悪魔の対話」に気がつけるのか?
今日の夫婦関係学ラジオ The Shortsではそんなお話をしました。
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台風などの災害がきたらまず逃げますよね?そこにいたら安全じゃないからです。逃げなかったら嵐に巻き込まれてとんでもないことになりますよね。
夫婦喧嘩も同じです。2人を取り巻くネガティヴな感情が2人をトルネードのように遠くへと弾き飛ばします。
だから、自分がこのネガティヴトルネードをコントロールできないと感じたらそこから逃げるんです。
ぼくの妻は以前よく家出をしてまして、ぼくらの会話がヒートアップしそうになったら外を30分くらい散歩していました。
そうやって冷静になると自分の本当の気持ちに気が付きやすくなるんですよね。
自分が何を「恐れて」いたのか?
わかってもらえない寂しさ。
ないがしろにされた辛さ。
情緒的につながれない孤独感。
それらに気がつけるようになります。そして、それを素直に、そして静かにぼくに伝えてくれるんです。
ぼくも1人になって頭が冷めてますから、本当の気持ちにアクセスしやすくなり、ぼくからも柔らかな気持ちを伝えやすくなっています。
すると、2人を断絶させるトルネードはどこかに消えてしまうんです。
妻は敵ではない。夫は敵ではない。本当の敵はぼくらを引き裂こうとする悪魔の対話であるということに気がつけるんです。
だけど、もしかしたらあなたの夫は、妻は、あなたの言葉に耳を傾けてくれないかもしれない。そんなこともありますよね?
そんな時のために四つのヒントを送りますね。
一つ目は心理教育です。人には脅威システムがおり、自分の安全を脅かされると「戦う」か「逃げる」かの二択を取るようにできている。
そして、霊長類は自分にとって大切な存在からないがしろにされると、自分を守るために怒りを感じるようにできている。人は愛着なしでは文字通り生きていけない生物ですから。
どちらも生物としての自己防衛反応なんです。だからその人は悪くないんです。ただ、それを知らないだけなんです。
夫婦関係学ラジオのリンクをLINEで送ったり、おすすめの本を貸したり、もしそれでもダメなら目の前で読み上げてもいいと思います。
二つ目は相手にも冷静になる時間を与えること、そして必ずそのあとに2人で素直な気持ちをシェアし合うことです。嵐を避けるためにはまずは逃げること。安全を確保することが重要ですから。
三つ目は悪いのはあなたではない。悪いのは私たちを振り回しているネガティヴループであると伝えることです。つまり、ぼくらは敵同士ではない。ぼくらの共通の敵はネガティヴループなのだという共通認識を待つことです。
2人とも本音では相手から大切にされたいと願っているはずですから。
四つ目は、これらを繰り返し繰り返し伝えていくことです。一回では理解が難しいと思うので、何度も何度も伝えていくんです。すると少しづつ理解できるようになってくるはずです。
夫婦喧嘩の元凶の多くは、この「悪魔の対話」に潜んでいます。ここをクリアできれば、その後の安心感や信頼関係の構築、そして親密性の醸成はとてもやりやすくなってきます。
少しでもヒントになれば幸いです。
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