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幸せな結婚生活を送るために、独身時代にやっておくべき3つのこと。
(なんで、自分たちはこうなんだろう?)
(いったい、どこでボタンをかけ間違えたんだろう?)
そう思ったことはありませんか?
もし、あなたが夫婦関係に悩んでいるのなら、独身時代に原因があるのかもしれません。
夫婦の一生は7つのステージに分けることができ、それぞれでクリアしておくべき発達課題があるそうです。(『夫婦・カップルのためのアサーション』より)
クリアすべき課題を残したまま、次のステージに進んでしまうと、夫婦関係がこじれる原因になってしまうんです。
本書では、独身時代にクリアすべき発達課題も書かれているんですが、ぼくはこの課題がかなり重要だなと感じています。
夫婦関係に悩む方のお話を聞いていても、この段階の発達課題がクリアされていないケースが多いからです。
とっくに結婚していて、子どもがいたとしても、過去のステージでやるべき課題に立ち返り、クリアすることが可能だそうです。
むしろ、それをやらないと、今抱えている問題をクリアすることは難しいと、いろんな方のご相談を聞いていて感じます。
今回は、独身時代にやるべき3つの課題について書こうと思います。
職業を選択してコミットし、経済的に自立する
一つ目の課題は「職業を選択し、コミットし、経済的に自立する」です。
「職業の選択とコミット」は、自分のアイデンティティの確立となるため、大切な課題なのだそうですが、ぼく、結婚前に2回転職しているんですよね。
結婚前の職業にコミットしたことはないし、これ、結構むずかしい課題な気がしているんです。
アイデンティティって、「自分が自分であること、自分が他者や社会から認められているという感覚を持つこと」だそうですが、ひとつの職業に縛られずとも、これは達成できると思うんです。
実際、ぼくは結婚前に「自分が自分であること、自分が他者や社会から認められているという感覚を持つこと」は、仕事での経験を通して、なんとなく持ってはいました。
だけど、まだまだ自分に自信が持てなくて、フラフラもしていました。
大切なことは、独身時代にアイデンティティを確立させるということなので、「職業選択とコミット」にとらわれる必要はないかなと感じます。
所属している会社や職業を変えることは、今では当たり前なので。
次の「経済的な自立」ですが、これは「心理的な自立」につながるから重要なのだそうです。
これは納得感がありますね。
親の援助が届かない場所で一人で格闘する経験って、ものすごく自立させてくれます。
逆に大人になっても、親の援助をいつまでも受けていると心理的な自立ができず、結婚後もパートナーに対して同じような甘えを要求するのかもしれません。
友人と恋人と親密な関係を築くこと
二つ目は「友人と恋人と親密な関係を築くこと」です。
これはめちゃくちゃ大事です。三つの中で一番大切なことだと思います。
これができていない人って本当に多くて、ぼくも三男が生まれてやっとできるようになった気がしています。
そもそも、「親密な関係」ってなんでしょう?
それは、単に仲が良ければいいというわけではなくて、「自分らしさを失うことなく、自分とは異なる個性を持った相手に心理的に近づくこと」なのだそうです。
ちょっと難しいなって思っちゃいますよね。ぼくも最初は(どういうこと?)って思っちゃいました。
ダメな例から考えると分かりやすいかもしれません。
ダメな例は二つあり、一つは「融合的な関係」です。
たとえば、いつも一緒にいないと安心できないとか、お互いの共通点ばかりに目を向けて、それぞれの違いを受け入れられないとかです。
こういう人は、生活のなかで起こる感情のすれ違いに耐えられず、孤独感を抱えてしまいます。
そして、その孤独感をパートナーに伝えないから、余計に関係がこじれていくんです。
二つ目のダメな例は「孤立的な関係」です。
これは、相手に心理的に近づくことができず、距離をとって付き合うことしかできない関係です。
こういう人は、パートナーとの共同生活に息苦しさを感じ、家族のことに対する意見や感情を相手に伝えることができない傾向があるそうです。
そして、融合的な関係と同じく、その息苦しさすらもパートナーに伝えないため、パートナーはなにが起こっているかわからず、二人の関係はこじれていきます。
ぼくに夫婦のお悩みを話される方の家庭の多くは、このパターンにおちいっています。
どちらにも共通しているのは、お互いの違いを受け入れられないということなんですよね。
「あなたは間違っている。わたしが正しい」
つい、そう思ってしまうことってありますよね。
なぜ、そう思ってしまうかというと、相手を受け入れてしまうと、自分を否定されたような気持ちになってしまうからなんです。
(自分が間違っていたのか?いや、そんなことは認めない……!)と意地になってしまいます。ぼくもそんなことがありました。
そうではなくて、「あなたはそう思うんだね。あなたはそう感じるんだね。でもわたしはこう考えていて、こう感じているんだよね」と、自分の意見を大切にしつつ、同時に相手の考えを受け入れることによって、二人の関係って変わってくるんです。
そして、それこそが「自分を失わずに他者を受け入れること」であり、親密性の正体なんです。
この発達課題をクリアしていないから、夫婦になったときにもめてしまうんです。
ぼくも、こんな立派な課題、クリアできていませんでした。つい最近できるようになったばかりですし、今でもできない時があります。
「夫婦が仲良くなる方法」と書くと、すごく陳腐に聞こえるかもしれないけど、ぼくは、親密性の定義(自分を失わずに他者を受け入れること)に、そのヒントがあるんだと思っています。
親や実家から心理的に自立すること
経済的な自立ならわかるけど、心理的に自立するとはどういうことなのか?
本書ではこう書かれています。
親は親、私は私であって、自分の人生をどう生きるかは自分に責任があると引き受けることです。
こんなこと、とっくにできてるよって思っちゃいますよね。
だけど、自分の母親と自分のパートナーが違うことを言っていて、どちらかの味方をしないといけないときに、親の肩を持ってしまったことはありませんか?
「なんで、あなたは私より自分のお母さんの言うことを聞くわけ?」と言われたことは?それによってパートナーに寂しい感情を味わせてしまったことは?
ぼくは男性からも女性からもこういった話を聞いたことがあります。男女両方に存在する問題なんだと思います。
これも親から心理的に自立できていない証拠なんです。
結婚して、一緒に住んでみたら、まるで子どものように服を脱ぎ散らかしたり、料理や洗濯をあたりまえのようにパートナーから要求されたり、もしくはした経験はありませんか?
ぼくの知り合いに、服をあちこち(リビングやら廊下やら)に脱ぎ散らかしながらお風呂に入る人がいるのですが、パートナーが本当にうんざりしていました。
言葉にしなくてもわかってくれると思い込み、大切なことをパートナーに伝えなかったことはありませんか?
無視しても問題ないと思い、パートナーの言葉に相槌を打たなかったり、質問にきちんと答えなかったことは?
恥ずかしいけど、ぼくもこういった経験があります。
これらも同じなんです。親から自立できていないので、幼児的な依存をずっと引きずっていて、パートナーに親と同じ役割を求めてしまっているんです。
まるで子どものように、パートナーに依存しているんです。
夫婦がお互いに支え合うことは大切だけど、幼児的に依存することは違いますよね。
結婚して、子どもがいても、まだ幼児的な依存を引きずっているとしたら、まずはそこに立ち返る必要があるんだと思います。
いつだって独身時代の課題に立ち返れる
経済的に自立できていないことは、アイデンティティの欠如や心理的な自立の阻害を生み出す。
友人や恋人と親密な関係を築けないことは、パートナーとの距離感を生み出す。
親から自立できていないことは、パートナーへの過度な依存や、孤立を生み出す。
これらは独身新時代にクリアすべき課題だと本書では書かれているけど、実際にできている人は少ないんじゃないかなと思うんです。
ぼくは「親密な関係」の定義すら知らなかったし、それがなんとなくできるようになったのはここ最近のような気がしています。
(自分たちの夫婦関係、なんか変だよね)と思う場合は、これら3つの課題に立ち返ってみるといいかもしれませんね。
今からでも取り返せる課題だと、ぼくは思っています。少なくともぼくはそうでした。
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