夫婦の『チーム化』をさまたげる3つの要因とは?
いろいろな方に夫婦関係に関するインタビューをしていますが、多くの人が口を揃えて言うことがあります。
「夫婦はチームになるとうまくいく」
家事シェア研究家の三木さんや、先日ポッドキャストインタビューをさせていただいた松井博さん(Brighture English Acabemy代表)さんも同じことを言っていました。
確かに夫婦はチームになるとうまくいく。ぼくもそう思います。
家事、育児、将来のこと、いろんな課題を一緒に乗り越えられますよね。
でもですね。夫婦のチーム化ってそんな簡単でもないと思うんです。
(確かにそりゃそうだけど、現実はうまくいかないよねえ……)
そう感じる人もいるんじゃないかと思うんですね。
では、なぜむずかしいのか?
そこには3つの理由があります。
欲求言語化のむずかしさ
夫婦のチーム化をさまたげる一つ目の要因。それは、自分の欲求を言葉にすることのむずかしさです。
よく「言わないとわかんないよ」と言いますよね?
でも、こういったケースでは、そもそもなにを言えばいいのかわからないことが多いです。
もっと言うなら、「自分がなにを感じているのかわからない」ということ。
ムカつく、イライラする、モヤモヤする。
そういったことは誰もが感じられるけど、そのうしろにあるものはなんなのか?
なぜムカつくのか?
なぜイライラするのか?
なににモヤモヤするのか?
自分は本当はいったいどうしたいのか?
そこを言葉で表現できないと「言わないとわかんないよ」問題は解決されません。
表面的な感情の下にあるやわらかな気持ちに触れ、それをそっとすくいだす。
自分が本当に求めているものはなんなのか?その欲求を言葉にするというのは、意外と大変なものです。簡単にできる人もいますが、素直な思いをグッとおさえて生きてきた人にはむずかしい課題ですよね。
たとえば、別業界の仕事にチャレンジしてみたいとか、子育てしながら働きたいとか、新しい趣味を始めてみたいとか、いろんな思いがあると思うんですね。
そこまでは言葉にできると思うんです。だけど、その思いを生み出す源泉はなんなのか、その欲求はどこから来るのかまで掘り下げるのは簡単じゃないですよね。
もしかしたら、10年以上同じ仕事を続けて飽きているのかもしれない。もうここでは自分を活かすことができないから新しいフィールドを求めているのかもしれない。
もしかしたら、子育てと家事に追われ、自身のアイデンティティを見失い、失ってしまった自分を取り戻すために仕事や趣味を始めたいと思っているのかも知れない。
そういった欲求をうまく言語化できないと、パートナーに思いは伝わらずチーム化はむずかしくなります。
「ロジカル&エモーション」バランス調整の難しさ
二つ目の原因は論理と情緒の使い分けのむずかしさです。
妻に理詰めで対応したら嫌われた……。そんな経験された方はぼくだけじゃないはず。男性からの相談に乗っていてもよく聞く話です。
かといって、ロジカルなコミュニケーションが無意味かというとそうでもなくて、壊れた家具を直すなどの課題解決には向いてるわけです。
でも、妻の悩みを聞くときに「そうか、そんなことがあったのか」とエモーショナルに聞く必要がありますよね。求められているのは解決法ではなく、寄り添いだからです。
それから、さっきの欲求言語化の話にしても、自分の欲求をうまく言語化できても、それを相手に伝わる形に加工しないといけません。
俺はこう思ってるんだ!私はこう思ってるんだ!受け止めろ!
みたいな態度でこられても嫌ですよね。
この人が話を聞きやすいタイミングはいつかな?どういった声のトーンなら聞いてもらえるかな?この人が納得しやすいコミュニケーションスタイルはなにかな?相手を責める内容になってないかな?話は筋が通ってるかな?
などなど、ロジカルとエモーショナルを行ったり来たりしながら話さないと伝わりません。
さらにそれをむずかしくさせるのが、相手への「期待と甘え」です。
期待と甘え
俺の気持ちを理解しているはず。私の気持ちをわかってくれるはず。
ついついそんな期待を抱いてしまうときってあると思うんです。
期待するというのは信頼しているからだとも思うんですね。この人なら私のことを傷つけないだろうという信頼が。
そういった情緒的な親密性がふたりの間にあるのなら、期待通りにならなくても「ま、そんなときもあるよな」と思えるはず。
ところが、「なんで、私の(俺の)思い通りにならないの?」と感じるならば、そこにあるのは信頼ではなく甘えです。
この人は私にとって都合よく動いてくれるはず。
小さな子供が親に甘えるような自分勝手な期待を、パートナーにぶつけているんです。
相互信頼のない期待は自分勝手な甘えなんです。
じゃあどうすればいいのかですが、まずは自分の気持ちに気がつきやすくなることかなって思います。
ムカつくとかモヤモヤするとかじゃなくて、その奥にある柔らかで傷つきやすい気持ちに。
それは赤ちゃんのように無防備なので触れるのが怖くなるときもあると思う。だけど、そこに日常的に触れられるようになると、自分にもパートナーにも優しくなれると思うんですよね。
少しでも参考になれば幸いです。
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