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【お悩み回答】夫婦で食い違う「母親像」、いったいどうすれば?
夫婦の「母親像」が食い違い、夫のことが嫌いになってしまった。
嫌いになってしまった夫と、子どもが大きくなるまでの10年間どうやって過ごせばいいのか?
夫婦関係再築の方法と、家族として暮らすためのヒントとは?
そんなお悩み相談をいただきました。今日はこちらにお答えしようと思います。
ご相談をお送りいただき、ありがとうございます。少しでもヒントになれば幸いです。
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お子さんが生まれるまで共働きだったけど、喧嘩はなかったんですよね。
当時は仲良くやられていたということは、夫さんは「女性が働くこと」について反対されているわけではなかったんですね。
お子さんが生まれてから揉め始めたとのことですから、夫さんは「母親とは、家で子どもの面倒を見ているものだ」という価値観を持っているということですね。
そして、あなたは「母親であってもバリバリ働きたい」という価値観をお持ちなんですよね。
ふたりの価値観が食い違うと困ってしまいますよね。いろんな話し合いが進まないし、なにより「自分の気持ちをわかってもらえない」という状況は辛いですよね。
以前の記事でも書いたように、人が家族や夫婦に抱く価値観って、自分が育った環境で後天的に手に入れることが多いようです。
(ポッドキャストの方が詳しくお伝えできていると思うので、ぜひお聴きください。447話です。記事内にリンクがあります)
なので、夫が悪いわけでも、妻が悪いわけでもないんですよね。その人の価値観に大きな影響を与えた家庭環境が原因なので。
これって、良い悪いの話じゃなくて、「そうなってしまったんだ」という話なので、お互いに責められないなって思うんです。
だけど、夫さんが持っている価値観は、夫さんが育った実家の価値観なんですよね。
実家の価値観を「自分たちの家族」の価値感に適用するのって、ちょっと変な話ですよね?
だって、夫さんの実家と、あなたと夫さんが暮らす家は別物ですから。
まったく別の家のルールを持ち込まれても、うまく運用できるはずがないですよね。
そこをお互いに理解し合う(まずは、夫さんに理解してもらう)ことが大切なのかなって思います。
その前に、夫さんが自分の価値観を「自分の実家で後天的に手に入れたものであること」に気がついていない可能性があるので、そこを気がつかせた方がいいかもです。
「あなたのご両親が抱いていた『母親像』ってどういうものなの?」
「あなたが育った家って、お母さんは普段何していたの?」
「子どものころ、お母さんのことをどう思っていたの?」
そういったことを話していくと、自分の家庭環境を冷静に振り返れるようになると思うんです。
すると、自分が育った家庭を再現しようとしていることに気がつくようになるかと思います。
話し合いってヒートアップしてしまいがちだけど、ここは冷静に話したほうがいいと思います。
「責めるわけじゃなくて、あなたのことが知りたいから聞きたいことがあるんだ」というスタンスだと、男性は素直に感情を伝えられるかもしれません。ぼくもそうです。
夫さんから詳しく話を聞けると、今まで聞いたことがなかった話が聞けるかもしれません。
小学生の頃、いじめられて帰ってきたとき、家に母がいてホッとしたとか。
親友と思っていた同級生が違う子と遊ぶようになって、裏切られたような気持ちになったけど、家に帰ったら母がいてホッとしたとか。
ちなみに、これはぼくのエピソードですが、こういうことがきっとあなたの夫さんにもあると思うんです。
「だから、妻には家にいて欲しいんだ。子どもの面倒を見て欲しいんだ」という理屈で夫さんは感がていると思いますが、実は妻にお願いしたいことは「働かずに家にいること」じゃなくて、「子どもの心理的なケアをして欲しい」ことだったりするんです。
「子どもたちの心理的なケアをすること」が目的で、「母親が働かずに家にいること」は手段でしかないんですよね。
夫さんもきっと、「母親が家にいさえすればいい」と思っているわけではなくて、こうして欲しいという本当の目的や、本当の願望があると思うんです。
それをうまく言語化できなくて、「母親は働かず、家にいるもんだ」と勘違いしちゃってるんだと思うんです。
そして、その願望って、たぶんあなたが抱いているものとそう変わらないんじゃないかなって思うんです。
「子どもたちが寂しい思いを感じないようにしたい」ということなら、きっと実は同じ思いなんだと思います。
もし、そうなら、その思いを実現させるための他の手段を取るといいと思います。
子どもの話を頻繁に聞いてあげて、その子が抱えている悩みや感情を夫さんと共有すると、夫さんも(妻は子どもと向き合ってくれているんだ)と理解できて、うるさいことを言わなくなるかもしれません。
もし、夫さんの本当の願望が「妻にずっと家にいてもらい、夫の世話をして欲しい」ということであれば別ですが。
その場合は、妻に世話を焼いてもらいたいと思ってしまう別な原因があるんだと思います。
例えば、仕事や家庭で、自分の弱さをさらけ出せる機会がないため、甘えられる場所が欲しいとかです。
ぼくら男性って、弱さを人にさらけ出せないことが多いので、「甘えられないストレス」が知らぬ間にたまっていくんです。
そして、それがこじれると、妻に対して怒りの感情を表現することにつながるんですよね。
女性としては何言ってるのと思うかもしれませんが、弱さを出せなくて怒る男性は、かんしゃくを起こした4歳児と同じなんです。
自分の気持ちをどう言葉にしたらいいかわからなくて、もどかしくて怒っちゃうんです。ぼくもいまだにそういうことがありますし、時には話しながら泣いてしまうこともあります。
男性が自分の心をコントロールすることはもちろん大切ですが、あなたの夫さんはそうできないんだと思うんです。そして、多くの男性もまたできないんです。ぼくも修行中です。
ぼくが妻から言われて嬉しかったのは、「今日はどうだった?」と妻が聞き、ぼくが少しでも大変だったことを伝えると、妻は「それは辛かったね。大丈夫?詳しく聞かせて」と言ってくれることなんです。
すると、ぼくはわかってくれているという安心感を感じて、固くなっていた気持ちが解きほぐされていくんです。
気にかけてもらえているという安心感が、妻との親密性につながり、「誰にも甘えられないストレス」がスーッと消えていくんです。
すると、ぼくからも妻に対して「今日はなにがあったの?」とか「大丈夫だった?」とか「それは大変だったね」という声かけができるようになってきたんです。
日常のなかの「小さな気づかい」が、お互いにできるようになってくると、今のあなたの夫婦関係はもう少し柔らかなものに変わっていくかもしれないなって、そう感じました。
もし、夫さんがそういうことをしてくれないときは、小さなステップから始めてみるといいと思います。
お互いに、「今日なにがあったの?」と聞いて、それに対して否定はしない。「ただ大変だったね」と言うだけ、とかです。
ルールはひとつだけ、それも自分たちにとって必ずできる簡単なものがいいと思います。
心が通い合ってなければ好きになんてなれないし、心理的な安全性を感じられなければ話し合いなんてできないし、気づかいをしてくれない人には挨拶すらしたくないですよね。
小さなステップからがいいと思います。
少しでもヒントになれば幸いです。
ポッドキャストでもお答えさせていただいたので、合わせて聴いていただければと思います。
アツの夫婦関係学ラジオ
#449 「自分たちの家族像」を作るためにできること【お悩み解答】
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