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夫婦の会話がないなら“5分会話”をどうぞ。

気づけば妻との会話が業務連絡のみになっていた。これって夫婦の会話と呼べるんだろうか?

そう思ったことはないでしょうか?

僕も上の子が3歳くらいまではそんな感じでした。

仕事や家事、育児に追われる毎日を送っていると、いつの間にか妻との会話が“業務連絡”だけになる。

そんなことってありますよね。

僕ら夫婦は今でも家事や育児や仕事に翻弄される日々を送っていますが、ちょっとした工夫でぐっと夫婦の対話の質を上げることができました。

どうすれば、夫婦コミュニケーションを“業務連絡”から"対話”へと移行させられるのか?

詳しく説明しますね。

なぜ、会話が減ることが問題なのか?

夫婦の会話が減ると夫婦関係はどうなるのか?実際に悪化を感じている人には不要な情報かもですが、いくつかデータをご紹介しますね。

明治安田生命が2021年に1,620人を対象に行った調査結果です。これによると、なんと「新婚時より仲が良くなった」夫婦が「新婚時より仲が悪くなった」夫婦の2倍もいることがわかります。

彼らはなぜ夫婦仲が新婚時より良くなったのか?その秘訣は下の表にある通り、「コミュニケーションによる相互理解」です。驚くことに「家事育児の協力」を上回っています。

https://www.meijiyasuda.co.jp/profile/news/release/2021/pdf/20211115_01.pdf

管理部門向けサイト マネジーが436人を対象に行った調査では、会話時間がほとんどない夫婦ほど円満度が低い結果となりました。30分を超えてくると変わってきますね。

https://www.manegy.com/news/detail/10254/

夫婦関係に悩む男性の話を聞いていると、「妻の考えていることがわからない」や「突然、妻が感情を爆発させる」といったものが多いです。

つまり、誤解やすれ違いが起こりまくっているんです。なぜなのか?

・会話が少ない
・会話が少ないから相手の考えや感情を"自分の"引き出しから引っ張り出す
・自分の引き出しに"相手"の感情や考えが少ないから的外れになる

といったことが起こってるのかなと思うのです。

自分の引き出しに、”相手の感情”を増やすにはどうすればいいのか?

会話の量と質を上げていく必要があります。どうやってやるか?

夫婦の対話を深めるポイント

重要なのは、お互いの経験や視点を理解できる会話をすることです。

カップルセラピーの「ナラティブ・カップル療法」では、

  • 自分の経験を語る

  • 相手のストーリーを理解する

  • 新しい意味を見出す

ということが重要視されています。

夫婦喧嘩の最中って、僕らは「自分の視点」だけで相手を見てしまいがちですよね。

つい、相手が悪いと決めつけがちだけど、「相手はどんなふうに感じているのだろう?」と好奇心を持って寄り添っていくことが大切。

イラっとする妻や夫の言動にも、彼ら彼女らのストーリーがあるわけですよね?そこには彼らなりの理由がある。

その物語を理解することで、自分たち二人の物語も語り直していくんです。

そのためには、日常的に短い対話を積み重ね、相手の視点を理解する習慣をつけることが有効です。

では、忙しい僕らはこれを日常生活にどう入れ込んでいくか?

それが”5分対話”メソッドです。

“5分”の対話を実践するための3ステップ

1日3時間とか無理だけど、5分ならできそうですよね。最初は1日5分から始めて、徐々に5分の会話を6回まで増やせるようにしてみてください。30分以上の会話ができると関係性は良くなっていきます。

ステップ1:スマホから離れる

話しかけてるのに相手がスマホを見ていたら話す気がなくなっちゃうので、スマホは別の場所に置いてください。

ポケットに入れていても引っ張り出しちゃったりするので、充電しておくとか、玄関におくとか、意識的に別の場所に置きましょう。僕は充電ボックスに放り込んでおくことが多いです。

だけど、相手に無理強いすると嫌がられるので、まずは自分から意識してやってみるのがいいです

夫婦の会話を増やすチャレンジもそうですが、まずは自分から行動するのが大事です。そうすると、相手も気がついて変わっていったり、こちらから相手の改善を提案できる関係性が作れたりするので。

ステップ2:会話の時間帯を決める

次は、忙しい日常の中でも自然と会話が生まれる時間を見つけてみましょう。

たとえば我が家は、子どもがいないタイミングを夫婦の会話時間にしてます。

• 朝起きたばかりのとき
• 朝ごはんを作ってるとき
• 子どもを送った後
• 夕飯を作りながら
• 子どもが寝た後

うちは毎週 金曜と土曜の夜、子どもが寝た後にお酒を飲みながら話すという「暗黙のルール」があって、平日だったら、子どもを寝かしつけた後に 「5分だけ」 話すことがあります。

ただ、さっきも言ったように妻には無理強いしてなくて、僕が三男を寝かしつけた後にダイニングに行き、妻が一人で韓ドラとか見てたら(おやすみー)とジェスチャーだけ送って話しかけないようにしてます。

こうやって タイミングを作って いくと、6回ぐらいはどこかで出てくるんですよね。

もしくは、「10分×3回」 とかでも。どこかに必ず、時間帯は作れると思います。それを まず決める。そのときには リラックスできる時間 を見計らうのがいいので、相手が忙しくないタイミングを狙うのがおすすめです。

ステップ3:話す内容を決める

スマホから離れ、会話の時間帯を決める。次は「何を話したらいいのか」ですね。

これが意外に何も話すことないっていう人けっこう多いんですが、何かしらあると思うんですよね。ただ、忘れちゃってるだけで。

なので、話題リストを作るとすごくスムーズになります。ぼくはスマホのメモ帳に、妻に話したいことをリストアップしてました。

話したいことって、そのときはあるんだけど、だんだん忘れちゃったりするじゃないですか。それを忘れないうちに書き記しておくってのはすごいおすすめ。

何を話したらいいかですがポジティブな話が2人の関係性をより良くするという調査データがあるので、嬉しかったこと面白かったことをまず話すのがおすすめです。

職場の話、ご近所の話、子どもの学校の話とかですね。子どもの言い間違いの話も面白いですよね。うち6歳10歳なんですけど、上の子でもまだまだ結構あるんですよ。

それって夫婦だからこそシェアできるネタですよね。子どもの言い間違いって可愛いですし。

あとは、今気になってることですね。ニュースやSNSで見た話題とか。ポジティブじゃないネタもあるけど、2人で話すきっかけにはなったりしますよね。

そういうところから始まって、話しやすい空気を作れたら、近い将来の楽しみ(旅行の計画とか、今度の休み何しようかとか)を話すのもありです。

会話の質を高めるコツ

会話の質を高めるコツもいくつかあって、相手の話を否定しない、最後まで聞くっていうのがまず第一ですね。5分間だけなんで、否定してる暇もないですし。

あと、会話が止まったときに「シーン…」ってなっちゃうケースもあるかも。

そういうときは「そうなんだ、それでどうなったの?」とか、相手の話を深掘りするオープンクエスチョンを投げていく。

イエスとかノーで終わっちゃう問いかけじゃなくて、相手が話しやすい問いを投げかけていくと話が深まっていきます。

リアクションをちゃんと伝えるっていうのも大事です。「そうなんだね」とうなずいたり、驚いたり、「へえー!」とか「わかる!」とか賛同したり。無表情に聞くんじゃなくて、感情を乗せていく。そうすると、相手も話しやすくなってきます。これは呉服屋時代に散々店長から言われましたね。

さらに続けるためのヒント

5分×6回 の会話っていうのを日常生活に盛り込んでいってもらいたいんですけど、これを続けていくヒントっていうのがいくつかあって。

まずは、小さな成功体験を積んでいくってことですね。

「毎日の会話が業務連絡だった状態から、ちょっと普通の話ができた」っていう喜びを積み重ねていくと、続けやすくなりますから。

たった5分でもいいからちゃんと話せた! っていう体験を積んでいくと、最初はぎこちなくても、だんだん自然な会話になりやすくなります。

あと「隙間時間の活用」ですね。ご飯を食べるときとか、朝ごはんを作ってるときとか、仕事に行くちょっと前の1分2分とか、そういう時間ってけっこうありますよね?

挨拶するときもいいですね。「おはよう」「行ってらっしゃい」「ただいま」「おかえり」と言うときに、それプラス一言「今日どうだった?」って声をかける。

そうすると、向こうから話してくれることがあるので、こっちから問いかけていくのはおすすめです。「今日どうだった?」「大丈夫だった?」みたいな感じで。

これって、思いやりと対話の拡張を同時にできるからすごくいいと思います。

あと、変に身構えない方がいいです。本当にさりげなくやると上手くいきます。関係性を改善したい時って、仕事みたいに「話し合いをしよう。枠を抑えてくれ」とやりがちだけど、相手が緊張するだけでいいことないです。

日常生活に「自然な会話」を忍び込ませていくっていうのがポイントです。朝起きたときに「おはよう、今日何があるの?」とか、「おはよう、ご飯どうする?」とか。「あ、そういえば今日は上の子、歯医者だったっけ?」とか。仕事が終わったら「ご飯作ろうか?」といった自然な流れですね。

本当にあまり考えすぎないほうがいいです。たった5分ですから、隙間時間を見つけて、その5分間をギュッと集中して話をする。そうすると、向こうも心を開きやすくなっていきます。

そんな感じで、「対話を1日5分×6回」というのを、ぜひ日常生活の中で盛り込んでみてください。

最後に会話のきっかけになる「声かけ・質問リスト」をまとめておきますね。参考にされてください。

・おはよう、今日は◯◯(子供の通院など家庭の用事)だよね?
・おはよう、体調はどう?
・おはよう、よく眠れた?
・おはよう、朝ごはん何がいい?
・おはよう、お昼は何食べたい?(一緒にお昼食べるケース)

・いってらっしゃい、寒いから気をつけてね
・いってらっしゃい、無理しないでね

・おかえりー、今日どうだった?
・おかえりー、寒くなかった?大丈夫?
・おかえりー、あの人(以前会話に出ていた人)どうなった?

・今日、子供がこんなこと言ってて・・・(言い間違い、学校での出来事などポジティブな話)
・今日、仕事でこんなことあって(笑い話、話せるなら嫌だったことも)

・昨日、こんな事件あったんだね(ニュースやSNSで話題の話)

・今度の連休、どこ行きたい?
・今度の週末、どこ行きたい?

自分はこういうこと言ってるとか、こう言われると嬉しいとかあればぜひ教えてください。

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この話は平日毎朝5時更新のVoicyでも話しています。合わせてどうぞ☺️


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