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心を開かない妻の心を開く方法ーーメッセージではなく”ゆらぎ”を与える。

妻がまったく口をきいてくれない。会話があっても冷たい返事があるだけ。

なにが原因なのか?
こちらの何が気に食わなかったのか?
どこに落ち度があったのか?

真っ暗な洞窟に閉じ込められたような混乱の中、いったいどうすればいいのか戸惑いますよね。

つい妻に対して感情的に対応してしまい、余計に事態をこじらせてしまうこともあるかと思います。

今日は、どうすれば妻の心を開けるのかについて書きますね。

なぜ、心を開かないのか理解する。

妻が心を閉ざしたことは突然のことに思えますが、実は何年も前から水面下で動きがあり、それが表に出てきただけのことが多いです。

妻から夫への恨みの熟成についてはこちらに書いています。

過去の夫からの言動に無意識に傷ついており、その傷つきが積み重なり、脳の扁桃体が「夫=不快」と判断する。

こうなると何を言われても「近寄らないで!」となりがちです。だけど、ぼくら男性はつい「話さないとわからない!」「なんでなんだ!」と相手を詰めがちですよね。

あなたもそんな経験はないですか?ついやってしまいますよね。だけど、いいことは一つもないんです。

本能的に夫を嫌悪しているので、理屈が入り込む隙がないからです。この状態では無理に近づかない方がいいです。

「夫=不快」状態の時に、夫から意見を押し付けられたり否定されると何が起こるか?

夫の言動を脅威と判断します。

自分に害をなす危険な存在と認識するんです。子どもがいれば子どもにも害をなす危険な存在だと思われます。ちょっと大変ですよね。

そして、人は脅威を感じると3つの反応を取ります。戦うか、逃げるか、固まるかです。

おかしくなったんじゃないかと思うほど叫ぶ。まったく口をきいてくれず無視される。何を話しても黙り込む。

もし、あなたの妻がそういったアクションを取っているなら、あなたのことを脅威と感じている証拠です。

生物として脅威を感じ取り、危機的状況から脱するために交感神経が優位になっているんです。

メッセージは伝えすぎない。

あなたのことを脅威と感じているのだから、こんな時に意見を押し付けると余計に反発されますよね。

それから、あなたもこの三つの反応のどれかを取っているはず。たとえば
、妻がキレたらキレ返したりしてませんか?もしくは、キレている妻から逃げたり固まったりとか。

それは正常な反応です。人として自分を守るための本能ですから。二人とも自分を守ろうとしているだけです。

妻が脅威を感じている時に、こちらが意見を強く押し付けてしまう。それはお互いに叫びながら銃口を突きつけているようなものです。

いずれ銃口は火を吹き、片方が倒れるか、二人とも倒れることになります。

こんな時は言いたいことがあっても「伝えすぎない」ことが大切です。

むしろ、相手がなぜ脅威反応を取っているのか、その背景を知ることの方が大切ですし、そこに関係改善の秘密が眠っています。

心をやさしくつつく。

「夫=不快」となった妻の扁桃体は簡単には戻りませんが、戻すこと自体は可能です。

回復率7割を超えるカップルセラピー「エモーショナリー・フォーカスト・セラピー」でも扁桃体のスイッチチェンジを目指すそうです。

Voicyはこちら。

では、どうすれば妻の扁桃体は変わるのか?妻は普通にコミュニケーションを取ってくれるようになるのか?

ぼくはその手始めとして「妻の心を”ゆっくり”と開いていく」ことをおすすめします。

どうすれば妻の心は”ゆっくりと”開くのか?

まずはこちらからのメッセージ量は減らして、妻の心を理解することに努めてください。

妻が何に不満を抱いていたのか?なぜ、ここまで恨みを蓄積させたのか?なぜそれを言えなかったのか?

つい、ぼくら男性は「なぜ?なぜ?どうすればいいの?!」と詰めがちですが、そんな時は先ほどの三つのF(戦うのファイト、逃げるのフライト、固まるのフリーズ)を思い出してください。

ぼくらが妻に苛立ってしまうのは人としての本能です。だからそのままでいいということではなく、「だからこそ避けることができる」んです。

(ああ、自分は今、妻のアクションに脅威を感じ、怒りを感じている。これはファイトモードだな)

と自己認識できれば、自分の言動を抑えられるからです。

自分を客観的に分析するメタ認知はイルカにも備わっていますが、ぼくらヒトがもっとも得意なアクションでもあり、人類が進化した証でもあります。

3つのFを思い出し、自分をメタ認知する。

そのあとに妻の心理に好奇心を持って近づきます。

妻からのアクション(怒る、逃げる、固まる)がヒトとしての自然な反応であると認識できれば、あなたはオーバーアクションせずに妻と心理的に近づけるはずです。

妻の心に好奇心を持って近づくには、まずは妻の心をあれこれ想像し(思い出すことで自分の脅威スイッチがオンになったら、メタ認知して気持ちを落ち着かせる)、自分を恨むようになった背景を推測しましょう。

次に妻の心が落ち着くタイミング(リラックスを促す副交感神経が活性化している状態)で、その推測をそれとなく伝えていきます。

たとえば、あなたの妻が夕飯を食べ終わったあとにリラックスするなら、夕飯後に「思ったんだけど、〇〇の時の俺の〇〇が君に嫌な思いをさせていたのかな?」などと、カジュアルに投げかけます。

この声かけが緊張していると、相手に緊張感を与え、それが脅威反応を引き起こします。なので、カジュアルに伝えることがとても重要です。

「話があります」など前置きは作らず、「あのさあ、あの時のあれなんだけど」とさっとさりげなく話しかけます。

相手を責める必要もなく、卑屈になる必要もありません。

自分を客観的に見つめ、相手の心を推測した結果を伝えるんです。

それが見当違いな話だったら「違うし」など、なんらかの反応が返ってくるはず。違かったら違うでいいんです。

大切なことは「妻も気がついていない妻の心の奥に降りていく」行為そのものだからです。

自分を見つめ、妻の心を推測し、リラックスした環境の中で、それとなく伝える。

その繰り返しが妻の心にゆるやかなゆらぎを与え、少しづつ本来の感情が上がってくるはずです。

それはもしかしたら「いつも自分の意見を否定されて辛い」ことかもしれないし、「大切にされていない寂しさ」かもしれないし、「家事育児などを一人で背負い混んでいる虚しさ」かもしれない。

妻の心をやさしく揺らしながら、妻の柔らかな気持ちをすくい上げるんです。

あなたが妻の柔らかな気持ちをスッと掘ることができれば、あなたの妻は(この人は私を受け止めてくれている)と実感するはずです。

そこまでの道のりは遠いかもしれませんが、不可能なことではありません。うまくいくことを祈っています。

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