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妻のワンオペ筋を鍛えさせるな。『ファミ筋』を鍛えるのだ。

「あなたと結婚し続けるメリットを教えて」

妻からそう言われ困っていますと、何人もの男性から聞きました。

多くの場合、妻は出産後ワンオペで家庭を回し、度重なる試練を潜り抜けてきたケースがほとんどです。

一人で子育てと家庭と仕事を両立させることは大変ですが、(夫はいないもの)と割り切り、一人で頑張ってきたのです。

子どもが風邪をひいても、中耳炎になっても、授業参観があっても、PTAがあっても、すべて一人で潜り抜けてきた。

夫がいると思うから辛いのだ。始めからいないと思えば辛くないのだ。

そう自分に言い聞かせ、何年も経ったある日、ふと気がつくんです。

(あれ?夫、いてもいなくてもいいんじゃない?)

そうならないために、ぼくら夫はどうすればいいのか?

妻にワンオペ筋を鍛えさせてはいけないんです。

妻との関係に悩む男性のお話を聴いていると、ある共通点が見えてきます。

それは、子どもが生まれても働き方を変えなかったことです。

遅くまで残業し、子どもが体調を崩しても有給を取ることなく働き続ける。

子どもの行事には参加せず、妻にすべてを任せる。なんなら、その行事の存在さえ知らない。(先日の記事のぼくのように)

家庭を一人で回すことになる妻の反応は様々です。

夫にヘルプを出す人。夫に遠慮してヘルプを出せない人。夫がヘルプを無視した時、しつこく食い下がる人、恐怖や嫌悪を感じ心を閉ざす人。

夫が妻の言葉を受け止めなかった場合、妻の心には恨みが静かに積もっていきます。

恨みを積もらせながら、妻は粛々と一人で家事育児をこなし、着実にレベルアップしていきます。

家庭をワンオペで切り盛りできるようになり、夫への嫌悪が満タンに達すると、「結婚の必要性」に疑問を感じるようになるんです。

家族としての仕事をしない。気持ちに寄り添ってくれることもない。

そんな人が家族でいる意味はなんだろう?そう思ってしまっても不思議ではないですよね。

離婚による金銭面での不安もありますが、育休明けからキャリアを重ね、いつ離婚しても問題なくなった人や、子どもが家を出たら離婚すると決意している人もいます。

ぼくの知り合いも子どもの大学進学を機に離婚しました。

妻のワンオペ筋を鍛えさせすぎると、我々夫は不要になってしまうんです。

妻がワンオペ筋でムキムキになる前に、トレーニングをやめさせないといけないんです。

とはいえ、「そんなに大変だとは思わなかった」「強く言ってくれればやったのに」という意見もあると思います。

今まで文句を言わなかったのに、急に離婚するなんて急すぎるだろと。

確かにそうかもしれません。急な変化に見えると思います。

ですが、女性側にお話を聞くと、子どもが生まれてからずっと不満を抱え続けてきたケースが多いです。

なぜ、強く言わなかったのか?

本人としては強く言ったつもりだった。

自分がやらないといけないと思い込んでいた。

不満を言ったが夫が受け止めてくれなかった。

多くの場合、言葉には出しているけど、夫からの拒絶や、夫への遠慮があり、強く言えていないことが多いです。

この記事を書いたとき、「女性が夫に察してくれるのを待つのはおかしいのでは?」という意見をいただきました。

察しくれることをただ待ち続けることはよくありませんが、言語化されていない部分に思いを馳せることができないことも問題です。

人の本音は言葉に出さないところに隠されており、その本音を掘り起こし、共有し、受け止め合うことで二人の関係性は変わってくるんです。

ワンオペ筋もそうです。

誰も好き好んでワンオペ技術を磨いているわけじゃないんです。

しかたなくやっているんです。やらないといけないからやっているんです。

では、どうするか?

ワンオペ筋じゃなくて、「ファミ筋」を鍛えるんです。

ファミリーで家族を回していく力、ファミリー筋肉です。ぼくが勝手に命名しました。

妻と協力するためのコミュニケーション。子どもの発達に合わせた育児。両親 及び 義両親との距離感の調整。相手を傷つけず、自分も我慢しない自己主張方法。

そして、柔らかな本音の共有と受容。

それを可能にするのがファミ筋です。ファミチキじゃないですよ。

男性のワンオペスキルがいくら高かろうが、完璧なお弁当を子どもに作ろうが、ファミ筋がなければ意味がないんです。

妻と支え合う力、子どもの心理的発達に寄り添う力。経済と心理の両面で家族を支える力。

これは簡単には身につきません。仕事のスキルより断然難しいです。ぼくだってトレーニング中です。

あなたの妻がワンオペ筋を鍛えているようでしたら、今すぐやめさせてください。

妻と一緒にファミ筋を鍛えるんです。

完璧な妻も、完璧な夫も、家族を幸せにはしません。

お互いに支え合える柔軟性を持った人間が、家庭を幸せにできるのだと思います。

そして、そのしなやかな強さはファミ筋によってもたらされるんです。強靭なワンオペ筋ではなく。

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