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夫としか話せないトピックを作る。
上の子が3歳くらいになるまで、僕らの会話は業務連絡ばかりでした。まあ、双子だったので忙しかったというのはありますが、それでも寂しかったものです。
なんとかしたい…!と思い、あれこれ試してみたのですが、結構よかったアクションに「夫としか話せないトピック」をデザインするというものがあります。
これをやってからは、妻との会話時間が増え、心の通いあった会話もできるようになったんです。
放っておくと夫婦の会話は減っていく。
家事に育児に仕事、忙しい毎日を送っていると、まあそりゃ夫婦の会話って減っていきますよね。
そんなものかって思うし、まわりを見ていても夫婦円満アピールする人もいないから大きな焦りも感じない。そんなことって多いですよね。
僕も(子供がまだ小さいからこんなもんか)と思うこともあったんですが、会話が否定されたり、話が盛り上がらなかったりすると普通に寂しいもんです。
うちの場合は双子だったので、妻が抱える家事育児の負担は大きくてどんどん会話は減っていきました。
僕は僕で(稼がねば…!)と必死だったので、朝の5時に家を出て早朝残業したりだったので、あまり話す時間もなかったんですよね。
妻と一緒に過ごす時間も少なかったので、共通する会話のネタも減っていき、子供のことを話されても僕が不在の間の出来事なのであまり共感できなかったりと、心理的距離はどんどん開いていきました。
そんな家庭って多いと思うんですよね。放っておくとどんどん夫婦の会話ってなくなっていきます。
だけど、妻から身体的にも距離を取られるようになってから(上の子が3歳くらいの頃)、家事育児を今まで以上にやるようにしたんです。
(感謝されないな……。)なんてひがむこともありましたが(俺はやりたくてやってる)と思い込むことで、なんとか続けられました。
家事育児に取り組む中での大きな収穫は、妻との「共同体験」にともなう「共同視点」の獲得でした。
これは大きかったです。これがこの話の主題ですね。
「共同視点」が「夫としか話せないトピック」を生む
家事をしていると気がつくことってたくさんあるんですよね。
ああ、妻は洗濯するときに肌にやさしい「洗濯せっけん」を使っているのか。
子供の肌着はいつも裏返しだな。えいやと脱ぐときにその勢いのまま洗濯かごに入れてるんだな。目に浮かぶなあ。
食後の洗い物って意外と時間かかるんだな。5分で終わると思ってたけど、子供がなかなか食べ終わらないから片付けられなくて、30分くらいかかるな。
キッチンの残滓入れにネットを被せておくと便利かもな。今度買ってみようかな。
とかですね。
それに子供と関わる時間が増えると、育児に関する気づきも増えていきます。
長男は字が汚いことを気にしてるのか。近くの書道教室に体験に行こうかな。
長男と次男が喧嘩になる原因はお互いへの競争意識かもなあ。
長男はしっかりもので、次男はおちゃらけものだなあ。それぞれいいところがあってかわいいな。
この子達のいいところを伸ばすにはどうすればいいのかなあ。
などと、いろいろな発見や感想が生まれるんですよね。その中にはちょっとした悩み(学校の友達と喧嘩して泣きながら帰ってきたりとか)もあったりするわけです。
家事育児の体験のなかでふと感じたことって、実は妻も似たようなことを思ってたりするんですよね。
「実はさ、長男が字が汚いこと気にしててさ、書道教室に体験に行ってみようかなと思うんだけど、どうかな?」
と話すと「そうそう、いいかもね」と会話になったりとかですね。
もしくは、僕が見えてなかった部分を妻が見ていて、僕がその視点をもらうってこともあります。
次男はおちゃらけものなんだけど、実は負けず嫌いなところがあって宿題でわからないところがあると「フンガー!」とイライラするときがあるんですね。
僕は問題を解けなくてイライラしているだけかと思って怒ったんですが、妻の観察によると「問題を解けないことが悔しい。チキショウ!」という悔しさだったようなんです。
これがわかってからは次男にも接しやすくなりました。僕の視点になかったものを妻が与えてくれたんです。
こんな風に「共同」の視点を持てるようになる、自然と会話って増えていくんですよね。
なぜなら、僕らにしか通じないトピックだからです。
夫にしか通じないトピックを磨き続ける。
何を言っても否定される背景には、「共同視点」を持つための「共同体験」が抜けているのかもです。かつての僕はそうでした。
共同体験(一緒に何かをするのもいいけど、別のタイミングで同じ作業を体験するってことですね)によって、二人の視点が合わさってくる。
メガネをかけることでぼやけていた焦点が合うような感じですね。
(こいつ、何考えてるんだろうな……)
(俺のことわかってくれてないな)
と感じるってことは、二人の視点という焦点が合ってないんですよね。
共同視点によって生まれたトピックって、僕ら二人だけのものなんですよね。
今の僕らは三男が名古屋城でハマった「名古屋おもてなし武将隊」とか、そこで見た演舞に影響されてブンブン棒を振り回す三男の謎の演舞とか、そんなことばかり話してます。
これって、僕らが一緒に旅行したり、そこで感想を話し合ったり、三男が玄関の前で棒をブンブン振り回しているのに付き合っているからこそ、理解できるトピックなんですよね。
ママ友に事情を説明するのには時間がかかるし、うちの三男への愛情は僕ら夫婦より強い人はいないから、心から理解してもらえないわけです。
僕ら二人だけしかシェアできないトピックです。
そんなトピックをいくつも積み重ねていくことで柔らかな安心感が生まれる。その中から何気ない会話が生まれてくる。
「夫にしか通じないトピック」を作る。よろしければ試されてみてください。
この話は平日毎朝5時更新のVoicyでも話しています。あわせて聴いていただくとより理解が深まります。
妻との会話術については、こちらの記事でも書いています。
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