イクメン系インスタグラマーはなぜ離婚したのか?
こんなこと、みんなに伝えようか悩んでいたけど、勇気を出して言うことにしました。
実は半年前に離婚しました。今は妻と子供たちが出て行った家で一人暮らしです。
でも、ぼくは前を向いて生きていきます。これからも応援していただけると嬉しいです。
彼は海岸に立ち、眩しそうに朝日を見つめている。カメラは彼のまわりを360度グルっとまわり、決意を込めた顔のアップでビデオは終わる。
そんな感じのとあるイクメン系インスタグラマーの離婚報告を見たのですが、めっちゃ違和感を感じたんですね。
イクメン系インフルエンサーがなぜ離婚?という違和感じゃなくて、彼の発信のベクトルへの違和感です。
普段からSNSで家庭的な投稿をしている男性には、発信の方向性を見直すヒントになるんじゃないかと思います。
ぼくはかなり考えさせられました。
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離婚されたイクメン系インフルエンサーの投稿を見ると、発信のベクトルが完全に自分自身に向けられているんですよね。
こんなにイクメンな俺はカッコいい!みんな俺を見て!
投稿の内容は「もっと妻を大切に!」なんだけど、その裏にあるのは肥大化したナルシズム。
なんでこうなるのか?
おそらくネット特有のアテンション(注目集め)のせいだと思うんです。
夫からひどい扱いを受けている女性はイクメン系インスタグラマーの投稿を見てこう思うはず。
ああ、うちの夫もこの人みたいに優しかったらいいのに。
さらに、そのイクメン系インスタグラマーが「妻を大事にしない男はマジでクズ」みたいな対立を煽りまくる投稿なんかしたら、女性はこう思うはず。
ほんとそう!なんでうちの夫はわかってくれないの!ほんとクズ!
人の脳は危険から逃げるために、ネガティブな感情に引き寄せられる習性があるんです。だから、Xやインスタはダメ夫をバッシングする投稿だらけです。
一部のイクメン系インスタグラマーは人間の習性を利用し、あえて女性達の怒りを誘う発言を繰り返します。そうやって彼女達のアテンションを獲得していくんです。
寄せられる賞賛と増え続けるページビュー。
SNSが加速させるアテンションの魔力に取りつかれた彼らの発信はさらに先鋭化し、気がつけば本来の目的を見失うのです。
彼らの発信の目的はなんだったのか?
芸能人やインフルエンサーのように注目を集めることだったのか?
不満を抱える女性からの賞賛を得ることだったのか?
男女間の対立をいたずらに煽ることだったのか?
いずれでもないはず。
最初はもっと純粋なものだったはずです。夫婦関係を改善させる方法を見つけた。これをみんなが知れば幸せになれる。だから伝えたい!そんなピュアなものだったはず。
離婚したとあるイクメン系インスタグラマーは以前こんな投稿をしていました。
妻が好きすぎて困る。
もちろん、当時は本当にそう思っていたのでしょう。ですが、最後はこう思っていたんじゃないかなと思うんです。
「妻のことが好きすぎて困る自分」が好きすぎて困る。
本来妻に向けられるはずの愛情の対象がおのれにのみ集中し、そのナルシズムと身勝手さが妻にはバレバレだった。だから、妻から別れを切り出されたんじゃないかなと。
ぼくも妻から「あっちゃん、言ってることとやってることが違くない?」と指摘されることがあります。
記事やポッドキャストの編集が平日に終わらず土日に持ち越す時に、きちんと妻に説明せずなんとなくムニャムニャ言って2時間部屋にこもって作業したりなんてことがあったんですね。
ちゃんと事前に妻に相談すれば大きな問題にはならないんですが、申し訳なさとか(わかってくれるよね)という甘えがあると、うまくいかないんですよね。はい、ごめんなさい……。
そんなことが何度かあり、土日に作業する時には必ず妻の理解を得るように気をつけています。理解は得られても感情はまた別問題なので、アフターケアも必要ですが。
夫婦関係に関する発信をするならば、自分が実践者でなければならないと思うんです。
夫婦関係に関する発信ってキラキラした部分なんかまったくないし、カッコ悪くて情けない自分をさらけ出すことになるし、そもそもよその夫婦の話なんて面白いわけがないんですよ。
以前ぼくの妻はママ友との集まりで夫婦関係の話になると、ぼくらの夫婦仲の良さの話をしてたんです。だけど、みんなつまらなそうな顔をするのでやめちゃいました。
夫婦関係の話って、そもそも地味でつまらないものなんです。夫婦関係改善も目立たない地道な作業で、キラキラなんかしてません。よその夫婦仲の良さなんて聞いたって、「よかったね、それでなに?」って感じじゃないですか。
そんな地味なもの対して、無理にアテンションを集めようとするからショーになっちゃうんですよね。憤怒をまとった共感集めのイクメンショーみたいな。
ぼくにとって夫婦関係に関する発信の目的は、夫婦関係に悩む人へのヒントや応援、寄り添いだと思ってます。
「カップルリレーションシップへの向き合いの機会を提供し、人生への幸福度を上げる」ことがミッション。
「夫婦関係への向き合い」の機会を増やすには夫婦関係学ラジオの認知度を上げる必要はあるんだけど、ベクトルの方向性を間違えちゃいけないなっていつも思うんです。
妻に対して向けているはずの愛情というベクトルが、発信のアテンション稼ぎのためにおのれにむけられていないか?
自分に問いかけながら、これからも続けていこうと思います。
この話はポッドキャスト「アツの夫婦関係学ラジオ」でもお話ししています。通勤や家事のおともにぜひ。
月曜は朝5時から、火曜から金曜は朝7時頃からお送りしています。
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