出産後の”夫目線”での心境の変化 -仕事編-
「なぜ、自分は働くんだろう?」
何度かそう考えたことがありました。
家族を支えるため?自分の願望を叶えるため?
子どもが生まれ、自分本位に生きられなくなったことで、ぼくにとっての「働く」は何度も形を変えました。
今でも迷うことはあるけれど、ぼくにとっての「働く」は少しだけその形を定めることができたようが気がしています。
この記事では、子どもが生まれる前と後でぼくの仕事観がどのように変わったのかを書いています。
子どもが生まれると、男性の心境はどのように変わるのか?
一つの参考例としてみていただければと思います。
◇
子どもが生まれる前のぼくにとって、仕事は「自分の夢を叶えるための手段」でした。
海外と関わる仕事がしたい。広告業界でも働いてみたい。マーケティング職として働きたい。
キャリア上の夢はたくさんあり、それらの夢を叶えるための手段が仕事でした。
誰かのために働くのではなく、自分のために働いていたんです。
憧れの気持ちを持ったまま終わりたくなかったので、ぼくは一つ一つの憧れを潰すように転職を重ねました。
商社、広告会社、販促の仕事、海外出張。
自分に合った仕事を探すように転職を重ねていた頃、妻の双子妊娠を知りました。
当時、ぼくは毎日終電帰りで、週に2回は徹夜をするような働き方をしていました。業界の慣習や会社の雰囲気から、そういった働き方を避けることができなかったのです。
好きな仕事をしてはいましたが、決して収入は高いとは言えず、双子を養っていけないと思ったぼくはつてをたどり、なんとか条件のいい転職をすることができました。
新しい職場はぼくに合っていたようで、気の合う同僚たちと毎日が学園祭のように楽しく働いていました。
ですが、子どもたちが生まれ、いつまでも自分のことだけ考えて働くわけにはいかないことにも気がついたんです。
当時、ぼくは朝5時に家を出て、18時半から19時に家に帰っていました。
会社から家まで距離があったため、定時(17時半)に家を出てもそんな時間になってしまうんです。
夕方遅くまで仕事ができない代わりに、朝早く会社に行って仕事をしていました。残業代が出ないと収入が低く、生活ができないという事情もありました。
双子育児を壮絶を極め、ぼくらは毎日フラフラになりながら育児にあたっていました。
ぼくにとって仕事は休憩時間のようなものでした。育児に比べたら仕事なんてたいした労力じゃなかったからです。
そう、子どもが生まれた後のぼくにとって、仕事は逃げ道になっていたんです。辛い育児から逃れられる唯一の逃げ道だったんです。
家庭から逃れるように海外出張や社員旅行に参加し、忘年会や新年会にも参加していました。
そこでの同僚との触れ合いが、ぼくを正気に与えていたんだと思います。当時はぼくも妻も気が狂いそうなほど疲れていましたから。
その時のことはこの記事に書いています。
上の子たちが2〜3歳になる頃、ぼくと妻の関係がギクシャクし始めたんです。
なにを言ってもぼくの声が妻に届かない。ぼくの言葉や気持ちを受け止めてもらえている感覚がほとんどなかったんです。
今思えば、ぼくも妻の言葉や感情を受け止めていなかったんだと思います。
これはまずいと思ったぼくは、家事を熱心に行い、妻に労いの言葉をかけることを習慣にしました。
(ぼくの場合、「家事と労いの言葉」が夫婦関係を変えるきっかけになりましたが、なにがきっかけになるかは人それぞれ異なると思います)
なんとか夫婦関係を立て直した頃に、三男の妊娠が発覚。
最初の出産での失敗を繰り返さないために、妊娠がわかったタイミングで、ぼくは長期育休を取ることを決め、上司に相談しました。
育休に関する話はこの記事にまとめています。
この頃、ぼくは「なんのために働くのか?」と自分に問うようになりました。
ぼくにとって働くことは「夢を叶えるための手段」ではなく、家族を経済的に支えることへとすでにシフトチェンジしていました。
ですが、そこからさらに「妻と子どもたちが安心して暮らせるために働く」といったものへと変わっていったんです。
妻と子どもたちが安心して暮らせるためにはどうすればいいのか?
妻との会話時間を増やし、気持ちを聞き出すようにする。
子どもたちの話を聞いてあげ、悩みがあれば一緒に寄り添い、介入が必要であればする。
そのために残業を一切せずに家庭に集中する。
主に精神面での寄り添いを中心に行動を起こしていきました。
家庭は安定しましたが、葛藤も生まれました。
葛藤の中身は、仕事に思いっきり打ち込めないストレスや、まわりがどんどん出世していく焦りでした。
これについてはこの記事でまとめています。
今、ぼくはもう一度自分に問いています。
「お前はなんのために働くのか?」
その答えは二つあるなと、今のぼくは思うんです。
一つは「家庭を経済的に支えるため」、もう一つは「自分の精神を安定させるため」です。
やりがいのない仕事はつまらないんです。いくらお金のためとはいえ、魂がすり減るような仕事はつまらないだけなんです。
かといって、昔のような働き方はできない。
ならば、新しい働き方を作るしかないんです。
ぼくにとって「自分の精神を安定させる」仕事とは何か?
それは「新しい経験」がキーワードでした。
新しい商品、事業、生産戦略。ぼくは同じ仕事を繰り返すことが苦痛なので、常に新しいことをしていないと気が狂いそうになるんです。
「新しい経験」をキーワードに仕事を選び、成果を出していこうと思っています。今勤めている会社でも、会社外でも。
毎朝4時から書いているこのnoteも、お昼休みに収録しているポッドキャストも、ぼくにとっては「精神の安定」につながっているんだと思います。
子どもが生まれれば、否応もなく環境は変わりますよね。ぼくという人間の在り方も同じではいられないと思うんです。
もちろん、そこには葛藤が生まれるけど、今の環境という前提条件のもとで自分には何ができるのか、それを模索し続けるのが出産後の働き方なんじゃないのかなって、今のぼくは思っています。
ポッドキャスト「アツの夫婦関係学ラジオ」でも、この話をしていますので、合わせて聴いていただけると嬉しいです。
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#465 出産後の"夫目線"での心境の変化【仕事編】
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